【視点】虫の目 獣の目 鳥の目
プレスリリース(報道用発表資料)の書き方はCWDIで構成します。
私はCWDIを
・虫の目
・獣の目
・鳥の目
の視点からとらえています。
一般的には
虫の目:細かく見る目(現場の視点)
鳥の目:俯瞰的に見る目(マネジメントの視点)
魚の目:時流を読む目(経営者の視点)
といわれます。
■結論から書く「先述方式」(1/2)
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プレスリリース(報道用発表資料)の文章構成についてはいまさら話すまでもないのですが、私なりの考え方・まとめ方を紹介します。
ポイントは「一番言いたいこと(主張・結論)」を先に書くことだと思います。
実際の新聞記事の場合、紙面スペースが限られている関係上、主張や結論は文頭にくるのが慣例になっておりますので、書き方のお手本は新聞記事といえます。決して雑誌記事やネット記事、単行本でもありません。すべての基本は新聞記事といっても過言ではないと思います。
裁判の判決理由でもそうですね。裁判長は、まず(主張・結論)に相当する「主
文」を述べ、次いで、その「理由」へと進んでいきますね。死刑判決を言い渡
す場合は主文を後回しにして理由から読み上げています。これは最初に「被告
人を死刑に処する」と宣告されると、まともに理由を聞くことができないから
といわれます。
裁判の話はともかく、多忙なジャーナリストにプレスリリースを読んでもらう
ためには、「結論を先に書く先述方式」(先出し法)を基本とします。先述方
式は「逆三角形型」ともいわれ、記載内容の重要度が文の後半にいくほど下が
っていく逆三角形の構造になっているためです。「結論」→「理由・詳細」→
「経過」の順でリリース文を作っていけばわかりやすい文章となるでしょう。
それではどうしたらわかりやすいプレスリリース文章を書けるようになるか。
さらに踏み込んでみますと、以下の4つのポイントがあるように思います。
【1】重点先行で書く (主張や要約など大事なことを文頭にもってくる)
【2】事実中心で書く (情緒や意見は控えめにして、事実を前面に出す)
【3】一文を短くする (一つの文に一つの意味だけを持たせる一文一義)
【4】余分な言葉を削る(余分な文を削り、文章の骨格を浮き彫りにする)
重点先行で書くときは、 文章の最初から
【1】予告の言葉を出す
【2】結論の言葉を先に出す
【3】要約・概略の言葉を先に出す
などの順で書いていけばいいわけです。文章の最初に予告や結論、要約・概略
を、その後に詳しい内容・説明・データなどを書いていく文章構成です。
■鳥の目・虫の目・獣の目の順(2/2)
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それでは実際に私が作成したプレスリリースを例にあげながら文章構成を述べ
てみましょう。骨や内臓などの下処理を売りにした「お魚宅配サービス」をや
っている株式会社エフキューブ様のものから。
-------ここからプレスリリース---------------------------------------
[タイトル]
◎お魚宅配サービスが中高年に人気
◎「高くてもいいものを」とのニーズに対応
◎産地直送の新鮮さが好評
[リード]
宅配サービスといえば、今や、取り扱わない商品はないというほど便利な世の
中になったが、それでもなかなか難しいのが生鮮食料品。特に魚は、鮮度が重
要な上に入荷量が安定しないため、デリバリーサービスの対象になりにくかっ
た。しかし、健康に気遣う中高年世帯が「少々高くても、いいお魚を食べたい」
と望むようになったためか、産地直送の「鮮魚デリバリー」が活況を見せてい
る。
[本文]
■中高年層で魚の需要増大(小見出し1)
近年の健康志向を反映してか、中高年世代による「魚への需要」は、若者世代
をはるかにしのぐ。
平成15年の家計調査年報によると、1年間に魚介類購入のために費やした一人あたり金額は、世帯主が20代~30代の家庭では年間約3万5千円~5万円、40代では約8万5千円だが、50代以上になると、ほぼ12万円程度になっている。50代以上の世帯は、20代、30代の3倍近くも魚を買って食べていることになる。
ところが、鮮魚小売店舗、いわゆる「さかな屋さん」は年々現象傾向。スーパーや大型量販店の台頭もあって、1990年から2000年までの10年間で全国のさかな屋さんは6割に減っている。つまり「鮮魚小売」は、シニア層では需要が増えていながら供給が減っているマーケットといえよう。
■「下処理済み」が人気(小見出し2)
こうした状況の中で、脚光を浴び始めたのが鮮魚の宅配サービス。インターネ
ットやファクスで注文を受け付け、産地直送の鮮魚を宅配するというものだ。
最近じわじわと中高年者の人気を集めているのが、「空飛ぶサカナ」(株式会
社エフキューブ電話0120・37・1397)。
全国各地の鮮魚を築地に取り寄せ、宅配しているが、同社への注文は、電話・ファクス・インターネットなど幅広い方法で受け付けている。
週一回、ファクスで旬のお魚を紹介するほか、大漁の魚があれば号外を流し、市場の動向をリアルタイムで伝えている。また、好評なのが、意外にも「下処理のサービス」。鮮魚をそのまま宅配するのでなく、消費者の希望に沿って内臓を取ったり三枚におろしたりなどして宅配する。
まさにスーパーの便利さと、産地直送の安心を併せ持つ販売方式だ。同社社長の森坂正樹さんは、「お客様の7割以上が60歳以上で、特にシニア世代から支持をいただいています。減りゆく町の魚屋に代わり、旬の鮮魚をお届けする21世紀の“一心太助”を目指したい」と意気込みを語っている。
また、大阪にある「にっぽん地魚紀行」は「鮮度」と「産地」に特化したサービスが特徴。ホームページで「本日の水揚げ速報」を公開し、注文を受けると翌日の水揚げ分をすぐに発送する。一方、東京の築地市場で扱われる生鮮食料品の宅配サービスを行っているのは「築地倶楽部」。
プロの仲買人にあらかじめ注文を伝え、築地市場で最もよい品を選んで宅配してもらうというもの。
健康志向とともに高級志向も満たすシステムだ。健康に気遣う中高年層の「少し高くても、よい魚を」というニーズが高まるにつれて、「鮮魚の宅配」もバラエティーに富んだアイデアで顧客の心をつかもうとしている。(了)
---------------------ここまでプレスリリース------------------------
上記(1/2)に述べた鉄則に加えて、伝えたい状況や現象を「絵を描くように
わかりやすく説明する」執筆手法にCWDI(シー・ダブリュー・ディー・アイ)があります。
【注】CWDIは私の造語。私はCーWDI(シーのダブリュー・ディー・アイ)と呼んでいます。
●文章構成の四大原則(CWDI)
・まず主張や結論を先に述べる---------Conclusion(コンクルーション)
・最初に全体像を述べる---------------Whole image(ホウル)
・次に細部への説明をする-------------Detail(ディティール)
・重要なことから順に------------------Importance(インポータント)
CWDI法がどう使われているか。実際に「結論」「全体」「細部」「重要」の順に上記リリースに当てはめてみます。
【C】タイトルやリードの最初部分---------C 結論 Conclusion
【W】リード要約部分に相当-------------W 全体 鳥の目 Bird
【D】小見出し1に相当 ----------------D 詳細 虫の目 Insect
【I】小見出し2に相当 -----------------I 重要 獣の目 Beast
繰り返しになりますが、まずタイトルを決め、ここで主張や結論を短い言葉で
歌う。リードの冒頭部分でも結論を提示します。
次に、全体から部分へ、概要から細部へと書いていきます。この時の気持ちを
例えると、トリの目で全体を書き出し、その後、ムシの目で細部を解説、最後
にケモノの目で重要な点をクローズアップしていく、という流れで展開してい
きます。こうするとわかりやすいリリース文になっていきます。お試しあれ。