【発想】アイデアは「事実からの発想」で
私が心酔する師は社会評論家の故「大宅壮一」氏だ。学生時代からだから40年前も前で熱烈なファンといっていい。
あの短い言葉で「時代を表す」技術はその辺のコピーライターの筆力とは違う。社会学者とジャーナリストの2つの感性を併せ持ったセンスがなければとうていなし得ない高度な業だ。
生前、何か社会的な事件・事故が発生するとすぐに大勢の新聞記者たちが大宅邸に押し寄せ、「この特異な社会現象を大宅さんは何と表現するのだろうか」と尋ねたものだ。
大宅さんが発する言葉はそのまま見出しになっていき、その日のテレビや翌日の新聞のニュースに踊った。
大宅さんの一番弟子は草柳大蔵、作家の梶山季之など今の時代の2つくらい前の世代のそうそうたる人たちを次々に輩出した。大宅壮一門下生だ。
偉大な大宅氏の業績を記念して新たな文学賞「大宅壮一ノンフィクション賞」が創設されて、もう43年にもなる。
同賞の3回目(1972年)の受賞者にあの柳田邦男氏がいる。
今ではノンフィクション作家として確固たる地位にあるが、その受賞作は「マッハの恐怖」。東大からNHK記者になり、退社して取り組んだのがこの作品で、日航機墜落事件を取材対象として選んだ。
私はこの柳田さんが書いた2つの本「事実の読み方」「事実からの発想」を今でも大切にして何回も繰り返し読んでいます。
ところで、小説の領域は「虚構を描く」ことですが、ノンフィクションは「実際にあった話、事実を題材にすること」で棲み分けています。
上述の本「事実の読み方」「事実からの発想」はそのノンフィクション作家としての発想や思考方法について論じたものですが、私は自分の専門分野である「PRアイデイア」でも「事実からの発想」手法を用いています。
PR発想づくりで一番のバリー(障壁)はこれまでの「常識」とか「既成価値観」を取り払うことです。本当にその通りなのか、事実なのか、検証したのか・・・など、私が取り組む姿勢はすべて「事実からの発想」であります。

