【誘致】女子会でで観光誘致
私の今年のメルマガタイトルは「よのなかメガネ発想術」。きょうはその第16回目(月に2回出稿)を書きました。
同じものをブログにも転載することにします。
蓮香尚文の「よのなかメガネ発想術」[2012/07/30配信]
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3977
◎今回のタイトルは「山梨県が女子会創設で観光誘致」
■県庁内に「女子会推進課」設置(1/2)
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コラムタイトルの「よのなかメガネ」は物事を思考するとき、自分や自社のことだけを考えないで、「よのなか全体」からみる発想習慣のことです。よのなか=社会=ソーシャル=俯瞰(ふかん)と置き換えてもOK。
「よのなかメガネ」というフィルター(視点)から発想すると、素敵なPRアイデイアが湧き出てきます。PR企画の立案、発想の事例としてお役立ていただければさいわいです。
16回目のきょうは、山梨県庁観光部観光企画・ブランド推進課( 山梨県甲府市丸の内1-6-1、電話 055-223-8878、
http://www.vitamin-yamanashi.jp/ )の話題。いま流行のキーワード「女子会」を使って県内観光を誘致しようという企画で、このほど「女子会推進課」を立ち上げたというのです。
女性同士が集まって趣味や食事会を楽しむ「女子会」行政機関内に「女子会」
という組織とはいささかお遊びも度が過ぎるのではとの思いで、「今なぜ県庁が女子会を」というテーマで取材をさせていただきました。
「女子会推進課」といっても実はこれ、県庁内の同年代の女性職員16人の課
員からの構成される、いわば期間限定のプロジェクトチームの名称。課員は普
段、本来の在籍部署で働いているので兼務という形になる。
どんな活動をするのか。首都圏の20~40代の女性をターゲットにした山梨旅行キャンペーンの推進強化といういわば「集客プラン」の活動。具体的には7月6、7日に実施した1泊2日の「史上最幸の女子会ツアー」での案内役や女子会にうってつけの場所などをブログ上にリストアップしていった。
いったいどういう経緯で山梨県が「女子会」なる組織を立ち上げたのか、背景などを、山梨県観光部観光企画・ブランド推進課の副主査、佐藤浩一(さとうひろかず)さんに尋ねてみました。
「平成20年度以前は、山梨県ではマスメディアを活用した情報発信はほとんど行われていませんでした。富士山や武田信玄、ぶどうなど個別の素材が取り上げられることはあっても、そこからの広がりを意識したり、マスメディアの向こう側にいる人(本県では「都市生活者」と定義)が求めている価値に変換したりしてこなかったのです」。
「こうしたことを反省し、山梨県が持つ自然や特産品の魅力をあらためて発信 し、激しくなる地域間競争に勝ち抜き、山梨県のイメージアップを図ることを目的に、平成21年度から『ビタミンやまなしキャンペーン』という事業を開始しました」。
「この事業は、山梨県および『やまなし』という言葉の価値を高めることを目的に、主に広告代理店を対象に、企画コンペを実施した。コンペの結果、(株)ADKを委託事業者とし事業を継続しています。本年が4年目。これまで3年間は首都圏の30~40代女性をターゲットとして、『ビタミンやまなし』をキーワードに、山梨県の魅力を発信してきた。『ビタミンやまなしキャンペーン』とは、本県の魅力をビタミンAからビタミンZまで26個のビタミンとしそれらを摂取しに山梨県に来てもらおうという内容です」。
「3年間継続してきたが、一部には定着したものの世間的な拡がりや大きな注目を集めていないという点が課題であったため、4年目の本年は、山梨県の魅
力を楽しむ=女子会とし、『女子会を山梨でやってもらおう』『女子会を山梨でやる女性を応援しよう』をコンセプトに、キャンペーン企画として『女子会推進課』を立ち上げました。広告代理店との連携の観点から言えば、山梨の魅力を一緒に発信するチームメイトとして連携しているというスタンスです」。
私の関心事はお堅い行政機関が世俗的な「女子会」という名のプロジェクトを立ち上げたというPR手法だった。はっきりいってこの発想はとてもじゃないが行政機関が立案したとは思えません。我々のような外部のPR専門会社の知恵が入っているのではないかと思っていました。
案の定、総合広告代理店「ADK」がコンペで受注した企画だったようで、それもおそらく「ADK」と協同したPR会社の発案だっただろうと推察されます。つまり、「ADK」+「ADK指定のPR会社」の連合チーム。少なくとも広告代理店スタッフには「女子会」などという発想は生まれないはずだ。
■呉越同舟のプレスツアーが大当たり(2/2)
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さて、この行政機関発の「女子会」(正式には山梨県庁女子会推進課)なる組織や機能・目的をどうやって知らしめるか。
まずはイベント開催によるセレモニー「女子会推進課発足式」を行なった。7月4日に「女子会推進課」を発足させたので、そのセレモニーとして横内正明・山梨県知事による手渡し「辞令交付」公表と、同時にマスコミの記者に参集いただいたので「女子会推進課」概要の説明を行なう「記者発表会」を開催。
若手女性職員を中心とした「山梨県庁女子会推進課」(課長、課長補佐を除き
全部で16名の女性職員)はキャンペーン企画であり架空の課。正式な部署で
はなく期間限定の特定の使命を持つPRプロジェクトチーム。期間は来年3月
31日まで。課員の仕事は山梨県観光誘致のためのPR活動。いわば臨時の広報スタッフという位置づけだ。
セレモニーを成功させようと有名人を呼んだのもPR活動の一つ。一日課長になぜか山梨県出身者ではないスーパーモデルの冨永愛さん、一日課長補佐に福田彩乃さんらを招いて出陣式の「のろし」をあげた。
有名人起用の理由。冨永愛さんは神奈川県出身だけど幼少の頃から何度も山梨に来ていたこと、国産ワイン(多くが山梨県産)がとても好きだということ。福田彩乃さんは、フルーツ特に桃が好きだということ、山梨の有名なレジャー施設「富士急ハイランド」への強い思い入れもあったことなど。もちろんご両人ともふだんから女子会を開催していて女子会フリークだったことも共通点。
課員は山梨県の公式ブログ「やまなしものがたり」で、県内の女子会に最適なホテルやレストラン、カフェ、観光施設などを紹介する一方、やまなし大使であるタレント「ふかわりょう」さんのイベントなどで山梨県の魅力を直接PRする。また、社団法人やまなし観光推進機構や県内の旅館などと一緒に、女子会ツアーや女子会プランの造成も。 ▽社団法人やまなし観光推進機構 http://www.yamanashi-kankou.jp/organization/index.html
ちなみに「女子会プロジェクト」の総予算は約4000万円だった。目玉は、会員交流サイト「フェイスブック」の日常的な利用者や雑誌記者ら情報発信力の高い女性30人を無料招待する「女子会ツアー」。7月6、7日に実施した1泊2日の「史上最幸の女子会ツアー」参加者に県内を魅力ある女子会の会場として交流サイトやブログで紹介してもらったという。
7月4日に開催した「辞令交付セレモニー&記者発表会」のマスコミと成果は以下の通り。日本の代表的メデイアを総なめしたという感じで実に素晴らしい。
[取材メデイア]
テレビ 12番組(NHK、日本テレビ、テレビ朝日、
TBS、フジテレビ、BS-TBS等)
ラジオ 1番組(NHK)
WEB 5サイト(エキサイト等)
通信 2社
雑誌 13誌
新聞 10紙
合計 43媒体
[報道実績の一部]
http://www.asahi.com/news/intro/TKY201207040733.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120707-00000066-san-l19
http://www.sannichi.co.jp/local/news/2012/07/05/4.html
https://www.facebook.com/video/video.php?v=387014301360042
http://bodyplus-net.com/hensyubu/1793
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120705-00000034-san-l19.view-000
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20120705-OYT8T00414.htm
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120705/ymn12070502090000-n1.htm
http://www.sannichi.co.jp/local/news/2012/07/07/9.html
http://tinyurl.com/boumagw
( http://www.47news.jp/
)
今、なぜ山梨県庁観光部に「女子会」という組織が必要だったのでしょうか。
「山梨県の魅力=ビタミンやまなしは、ほとんどが『美・健康・癒し』に置き換えられます。例えば、W=ワイン、P=ピーチ(桃)、Y=八ヶ岳、V=ヴァレー(渓谷)などは、ターゲットである30~40代女性が好むもの。こうした山梨県の魅力を体験・満喫するために『女子会』で山梨に来てもらおうという趣旨のコンセプトだったため『女子会推進課』の設置が必要であった」 (上述、佐藤浩一さん談)。
この企画は「発想がすばらしい」と申し上げたところ、こんな答えが返ってきました。
「発想だけでは社会への継続的な発信にはつながらない。発想の根底に、地域や日本、世界などの「社会」に対する本質的な価値提供ができる要素が存在
しなければ注目すらされない。マスメディアやソーシャルネットワークなどのインフラは活用するが、そこだけが活きる企画をやってはいけない」。
加えて、「山梨県庁女子会推進課」については、これまでの行政では考えられない柔軟な「発想」と本質的な山梨の魅力が融合したため大きな注目を集めら
れた。今後も山梨県の魅力を丁寧にねばり強く発信していく」とも。
なるほど、いかにも行政担当者らしいそつのない名回答。しかし、私にいわせとあれもこれも同時に満たすというものはこの世に存在しない。マスコミが取り上げたこと自体を社会のニーズだったと捕らえるのが合理的な評価だ。
もう少しいうと、報道されたことと集客することとは本来「別物」であることも分かって欲しい。販売促進をPR広報と考えるのはもっとも貧弱な発想なのであります。
先述の佐藤浩一さんは、「ブランド戦略に基づく産業振興、観光振興を目指し ているので、『女子会推進課』はそのためのきっかけであり、山梨県への興味 ・関心の出発点として捉えています。よって、都内から1時間30分で来られる自然豊かな山梨県の魅力を、本年は『女子会』というキーワードと関連づけて立案してみました。また、多くの女性が楽しめる女子会は潜在的なマーケット。美、健康、癒しに敏感な女性たちに、県の魅力の情報をどんどん広めてもらいたい」と総括していました。
▽女子会推進課発足式および女子会体験ツアーのレポートはこちら。
http://www.pref.yamanashi.jp/kankou-k/120401vitamin-yamanashi.html
1.ADKとの庁内外のチーム連携
2.女子会というキーワードの設定
3.ビタミンやまなしキャンペーンと企画構築
4.県知事の辞令交付と記者発表会(プレスレビュー)
5.有名人の一日課長と同課長補佐の起用
6.社団法人やまなし観光推進機構との連携
7.フェイスブック(SNS)の活用
8.マスコミやフリーライター、パワーFBユーザー同行の「プレスツアー」
9.「プレスツアー」参加者の書き込みによる「情報拡散」活動
10.一連のPR活動をパブリシテイを重点的に総合管理
[プレスツアーとは]
工場や研究所などの企業の施設にマスコミを招き、施設や自社の活動内容について理解を深めていただき、メディア掲載・放映の獲得を目指すものです。地
方公共団体が取り組む事例も近年少しずつ増えています。ひと言で言うと宣伝
・報道を目的にしたお披露目ツアーのこと。
PR広報的にいえば、今回の「女子会」PR活動は、マスコミ記者だけではなくソーシャルメデイアで影響力のある人たちをも同行させる呉越同舟型「プレスツアー」を実施したこと。これは主催者側が行政機関だったから話題になった一例。とはいえ民間企業でも「女子会」をPR事業として活用できるかも。
本コラムはすべて私の独自取材によって構成・執筆させていただきました。
これまでに書いたコラム「よのなかメガネ発想術」
01回目は「常識を否定したバリアフリー」(2012/1/12)
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3679
02回目は「秋入学で発想力を鍛えよう」(2012/1/26)
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3699
03回目は「女性向けどんぶり専門店の挑戦」(2012/2/13)
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3724
04回目は「手こぎ自転車」(2012/2/27)
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3747
05回目は「高速道路上で結婚式」(2012/3/12)
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3768
06回目は「手話スープ店」(202/3/26)
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3788
07回目は「埼大生が企画した留年式」(202/4/09)
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3809
08回目は「マイ野菜市民農園」(2012/4/19)
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3825
09回目は「障害者支援・ソーシャルカフェ」(2012/4/30)
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3841
10回目は「偉人伝講座で寺子屋モデル」(2012/5/10)
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3857
11回目は「すかいらーくEV充電無料化」(2012/5/31)
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3887
12回目は「撮影ボランティア」(2012/6/11)
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3904
13回目は「江戸コンを全国展開へ」(2012/6/21)
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3920
14回目は「障害者を積極雇用」(2012/7/09)
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3946
15回目は「大失敗賞でチャレンジ精神を」(2012/7/19)
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3962
16回目は「山梨県が女子会創設で観光誘致」(2012/7/30)
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3977
