【表彰】失敗しても金一封まてもらえる「大失敗賞」 | PRアイディア直売所 ~作って売るから安い~

【表彰】失敗しても金一封まてもらえる「大失敗賞」

私の今年のメルマガタイトルは「よのなかメガネ発想術」。きょうはその第15回目(月に2回出稿)を書きました。 同じものをブログにも転載することにします。


蓮香尚文の「よのなかメガネ発想術」[2012/07/19配信] 

http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3963


◎今回のタイトルは「大失敗賞

  

■5000万円損失でも表彰(1/2)
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コラムタイトルの「よのなかメガネ」は物事を思考するとき、自分や自社のことだけを考えないで、「よのなか全体」からみる発想習慣のことです。よのなか=社会=ソーシャル=俯瞰(ふかん)と置き換えてもOK。「よのなかメガネ」というフィルター(視点)から発想すると、素敵なPRアイデイアが湧き出てきます。

15回目のきょうは、大阪に機会部品や住設機器の設計・製造を手がける太陽パーツ株式会社」( 大阪府堺市北区八下北1-23、城岡陽志社長、電話 072-259-9339、http://www.taiyoparts.co.jp/ )という会社の話題。


PRアイディア直売所 ~作って売るから安い~-太陽パーツのロゴ


PRアイディア直売所 ~作って売るから安い~-太陽パーツの商品群

2011年度の同社年商は従業員150人で50億(グループ全体)というから堂々たる中小企業。ちなみに経済用語では年商300-1000億円を中堅企業といい、300億円以下はすべて中小企業の範疇。年商1000億円以上 ならもう立派な会社。それも一代で築き上げたならまさに伝説の経営者。  

毎年11月と5月に会社は全社員を集めて経営発表会の実施します。その場で
優秀社員の表彰をする「最優秀社長賞」や「最優秀社員賞」がある一方で、大
失敗をやらかした社員にも「大失敗賞」というのがあるらしい。失敗を褒められたうえに金一封2万円までもらえるというユニークな表彰制度とは。

もちろん何がしの意図のあってのことだと思いますが、城岡陽志社長曰く。


PRアイディア直売所 ~作って売るから安い~-城岡陽志社長

「失敗は許されんという雰囲気が出来ると人は無難なことばかりやる。チャレンジ精神がないと会社は発展できへんのや。大企業だったら失敗したら替わりの人間を据えたらええけど、ウチのような規模の会社の場合、そういうわけにはいかん。失敗しても育ってもらわんと」とその狙いを話します。

しかし、「全社員の前で賞を授与するので、もらった社員は本音はかっこ悪いはずだ。励ましているようだけど、人によってはヘコむからな。だからこの賞はデリケートなんや。表彰のときに気持ちをやわらげようとギャグをいっているのはそのためなんや」とも。

この賞の創設は今から約20年前の1993年。当時従業員(現在取締役)が新規事業としてカー用品の製造・販売に着手。会社としては事業計画もしっかりと出来ており、実行を許可したというのです。

当初は売上も順調に伸ばしていったのですが、1年後にどんどん返品され、当時の同社利益をすべて吹っ飛んでしまうほど大きな損失に。金額は約5000万円。カー用品業界の商習慣や特徴などを知らなかったことが損失の原因でした。

「カー用品で売れ残った商品はメーカー側に返品される」という我々からみれぱ当たりまえの商習慣でも知らなかったのです。普通100万円以上の商取引なら契約書を交わしますよね、そんな大事なことをどうして・・・。

しかし、当時の城岡社長は「大企業と違い、中小企業は人材一人ひとりが大切
で、一度や二度の失敗により入れ替えるわけにはいきません。また、失敗を引
きずっても何も生みません。早く気持ちを切り替え、新しいことに再度挑戦してもらいたい」という思いから「大失敗賞」制度を思いついたといいます。


■「大失敗賞」がもちらす企業風土(2/2)
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「大失敗賞」の選考基準はこうだ。


[1] 前向きな挑戦をした結果として失敗したこと。
[2] その経験がノウハウとして今後の事業にプラスになると考えられること

上記2つを同時に満たすことが必要条件だ。失敗をして大きな損失を出せば誰
でも受賞できるものではなく、日常の定期的な業務をする中でミスをしても該当しないという。

PRアイディア直売所 ~作って売るから安い~-太陽パーツの 「大失敗賞」 の授賞式


また、反省が今後に生かせないような失敗も対象とならない。そのため、受賞しやすい職種とそうでない職種があり、実態としては営業職に受賞者が多いとか。

これまでの受賞者は延べ人数で20人程度。同じ社員が受賞するケースもあり
最多受賞者は3回受賞した社員も。

この社員は社長賞(新しいことにチャレンジし多大な成果を出した社員)も最多であり、失敗にめげず挑戦し続けたことが評価されたり、中国工場のスムーズな立上げや「住建事業部」の核となる商品開発を行ったりして、失敗の経験をその後の事業にプラスに変え、会社の業績に多大な貢献しているという。

大失敗賞の対象は同社の全社員でパートタイマーなどの非正規社員は含まれない。役員は対象であり、過去に社長や専務が受賞したことも。社長の受賞理由は大きな受注を見込んで設備投資をしたが、見事に予想がはずれ、機械を使用することなく廃棄(売却)したため。

PRアイディア直売所 ~作って売るから安い~-太陽パーツの表彰状

社長は自分の代役をたてて社員の前で賞状と金一封を受け取った。これは「社
長といえどもミスをするのですよ。だから皆さんも失敗を恐れずに積極的にチャレンジしてくださいね」という社員へのメッセージに他なりません。

ここで同社の「大失敗賞」定義と文例を公開します。

○定義
 失敗こそしたが、新しいことに果敢に挑戦した社員に「大失敗賞」を贈呈。
 会社に大きな損失を与えたとしても前向きにチャレンジして会社にノウハウを

 残したことを称えます。

○文例
 新規開拓で東海地区の業界を攻め、見積もり提出時、重量計算ミスが発

 覚。事後交渉にて多少の利益率回復までリカバリーした。再発防止策として

 重量計算式のフォーマットを作り、営業部のノウハウとして残した。また、こ

 れをきっかけに大口取引先の新規開拓に成功し、多大な実績を残した功績

 に対し表彰します。


○効果
  受賞者のやる気に効果。積極的にチャレンジする風土にもつながっている。
  ただし、受賞者が落ち込む恐れがあるため、受賞者の選定と渡し方に配慮

  しながら運用しなければならない。


中小企業がこうした賞を設ける際のポイントについて、 同社総務部の山根数豊さんは、


「1人目、2人目の受賞者を誰にするか、あらかじめ狙いを定めることが大切です。余計に落ち込んでも企業内いじめになってしまいますし、賞も廃止せざるを得なくなってきます。とりわけ1人目は事前に本人とよく話して趣旨を理解させるべき。何人か受賞者が出て賞が定着してくると風土にもいい影響がでてきます。よかれと思って授与しても、みんなの前で恥をかかせることになりますから運用については気を使われた方がいいですね」


とアドバイスします。

さらに「この制度は評価制度と比例していないと成り立ちません。失敗すると降格するような会社でこの賞を設けてもチャレンジ風土は生まれません。当社は大失敗賞の受賞者は大体次長以上に昇進しており、失敗が不利にならないことが社員に理解されています。会社に損失を与えた社員を社長が怒鳴り散らすと社員が萎縮していまいますので、社長自身が太っ腹な人であることもいうまでもありません」(山根さん) 


最後に、こうしたユニークな発想力と社会に及ぼす影響について、城岡陽志社長についてたずねてみました。

「社内の雰囲気は良いです。前向きに物事を考えることの出来る組織作りは、必要不可欠であり、中小企業として生き残っていくためには、『人材』がどう『人財』に育っていくかにかかっています。今後も良い風土づくりを進め、チャレンジしていきます」
        
いゃあ、とても素敵な会社ですね。これぞ社長という太っ腹精神には敬服しました。それにしても製造系中小企業は人材が大切なんですね。


▽表彰が従業員や会社、社会に与える影響を研究している組織

表彰研究所所長(所長:太田肇、事務局長:田村信夫、平成20年6月1日発足)
http://www.hyosho.jp/  太田肇氏は同志社大学政策学部教授(2012/7/23現在)

[会社概要]
社   名 太陽パーツ株式会社
所 在 地 本    社 大阪府堺市北区八下北1-23 〒591-8014
               TEL 072-259-9339 FAX 072-259-9155
       石原工場  大阪府堺市東区石原町1-142 〒599-8102
               TEL 072-240-8720 FAX 072-240-8721
資 本 金  3,000万円
代 表 者 代表取締役 城岡 陽志
創    業 昭和55年 1月
設    立 昭和58年 5月
事業内容 機械部品及び住設機器の設計・製造
H    P  http://www.taiyoparts.co.jp/
年   商 50億(グループ全体)2011年度(決算期は4月)


本コラムはすべて私の独自取材によって構成・執筆させていただきました。


 これまでに書いたコラム「よのなかメガネ発想術」


 01回目は「常識を否定したバリアフリー」(2012/1/12)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3679

 02回目は「秋入学で発想力を鍛えよう」(2012/1/26)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3699
 03回目は「女性向けどんぶり専門店の挑戦」(2012/2/13)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3724
 04回目は「手こぎ自転車」(2012/2/27)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3747
 05回目は「高速道路上で結婚式」(2012/3/12)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3768
 06回目は「手話スープ店」(202/3/26)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3788
 07回目は「埼大生が企画した留年式」(202/4/09)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3809
 08回目は「マイ野菜市民農園」(2012/4/19)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3825
 09回目は「障害者支援・ソーシャルカフェ」(2012/4/30)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3841
 10回目は「偉人伝講座で寺子屋モデル」(2012/5/10)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3857
 11回目は「すかいらーくEV充電無料化」(2012/5/31)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3887
 12回目は「撮影ボランティア」(2012/6/11)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3904
 13回目は「江戸コンを全国展開へ」(2012/6/21)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3920
 14回目は「障害者を積極雇用」(2012/7/09)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3946
 15回目は「大失敗賞でチャレンジ精神を」(2012/7/19)
 http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=3962




発想とアイディアを独自の視点から研究している【伝説のPR職人】ハスカです。私の一貫したスタンスは「あらゆるビジネスの根本は発想・アイデイアにある」。マスコミと読者を「ハッ」とさせ、「ソウ」だったのかとうならせる、「わがハッソウ(発想)術は永久に不滅です」。また、ハスカ式PRをひと言でいうなら「創作PR」の世界といっていいでしょう。古典PRというものがあるかどうか知りませんが、私のは既存手法とはまったく違う独自開発したユニークな独創的PRといえます。