【視点】ソーシャルな視点とは

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広報人にとってソーシャルな視点こそ大切、という話を・・・・書いてみます。行っておきますが、私のいうソーシャルはソーシャルメデイアのそれではありません。社会的な、という単純な意味にご理解ください。
■ソーシャル・リレーションズ(1/2)
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プレスリリースを作成する時、自社商品および自社のみの情報だけではなく、消費者や業界のこと、競合他社のこと、オピニオンリーダーの意見などを含めた総合的でかつ「ソーシャルに視点」にたって書くとよい。「ソーシャルに視点」とは文字どおり「社会と対話する」ことだ。
ここでいう「社会」とは企業・団体をとりまく関係各位、具体的には、従業員や株主、地域社会、消費者、取引業者、さらには行政やマスコミなど、いわゆるステークホルダー(Stakeholder)と呼ばれる「利害関係者」をさします。
これらステークホルダーからコンセンサス(合意)を得ることは今後の広報活動でも大切なテーマの一つになっていますが、そのスピリットをプレスリリースにも注入、表現するといいでしょう。
ところで、日本では「広報」のことを「PR」「パプリック・リレーションズ」といわれていますが、私はこれを「ソーシャル・リレーションズ=SR」に改めるべきだと過去2回、別のコラムで書きました。PRからSRの時代へと。
1回目:http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=393
2回目:http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=641
近年叫ばれているクライシス(危機管理)やコンプライアンス(法令順守)の広報用語もすべて「ソーシャル(社会)」というキーワードでくくれる。
最近では「ソーシャルマーケティング」という言葉まで登場するようになってきた。「ソーシャルマーケティング」とは、企業の利益追求中心のマーケティングに対し、社会とのかかわりを重視するマーケティングの考え方を指す。
また、現実の自分の友だちや知り合いたちと、インターネット上でつながる仕組みを提供したサービスを「ソーシャルコミュニケーション」という。
ほかに「ソーシャルコミュケーション研究室」という名の大学や「ソーシャルコミュニケーションズ」というずばりの会社名まである。さらに、ブログやSNSを「ソーシャルメディア」ともいう。
そんなソーシャル現象の中で「ソーシャルマーケティング」や「ソーシャルコミュニケーション」に関する書籍も出てきた。
▽立命館大学 情報理工学部 情報コミュニケーション学科
ソーシャルコミュケーション研究室 http://www.sc.ics.ritsumei.ac.jp/
▽有限会社ソーシャルコミュニケーションズ http://www.socialcom.jp
▽本「ソーシャル・マーケティングのすすめ」(宣伝会議)http://z.la/5lbf2
▽本「広報力が地域を変える!―地域経営時代のソーシャル・コミュニケーション」
(日本地域社会研究所)http://z.la/4c8tc
■「ステークホルダー」の数字や意見(2/2)
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これからの時代、広報は、「ソーシャル」というキーワードで説明しなければならなくなったということです。
さて、今回のテーマである「ソーシャルに視点」にたって書くリリースとは具体的にどんなことなのかを-。
たとえば、以下のタイトルのプレスリリースを作成したことがあります。
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◎お魚宅配サービスが中高年に人気
「高くてもいいものを」とのニーズに対応
産地直送の新鮮さが好評
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●リリースの詳細 ⇒ http://s-pr.com/room/osakana.ppt
このリリースのどこが「ソーシャルな視点」かいいますと、本編を展開するためにまず「魚の消費量」と「鮮魚店減少」の2つの数値データを行政ベースの数字・情報をインターネットで検索・ゲットした。
●平成15年の家計調査年報
http://www.stat.go.jp/data/kakei/2003np/02nh.htm
●鮮魚小売店舗
http://www.meti.go.jp/statistics/syougyou/1999-kak/h11kaku1.xls
このように、あることを主張、展開するのに数字を使って外堀から客観的に説明していくやり方が「正当性」と「客観性」があり、読者に対し説得力を持つ。そのとき一番使われるのが官公庁や業界の数字やデータだ。そういう意味で各種アンケート調査結果は有力な情報源になります。
私の言う「ソーシャルな視点」はこうした官公庁発のデータだけではなく他にもいろいろあります。
官公庁のデータ・数字・意見
業界のデータ・数字・意見
競合会社のデータ・数字・意見
消費者・の意見
オピオンリーダー・評論家・ジャーナリストの意見
一般市民・NPOの意見
これからの時代、企業は顧客だけでなく、市民、行政、マスコミなどにも認容される広報活動を行っていくべきで、それはひとえに「いい社会」「いい生きかた」をめざすための「ソーシャルな会話力」が問われてくるでしょう。
プレスリリースは「おやっ」「わあー」「えっ」「へぇー」などの根本的ニュース素材のみならず、こういった「ソーシャルな視点」にたった姿勢や文言なども積極的に記載していくことが大切になってくると思われます。