【催事】高速道路上で結婚式 | PRアイディア直売所 ~作って売るから安い~

【催事】高速道路上で結婚式

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私の今年のメルマガタイトルは「よのなかメガネ発想術」。きょうはその第5回目 (月に2回出稿)を書きました。 同じものをブログにも転載することにします。


蓮香尚文の「よのなかメガネ発想術」[2012/03/12配信] 

http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3769


◎今回のタイトルは「高速道路上で結婚式」


■高速道路上で人前結婚式(1/2)
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コラムタイトルの「よのなかメガネ」は「ものごとを思考する」とき、自分や自社のことだけを考えないで「よのなか全体」からみる発想習慣のことです。よのなか=社会=ソーシャル=俯瞰(ふかん)と置き換えてもOK。「よのなかメガネ」というフィルター(視点)から発想すると、素敵なPRアイデイアが湧き出てきます。

5回目のきょうは、今年4月14日に予定されている新東名高速道路の静岡県内区間開通を前に、同県藤枝市が藤枝パーキングエリア前で1月29日、人前結婚式(じんぜんしき)を行なったという話題を。趣旨は「新しい道路はバージンロードだから結婚式を開催して新道路のアピールしたい」。     

イベントの運営にあたって、新東名高速道路と現在ある東名高速道路をつなぐ道路上の沿線に立地する地元の結婚式場
「ザ・グランドティアラ藤枝 http://tiarastyle.org/ 」とタイアップ。 衣装やオープンカー、司会等の費用をすべて協賛してもらった。事前の公募で選ばれた新郎新婦も個人情報の公開の承諾など得ており準備万端。藤枝市職員はイベトのグランドデザイン企画と裏方の補助に徹した。                        
                                    
今回のお話は行政側の提案企画だったのですが、これを民間企業に置き換えても役に立つアイディアだと思いましたので取り上げさせていただきました。

はっきりいってこんな素敵なPR企画はプロの業者でも発案できなかったでしょう。すばらしいのひと言に尽きます。100満点で100点、完全回答。

結婚式をどこでやるか。山頂とか海中とかのユニークな事例はあるにはありますが、たいていは屋内で開催されることが多い。

通常、結婚式は披露宴を兼ねているところから招待者・列席者側の事情も配慮しなければならず、主催者側はお天気に左右されない常時快適な空間ということで屋内が選ばれるのが一般的になっています。

人前式とは、教会や神前での結婚式のように神仏に結婚を誓うのではなく、両親やその他の親族、親しい友人などの前で結婚を誓う挙式スタイル。神前式 (しんぜんしき)と混同しないよう人前式(ひとまえしき)という呼称も。カタカナ表記では「シビル・ウエディング」といわれています。

人前式の場合、特定宗教とは無関係であるため、出席者にあらゆる宗教的背景
がある場合でも問題なく式を遂行できるというメリットがあります。


■戦略的に練られていた「高速道路結婚式」の企画(2/2)
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まずは、藤枝市が行なうPRイベント「高速道路結婚式」の企画経緯から。 

藤枝市では開通イベント開催を契機に同市の主要施策である「健康・予防日本一」をPRしなければならない課題がありました。

健康ウォーキングや朝ラー・スイーツなど独自の食文化を一堂に介した「ふれあい物産展」を開催していましたが、どこにでもあるような陳腐な企画イメージはぬぐいきれませんでした。

そこで、藤枝市でしかできない、しかも開通前ならではのタイムリーな企画はないものかと職員同士で激論。土木技術職員から「誰も利用していない道路はバージンロードだよね」との意見が出たとき、全員が「なるほど、合点だ」とどよめき、「バージンロード=結婚式」という企画に落ち着いた。

背景には、全国初という発信力と結婚により藤枝市へ定住=人口増加という要素が盛り込まれていたため、市の上層部もすんなりとゴーサインを出してくれたという裏事情もあるようです。

別案には藤枝市は「お茶」と「スイーツのまち」ということからそれらを活かした新東名高速道路の長大な直線道路を利用したPRイベント「日本一長い抹茶ロールケーキ」が出されたが、天候に左右されるので見送られたという。

次に結婚式に参加してくれる挙式者を見つけなければならないことから、昨年12月、藤枝市役所内の記者クラブにプレスリリースを情報提供したほか、同市ホームページや地元へチラシに回覧を敢行。結果、静岡新聞、中日新聞、産経新聞の3紙に記事掲載された。5組の応募があり、うち1組を抽選で選んだという。

http://s-pr.com/room/fujieda-bridal-release.pdf

抽選で選ばれた挙式カップルは、同県吉田町の会社員、永見政和さん(27)と藤枝市の会社員、留光(るみ)さん(32)。  

公募にあたって、当選者ヘの賞品は同市内洋菓子店からスイーツセットの他、藤枝市限定茶「藤枝かおり」http://www.fujieda.or.jp/?p=1049 や、藤枝市限定バスクリン「藤の里の湯」http://www.bathclin.co.jp/ を用意・贈呈した。

そしてイベント発表。当日はプレスリリース配布はしなかったが、1月26日上述の記者クラブで「定例記者会見」でレクチェアしたという。この定例記者会見以外にもFAXで、地元ケーブルテレビ、産経新聞、スポーツニッポン、日刊スポーツ、報知新聞、日本経済新聞などにも取材誘致活動を展開。

▽案内図 http://s-pr.com/room/fujieda-annaizu.xls
▽タイムスケジュール http://s-pr.com/room/fujieda-timeschedule.xls  


そしてイベント当日の1月29日(日)。来場したマスコミは10社。対応は広報課、担当課と共同で対応。報道してくれたメディアはNHKテレビや日本テレビをはじめ、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、静岡新聞、中日新聞など。
                              
○毎日jp 
  http://tinyurl.com/6sa4e4g

○YOMIURI ONLINE
  http://www.yomiuri.co.jp/atcars/news/20120130-OYT8T00992.htm
○日テレNEWS24
  http://www.news24.jp/aticles/2012/01/29/07199071.html        
 
かくして藤枝市主導のPRイベント「高速道路結婚式」は大成功に終わった。市民ら約350人が見守る中、指輪の交換や結婚証明書へのサインが行われ、2人はクラシックカーに乗って道路をゆっくりと走った、との報道は記事。

新郎は「新東名と同じ新しいスタート。すごく幸せ」、新婦も「ここから新しい道のりを描いていけたら」と。

活動を振り返って、同市の都市政策課担当者は「道路という公共施設の多目的利用法を効果的に知らせることができました。道路をステージに仕立て、全国にないイベントを実施することで藤枝市を注目していただき、来てみたい、住んでみたいまちを印象づけること、また、結婚=定住により本市の人口増加に繋げることが目的でした」と評価しているようです。

成功の背景には、強力な一流メデイアが取り上げてくれたこともあり、最小限の経費で大きなPR効果を得ることができたこと。インターネット検索で「新東名 結婚式」を入力すると、マスコミの他、個人ブログ等にも掲載され広く周知できているようです。    

また、反省点として同市企画政策課の担当者は「イベント決定までの庁内調整に時間がかかり、結婚式参 加者や協力企業に対し、短時間で色々なことを決めなければならない等、迷惑をかけたことです」と率直に語っています。  

今回は行政側の企画ですすめられ成功を収めましたが、これが逆だったらどうだったか。つまり、企業が行政に働きかけるという提案活動。   
     
たとえば、「新東名高速道路の静岡県内区間開通」というニュース記事をみて結婚式場側が高速道路を管理する市に働きかけて「高速道路の知名度アップと当方婚礼需要促進のために、高速道路上で人前結婚式をやりたい。開通前に新道路を使わせていただけませんか」と言い切れる情熱的な人がどくれくらいいるかということ。
私たち企業側は新聞記事(道路開通)をみて、いつもこういう発想をしなければならないのです。PR広報の専門職に携わる人ならなおさらのこと。PR広報が成功したポイントをハスカ流に分析します。             
                                   
[1]高速道路という公的施設や同機関(市役所)など、「公」「ソーシャル」とつながる

   発想をしたこと。多くの人が利用し、社会の役に立つ道路というエレメントに着目

   したところが素敵です。

[2]道路開通のイメージをバージンロードと結婚式を結びつけた発想力・企画力に勝

  負があったこと。特に行政側からみると、挙式⇒定住⇒人口増加(⇒税収増加)

  の流れは誰もが賛同する王道的アイデイアでした。

[3]変わりダネ挙式であっても奇をてらわない楽しくキレイなストーリーであったこと。

  テレビなど動画に取材されやすい素材であったこと。

[4]挙式者の獲得も「メデイアによる一般公募」で採用するなど、このイベントを挙行  

  するにあたり、全体のイベント戦略に統一性があったこと。

他人が企画した成功事例ですでに終わったものをあれこれいったり批評するのは簡単なこと。誰も手がけたことのないことを発案し、実行に移し、成功を収めることこそ、当事者しかわからない無常の喜びというものです。


「前例主義」「踏襲主義」「官僚主義」「横並び主義」「新しい仕事をしない主義」といわれる役人。今回企画の発想力と実行力は賞賛に値する。藤枝市職員に拍手を送りたい。 (了)


 これまでに書いたコラム「よのなかメガネ発想術」


 01回目は「常識を否定したバリアフリー」(2012/1/12)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3679

 02回目は「秋入学で発想力を鍛えよう」(2012/1/26)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3699
 03回目は「女性向けどんぶり専門店の挑戦」(2012/2/13)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3724
 04回目は「手こぎ自転車」(2012/2/27)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3747
 05回目は「高速道路上で結婚式」(2012/3/12)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3768




発想とアイディアを独自の視点から研究している【伝説のPR職人】ハスカです。私の一貫したスタンスは「あらゆるビジネスの根本は発想・アイデイアにある」。マスコミと読者を「ハッ」とさせ、「ソウ」だったのかとうならせる、「わがハッソウ(発想)術は永久に不滅です」。また、ハスカ式PRをひと言でいうなら「創作PR」の世界といっていいでしょう。古典PRというものがあるかどうか知りませんが、私のは既存手法とはまったく違う独自開発したユニークな独創的PRといえます。