【人事】マックには新社長が理想的
以下の記事は、東洋経済オンライン が2月11日(水)4時50分に配信したものをそのまま転載したものです。
筆者は文末にあるように、「リスタートをせよ」と提案しているが、私はもはやこの社長ではマックは再生できないと考える。日本の国民感情になじまないと思うからであります。
一番いいのは社長を解任し、新社長でリスタートするならまだ光が見える。この社長を補佐していた役員は社長の器ではない。いったんここまでダメージが残ったものはそうやすやすと取り去ることはできない。日本人でも外国人でもいいから、新しい社長の登場で巻き返しを図るしか道はないと考えます。
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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150211-00060414-toyo-bus_all&p=1
マクドナルドの「謝罪」は、何を間違えたのか
日本マクドナルドホールディングスのサラ・カサノバ社長は2月5日、東京証券取引所で開いた決算発表会見で、次々とあらわになったマクドナルド商品への異物混入トラブルについて謝罪した。
「お客様に多大なご迷惑をかけた」
ヘアスタイルをすっきりとアップにし、深々とこうべを垂れて謝罪したカサノバ社長だが、後で触れるトラブル発覚時の初動対応のまずさは、すでに経営数字に表れている。日本マクドナルドの1月売り上げは前年同月比38.6%減、2014年通期連結決算で過去最大の218億円の大赤字という、壊滅的な状況だ。
この数字は、日本マクドナルドに対する信用失墜という単純な表現では片づけられない。トップも含めた広報対応のまずさから、商品だけでなく、日本マクドナルドそのものが「信用できない企
業」として、多くの消費者から見放されつつあることが、すでに表面化してきているのだ。
■ 残ったのは不信感だけ
カサノバ社長は当初の会見で、「トップクラスの安全性と品質管理を行っている」と胸を張ったが、会見後に残ったのは、増幅された「マクドナルド」ブランドへの不信感だけだった。ここまで傷口を大きくしたカサノバ社長と広報スタッフは、何を間違えたのか。
発端となったのは、期限切れ鶏肉問題で開いた昨年(2014年)7月の会見だ。問題発覚後、カサノバ社長が約10日間も謝罪会見を開かず、決算会見にタイミングを合わせて陳謝したことは、マクドナルドが「商品の安全性を軽んじている」との印象を世間に与えた。この対応の遅さは致命的であり、悪夢の始まりだったと言える。
当時の会見でカサノバ社長は「マックはだまされた」と訴え、被害者を装ったが、消費者からは責任転嫁と受け取られ、「申し訳ないことをした」という気持ちが全く伝わらなかった。カサノバ社長の強気の姿勢は、報道関係者や消費者に、一番嫌悪される内容で、2000年に発覚した雪印乳業の大量食中毒事件における、「私は寝ていないんだよ」という石川哲郎社長の失言を彷彿とさせるものであった。
当時の雪印グループは、石川社長の失言で、ブランド力が失墜。その後、牛肉偽装事件を引き起こした雪印食品が解散するなど、グループ解体を余儀なくされたほどの打撃を受けるに至った。
後味の悪い鶏肉問題の後、追い打ちをかけるように起きたのが、今年(2015年)に入って、次々とあらわになった異物混入トラブルだ。チキンマックナゲットにビニール片、ホットケーキに金属、サンデーチョコレートにはプラスチック片が混入し、けが人も出てしまった。続出する前代未聞のトラブルが毎日のように報道された。
■ 「責任を押し付け、トップが逃げた」
1月7日、とうとう日本マクドナルドは謝罪会見を開くことになるのだが、ここで犯した決定的なミスは「出張中」との理由で、カサノバ社長が姿を現さなかったことだ。
マスコミ関係者にも消費者にも「責任を部下に押し付けて、トップが逃げた」という印象を強く残すこととなった。謝罪会見は、企業のトップが臨まねばならないというのは、広報戦略の基本中の基本である。
さらに最悪だったのは、会見に臨んだ取締役上席執行役員、青木岳彦氏と菱沼秀仁両氏をはじめ、会見に臨んだスタッフの腰の引けた対応である。
菱沼氏が女性記者の追及にしどろもどろになり、救いの手を求めるかのように青木氏や他のスタッフに視線を投げかける場面があったが、全員が目を合わさないようにと下を向いたり、宙を仰いだりしていた。多数のスタッフが、のこのことカメラの前に出てきて、仲間を切り捨てる様が、映像や写真で全国に流布されたわけだ。
「マクドナルドの経営陣は、一枚岩ではありません。皆、保身で精いっぱいです」という無様な姿を露呈していた。青木氏に至っては、一連の広報対応を問われた際に、「適切な対応だった」と開き直る始末で、「トップが逃亡し、部下が開き直っている」ようにしか見えなかった会見は、今後、お粗末な謝罪会見の代表例として紹介され続けることだろう。
企業が不祥事を起こした後に開く「謝罪会見」で企業トップや幹部は、消費者に対して「申し訳ございません。私どもが悪うございました」と謝り続けねばならない。平常時の自信に満ち溢れたプライドは不要だ。会社存続のため、ひたすらこうべを垂れ続ける忍耐力が求められるのである。
2011年5月に起きた「ユッケ」による集団食中毒事件を引き起こした外食チェーン「フーズ・フォーラス」社長=当時=は、報道陣の追及に、社長が逆切れした様子で応じたが、結局は同社の破たんを招いただけであった。
また、謝罪会見場に臨むマスコミは、企業が平常時につきあっている経済部記者より、社会部記者が主導権を握るということを強く意識したほうがいいだろう。
■ 「社会部メンタリティー」を理解せよ
不祥事や事件に日々直面する社会部記者は、謝罪会見で不祥事を起こした企業の正当性を聞こうなどという気はない、と考えたほうがいい。彼らは、ひれ伏す企業のトップを国民に紹介することを頭に描きながら会見場にやってくる。マクドナルドは、そういった不祥事におけるマスコミの「社会部メンタリティー」を全く理解できていなかったといえる。
企業の広報におけるリスクヘッジは、できているようでいて、できていない。筆者が提案したい謝罪会見のポイントは、まずはトップが即座に対応すること。そして、平素から付き合いのある経済部記者を通じての社会部記者とのパイプ作りである。
記事に手心を加えてもらうという戦略ではない。不祥事という雪崩のような動きが発生した場合、一記者の意向で紙面をコントロールすることなど不可能だ。ただ、会社のイメージダウンなど、不祥事による傷口を最小限にとどめるため、マスコミ側の雰囲気や空気感などを情報収集するほか、会見で留意するポイントをアドバイスしてもらうのは、非常に有効だろう。
世論やマスコミの感情は生き物である。刻一刻と変化するし、ケースバイケースでの対応も迫られる。社会部記者からは、弁護士やPR会社にはできない臨機応変かつ実践的なアドバイスがもらえることだろう。1人の経済部記者の後ろには、同期や先輩後輩といった社会部記者が必ずいるものだ。
謝罪会見と言うと、弁護士やPR会社を頼るケースがほとんどと思うが、同席した弁護士がにらみを利かせ、法を盾に、無難な答弁に終始し、「それでは時間ですので・・」などと切り上げてしまう会見は、マスコミの感情を逆なでするだけだ。
弁護士は、クライアントである企業を守ろうとするが、世論の取り込みには疎い傾向がある。また、PR会社や広告会社は、会見のセッティングなどにはスキルを発揮するが、記者経験のないスタッフがほとんどであろうから、マスコミの皮膚感覚については鈍感であると言わざるをえない。
■ リスタート会見のすすめ
そして最後に、筆者が提案したいのは、謝罪会見後の「リスタート(再スタート)会見」の必要性である。不祥事の原因、そして今後の対応策を社内調査などで明確にし、マスコミや消費者にあらためて明示するのである。
不祥事をあいまいなままにせず、消費者が不安に感じる要素をできる限り取り除く。そして、「お客様の安全を徹底的に守っていく」というメッセージを発信できた企業はないに等しい。「謝罪会見を無難に終えたのに、わが社の不祥事を蒸し返す必要はない」という考えもあろうが、長い目で見れば、「安心安全」を毅然と謳う企業姿勢は、結局は市場の信頼を勝ち取り、不祥事をメリットに転換させることも可能になってくるだろう。
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佐藤 修
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