【事実】ファクトを扱うのがPR広報の世界
私は広告が大嫌い。ウソの世界でできているからだ。そこにいくとPR広報はジャーナズリムと同じ。フアクト情報を扱う仕事なので公序良俗の感性はもとより、事実を積みあげてコミュニケーションしなければならない。
報道になって欲しい一心で、ついついオーバーな表現になってしまう。その辺から基本精神を改めなくなてはいけない。あるがままに伝える。それが広報の精神だ。驚かせたいなら、プレスリリースの文言以前の問題だ。そう、企画だ。その企画は本当に報道に値する内容なのか。もう一回見つめ直してほしい。
■ファクトで語るのが広報(1/2)
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広報に携わる者に「広報7大原則」というのがあります。具体的には
[1]真実性の原則
[2]ツーウエィ・コミュニケーシヨンの原則
[3]公開の原則
[4]企業代表機能の原則
[5]ふれあいの原則
[6]客観視の原則
[7]公正の原則
というもので、この中でもっとも重要なのが、[1]の真実性の原則です。
この真実性の精神をプレスリリースに置き換えてみましょう。プレスリリースとは報道発表資料のこと。その内容はメディアに報道してもらいたい事柄を記載するわけですが、当然のことながら記載内容にウソがあってはならない。
それは企業の最高責任者として社長も認容しているわけで、プレスリリースという形で社外発表するマスコミ向けの公式文書だからです。
これに反すれば、単に虚偽記載というだけでなく社会的責任(CSR)を果たさない企業としてマスコミから烙印を押されることになります。
これまで積み上げてきたその企業の信頼獲得マーケティングである広報が一瞬にして壊れていきます。ウソをいう会社は社会の構成員、仲間としては認められないというわけです。
かつてのリクルート事件のように、ウソは偽証罪なのである。ウソ同様、広報に、そしてプレスリリースに「隠しだて」があってもいけない。
これからの広報は「会社のすべてをみて調べていってください。何か問題があるならば、一緒に考え、解決策を見つけてやってください、よろしくお願いします」という姿勢が大切になります。
そのウソのないリリース内容とはどういう状態か。それは事実(ファクト)に基づいた本当の情報で構成されているかということ。情緒や意見は控えめにして、事実を前面に出さなければならないのがプレスリリースだ。
このように、広報はウソやゴマカシでなく「ファクト」という「情報」を扱う特殊な仕事といっていいと思います。だから慎重にならざるを得ない。どこの会社だって社会、とりわけマスコミからはよく思われたい。
しかし、だからといってプレスリリースには宣伝臭や過大な表現は避けなければならない。ましてや虚偽は絶対禁物である。ウソの記載とはそういう状態をさしている。
「真実の原則」は「広報の第一原則」であり、同時に「プレスリリースの第一原則」ともいえます。だからこそ、軽々しく「日本一」「世界初」などの形容詞をタイトルにつけたり、針小棒大で空疎な書き方はタブーというわけです。
■間違いに気づいたら(2/2)
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「ファクト」(事実)とは多くの人がそれと認識できるもの、具体的にはデータや資料や統計を指し、「意見・解釈」とははっきり区別すべきと思います。
「真実」という言葉は事実と似ていますが、これは「意見・解釈」の一つと考えるべきでしょう。真実は「人間の分析力や判断力でとらえる」ものであって、事実とは違うものと思います。
その「ファクト」だけで構成された文章がプレスリリースと書きましたが、トップの意見や担当者の解釈をコメント(談話)やエピソードとして挿入すればに生き生きとしたプレスリリースが出来上がります。マスコミが記事にしたくなるような生きた文言を挿入したプレスリリース例をご紹介します。
[例]http://s-pr.com/room/Msbridal-yoko.doc
(グレー網部分)
具体的な「ファクト」に裏づけされた「意見・解釈」のリリースであれば、読み手であるマスコミ側は納得するでしょうが、事実なのか意見・解釈なのかが
あいまいに書かれてあれば、どのような結論・主張であっても不信感はまぬがれないでしょう。
あなたが作成したプレスリリースで、「事実」と「意見・解釈」の2つに区別してその文量比率をみるとわかると思います。
では、どうすれば「ファクト」で構成されたリリース文章が作れるか。できるだけ書き手の主観的な意見や判断を入れないことです。そのための3箇条。
[1]感情を抑え、客観的に書くこと
[2]対象を的確に把握して書くこと
[3]形容詞・副詞はできるだけ使わないこと
つまり、できるだけ、感想・解釈を加えないこと、美化・脚色しないことが、プレスリリース作りのポイントになります。
そして、万一、プレスリリースの間違いに気づいたら3つの[正]で対応したらいいと思います。それはいちはやく[訂正]し、[正直]に[正確]を期す、の[正]。広報の本質は、どこまでいっても「正直広報」というわけです。
[1]訂正
[2]正直
[3]正確
「広報の第一原則」に、「真実の原則」があり、その「真実の原則」の精神は結局のところ「人間の正直な心」にたどり着きます。
ここに、松下幸之助さんの心にしみる素敵な言葉が残されております。
▽日頃から企業の考えていること、そして業績や製品に至るまでのありのまま
の姿、正しい姿を世間に知ってもらうことが大切である。決して実態以上に見
せようとすることは慎まなくてはならない。
▽真実をありのままに知ってもらうことが長い目で見て一番大切なことである。
世間は正しいと考え、その正しい世間に受け入れられるような仕事をして行
くところに事業発展の道がある。
この「人間、正直たるべし」の思想こそ、企業広報人の原点と思われます。