【配信】理不尽なリリース配信業者
リリース配信業者について、日頃、私の思っていることを書いてみます。
■PR広報のノウハウがない業者が急成長(1/2)
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私の本業はプレスリリースを配信代行業。日本で一番最初にインターネットを使ってプレスリリース配信代行業を始めた老舗という自負があります。
▽当社リリース配信サイト http://s-pr.com/dor/
ところが、今では同様のサービスはネット上に60社程度に増えてきました。乱立といった言葉がふさわしく、まさに混戦状態です。
われわれのようなPR専業の会社が経営するなら大いに結構なんですが、ノウハウがないのを自覚しているのか、さすがに広告代理店系の運営はないです。しかし、最近では個人系もサイトを立ち上げ、類似サービスが増えています。
際立って多いのが情報・通信系会社の運営です。PR広報のノウハウなどないはずなのにあつかましくもプレスリリース配信代行業に参入してきています。サイト構築を自前で作れるからなのか、PR広報ビジネスを甘くみているとしか思えません。
その情報通信系の会社。ものわかりのいいライターをスタッフに抱え込んで、あたかもPR広報業務をわかっているかのように成りすまし、安い配信費で顧客を集め、事業成功を収めている業者もいます。
ひどい業者になると「ネットPR」という言葉を商標登録したとかで、この言葉を使ってビジネスしたらしかるべきところに出て訴えるぞ、といわんばかり。
この会社、どうやら資金力は潤沢らしく、とった戦略が業界のオピニオンリーダー、キーマンの抱え込み作戦。セミナーや著書を乱発し、ゲスト出演や執筆協力など協力者人脈を拡大しています。裏を返せばそうするしか方策がなかったのだと思います。そもそもPR広報のノウハウなんてないわけですから。
SNS分野で業界随一の地位を築き上げた東大出の社長が賢いのは、それまで順調に育ててきたプレスリリース配信事業を他社にあっさり転売したこと。その譲渡益を上場とSNS事業の資金源にあてた。PR広報事業にノウハウもなく未練もなかったのではやばやと手を引いた。これは賢い選択だったと思う。
■ポータルサイトへのリリース配置代行(2/2)
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上述の「ネットPR」会社や「(現)SNS会社からリリース配信事業を買収した」会社を含め、最近、リリース配信業者におもしろい現象が起きています。
ネットはもちろん一般ニュースをも扱うYahooなどニュース系ポータルサイトが「プレスリリース」というカテゴリーを設け、企業のプレスリリースもWebで扱いますよというサービスを始めた。
そこに着目したのが上述の2社をはじめとするリリース配信各社。ポータルサイ ト会社と提携するようになった。その結果、そこのリリース配信業者の売りが「○○ヶ所のポータルサイトに掲載されることを約束します」。
つまり、顧客にすればこういった業者にリリースの配信依頼をすれば確実にYahooなどのポータルサイトに掲載されるというわけです。ある業者は「いただいたリリース通りにそのまま掲載します」とも。
ニュース系ポータルサイトの「プレスリリース」というカテゴリーに、顧客作成のリリース全文が掲載されることになるのですが、これは同サイトのニュースというカテゴリーで掲載されている、いわゆる「報道記事」とは違います。
単にポータルサイトに企業リリースを置きにいったというのが正しい解釈でしょう。パブリシテイというのはニュースの価値判断の訓練をつんだ職業ジャーナリストが市民権を得た媒体に(プレスリリースなどを)情報提供する行為。
結果、記者独自の視点で取材をもとに書かれたのが報道記事となって掲載されるわけですが、ポータルサイトに掲載されたといっても、記者のフィルターを通して記事コンテンツにはなっていないわけですから、これはパブリシテイとは違います。
これらの行為、言葉でいえば、ポータルサイトへのリリースコーナー配置代行活動といっていいでしょう。顧客はこれをもって、たとえばYohooやAsahi.comに掲載されたと思っているのかもしれません。
ポータルサイトの「プレスリリース」というカテゴリーに掲載されても、そこは見る人が少ないばかりか、見た人がいたとしてもそれを報道記事とは思っていません。なぜなら企業作成のリリースであって報道記事ではないのですから。
なぜこのような馬鹿げたことを平気でリリース配信業者はやっているのでしょうか。それは依頼しても1本も掲載されなかったという声になんとか応えたいという気持ちから始めたサービスなのでしょうが、そもそもPR広報とは何ぞやという根本からの思想に突きあたっていきます。
これは配信業者側はもちろんですが、依頼主の顧客側にも問題があると思います。もともと報道価値のないリリース(私にいわせるとリリースとはいわない)を何とかしろといっているようなもので、それを、わかりました、何とかしましょう、というのがこの「ポータルサイトへのリリース配置」行為へと駆り立てたものと思われます。
当社はポータルサイトとの提携も一切しておらず、ひたすら報道記事のコンテンツのみをパブリシテイと考えています。マスコミという独立した報道機関の訓練された記者のフィルター(視点)によって記事になるからこそ価値があるわけです。
企業側が一方的に作成したリリースをポータルサイトに置きにいっていったい何の価値があるというのでしょう。第三者の手(マスコミ記者)によって加工されるところに意義があるわけです。それを「いただいたリリース通りにそのまま掲載します」ということ自体ナンセンスといわざるを得ません。
はっきりいいます。当社以外のプレスリリース業者はすべてウソと断言できます。その証拠を。まず、一流媒体(全国紙、通信社、テレビ局)の記者たちはリリース提供をほとんどといっていいくらい「郵送」を指定して来るはずです。
であればプレスリリースは郵送されなければ受け取ってもらえず、閲覧されていないわけですから当然のことながら報道記事になるわけがありません。当社以外のリリース配信業者で「郵送機能」のあるところは1社もありません。
このひとつをとっても同業他社のビジネスはウソと言い切れます。かれらはリリースをメールやフアックスで配信するのだといいます。
たとえばメールのアドレス。よく聞いてみると、Asahi.comのサイトに「info@asahi.com
」宛でメール送信しているのだという。これはサイトの管理者のところにリリースが送信されるのであって記者宛ではないですよね。こんな初歩的なことを平気でやっているわけです。
なぜこういうことがまかり通るのか。それは情報通信系の業者に多い「PR広報」が何たるかをまったくわかっていないからであります。第一、一流メディアの記者たちがよくも知らない(情報通信系会社の)人に、やすやすとメールアドレスを教えるわけがありません。彼らはデータベースにしてるっていうけれど、よくみるとサイトに記載のinfo@マスコミ会社宛に送っているんです。
どうすればいいか。
プレスリリース配信業者を利用される際は、われわれPR専業系の会社なら問題はないでしょう。それ以外の業者にPR広報のノウハウなどありませんので、あやしいとみた方が正しい選択です。
大事なのはPR広報をどれだけわかっているかです。安かろう、悪かろうではダメなんです。