【PR論】広報人はアンカーに非ず | PRアイディア直売所 ~作って売るから安い~

【PR論】広報人はアンカーに非ず

発想とアイディアを独自の視点から研究している【伝説のPR職人】のハスカです。


広報パースンはアンカーに非ず、ということを・・・・書いてみます。

■広報の仕事はなぜ最後なのか(1/2)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
プレスリリースを書いてたくさんのメディアに報道されたい、というのは広報担当者ならば誰でも思うもの。

しかし、一方で「何を書いていいかわからない、書く材料が見つからず、そのための社内外の素材や情報を探すのは難しい」「社内でお呼びがかかるのは決まって営業部門や企画部門の後になり、リレーでいえばアンカー的存在になりがち」というのが現実。

「広報の出番はいつも最後」-。

この言葉に私は強い衝撃を受けております。私は広報専門職ですから案件全体をスタート時の企画から最後のリリース発信にいたるまですべて「広報目線」で仕事をしていますが、考えてみれば企業の広報担当者にとっての出番というのは「情報発信係」「情報処理係」としての「広報」なんですね。

企業内広報担当者の場合、自分の一存ではなにもかも決められないし動けないですものね。何もかもが縦割り、横のつながり、といいますが、要するに組織で動いているわけですね。

なるほど。これではいい広報活動や狙った広報成果物を獲得できるわけがない。なぜなら「待ちの広報」だから。マーケティング部門や企画部門からあがってきた社内情報を受けてはじめて広報の仕事が成立すると考える「待ちの広報」的思想ではおのずと広報活動には限界がありますね。

そんな「待ちの広報」的思想は即刻捨てていただき、「攻めの広報」に転ずるべきと考えています。私のいう「攻めの広報」とは「あらゆるビジネス案件は広報部門がイニシアティブをとり、最初から最後まで関与しなければならない」というものです。

ビジネス案件の存在意義の論議から始まり、さまざまなテストマーケティングを経て試作品、そして最終の完成品になるまでの全工程に広報が関与する。ポイントはそういうことが可能な「社内組織づくり」と全工程の内容にまて首をつっこみアドバイスが指摘できる「広報担当者のスキルと権限」が必要になってきます。

■プライオリティ広報(2/2)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
今日のビジネス経営においてマスコミ報道されることは「(ゴールに向かって)最短距離かつ最短時間で進むこと」に他ならない。発表されたビジネス案件情報がマスコミという社会の権威ある情報機関に評価されたわけですからその影響たるや目標遂行に最短距離にコマをすすめたといっていい。

マスコミ報道されないよりされた方がビジネス活動がうまくいく場合が圧倒的に多い。ならばマスコミ報道されることを前提にあらゆるビジネスプロジェクトを「広報目線」で関与すべきではないのか。

たしかに企業や団体はマスコミ報道されために存在しているのではないし、必ずしもいいことだけが報道されるとは限らない。しかし、そうはいってもやはりマスコミ報道は絶大なのだからそこは素直に認め、「いい内容をより多く露出」させた方が激しい企業戦争に生き残れるということができます。

これまでの広報は、メディアの視点とは無関係に創出された商品・情報を、企業の視点で広報することが多く、そのため商品・情報がなかなか世間に受け入れられず、ビジネスとしての成功が難しい。

英語では、第一走者を「The first runner」、最終走者を「Anchor」というが、ビジネス活動をこれになぞらえた場合、広報が「Anchor」としての役割だけでなく、「The first runner」であるマーケティングや営業活動全般に直接関与することで、世間に受け入れられやすい商品・サービスを生み出すことができ、ビジネスを成功に導くことができる。

「The first runner」から「Anchor」までを包括する「広報」こそがビジネス成功の鍵と判断、“ビジネスにおいて、まずは広報が重要”との位置づけで、私は『Priority広報』という新語を提言しております。

『Priority広報』を推進するためには大胆な組織の改善が不可欠、執行にあたっては豊富な広報スキルの人材とそれを補完する強大な権限と潤沢な予算が裏打ちされなければならない。

以下の組織図は私の考える広報部門。ちよっと現実味に乏しいですが、私の没後、新時代になればひよっとしたらこういう時代がくるかもしれませんよ。


PRアイディア直売所 ~作って売るから安い~-広報本部長の図.jpg

この組織図の最大の特徴は営業部門や他のスタッフ部門よりも一番上に来ていることである。こういう組織をつくればすべて広報本部がイニシアティブをとることが可能になります。

いきなり大企業では無理でしょうから広報の重要さを知り尽くしている中小企 業から生まれ変わって欲しいですね。あらゆるビジネスの失敗の責任はすべて 「ライン」よりもそれを意思決定した「スタッフ」部門にあるという思想。強 大な権限とはウラハラの関係ですが、当然のことですよね。

上記組織でいう広報本部長はかなりのスキルが必要されます。何でもできるスーパーマン的人材でないと。実はこの人材を確保することが難題ですが。


発想とアイディアを独自の視点から研究している【伝説のPR職人】ハスカです。私の一貫したスタンスは「あらゆるビジネスの根本は発想・アイデイアにある」。マスコミと読者を「ハッ」とさせ、「ソウ」だったのかとうならせる、「わがハッソウ(発想)術は永久に不滅です」。また、ハスカ式PRをひと言でいうなら「創作PR」の世界といっていいでしょう。古典PRというものがあるかどうか知りませんが、私のは既存手法とはまったく違う独自開発したユニークな独創的PRといえます。