続編と言いつつ、前回は一言もテコンドーの話をしてませんでしたね。
ここで原点に帰って、テコンドーとは何ぞや、という話をしてみたい。
オリンピック競技にもあるので、テコンドーという名前ぐらいは、今は日本で知らない人はいないかもしれない。
最近も夏季オリンピックの競技選考でレスリングが落ち、テコンドーが残ったという報道が話題になったばかり。
テコンドーよりもレスリングが落ちた事で世界中で大騒ぎになりましたが、その選考でテコンドーは生き残り、結果的に「新規で申請」していた空手を退けた形にもなっていたんですな。
名前だけは何とか認知されているテコンドー、では、その詳しい内容といえば、全くと言っていいほど知られていないのが現状というわけで、今回は私が知る範囲で、
テコンドーを考察してみたい、という次第。
知られていないと言っても、テコンドー道場は一応日本全国にあるし、ネットなどで公式・非公式の情報は集めることができる。
ここでいう公式というのは、各テコンドークラブのHPでの説明の事。
ただ、いわゆる書籍でテコンドーを知ろうとすると、書店等で購入できる本には、テコンドーを体系的に説明したものはないのが現状。
これは韓国のオリンピックテコンドー(WTF)に限局しても同じで、隣国の国技の、しかもオリンピック競技でもあるにも拘わらず、きちんとした書籍がないのは、
韓流だ、なんだと騒がれている昨今においてもやはり「近くて遠い国」の国技ゆえかどうか。
そんな情報過疎の中でも、
テコンドーが大きな団体としてITFとWTFの二つに別れること。
ITFはさらに国際的にも国内的にもいくつかにわかれていること。
テコンドーは韓国オリジンで、元々ITFしかないかったが、現在の韓国のテコンドーとは、オリンピックで採用されているWTFが圧倒的に主流であること。
以上のことはさっとネットで誰でも調べられる話。
また、テコンドーの創設者が日本で松濤館流空手を学んでいた事から、テコンドーが松濤館流空手の影響を受けている事なども割と苦労せず知ることができる筈。
ただ、私的にはテコンドーが空手の亜流である、といったネットで散見できる、韓国を軽侮した口調で語られる事には賛同しない。
理由は二つある。
一つは、例えば私が取るオリジナル論の参考として、空手の例を上げてみる。実は、日本の空手そのものが、独立国だった沖縄の、唐手が源流で、そのまた源流が中国であるという事実がある。だが、歴史的変遷を経て、日本本土にて空手が今の体系になった以上、現在の空手は「日本の空手」である、という立場に私は賛同するからである。
もう一つは、テコンドーそのもののオリジナル性がある。テコンドーの創設者の頭にあったのは、私に言わせれば、「空手でない空手」だったと言える。
松濤館流空手を否定する方向から体系的にテコンドーが作られた以上、これは、亜流だの、パクリだの、という範囲の話でないと私は思っているのだ。
また、長くなりました。では、次回。