【自論】販促と広報を混同しないで
「販促と広報を混同するな」という話を。
[販促と広報の違い]
販促=宣伝=広告=量(金額・数量)の促進・獲得
広報=PR=パブリックリレーション=質(信用・信頼)の獲得
■原発で水ビジネスが台頭(1/2)
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昨年、東日本各地の水道水から放射性物質が相次いで検出され、東京都でも乳児の飲用を控えるよう呼びかけたことなどから、乳児の保護者を中心に不安が広がっていました。
この動きを商機とみたのか、ついに水道水がヤフオクに出品されたようです。
Yahooトレンドニュース「自宅の水20リットルで1円」が話題に。
▽http://trendnews.yahoo.co.jp/6/712/
この話題にヒントを得たという北海道の知人で行政書士を営むWさんが知り合い限定という条件で、札幌の水道水30リットルを簡易タンクに入れてゆうパックで着払いで送るというサービスを思いつきました。水は無償です。着払い料金は1000~1600円。札幌市営水道局から供給される水道水です。
もちろんこのWさんは儲けようと思ってやったのではありません。それどころか水とタンク、それに送付に要する作業費を考えれば持ち出しは明白です。
水の保存と衛生は問題ないのか。衛生研究所や浄水場のサイトがあり、3日~1週間はホームタンクでも日持ちすることを確認しているそうです。
▽http://tinyurl.com/4guxf29
時を同じくして、私の事務所に「安心・安全なお水あります」という歌い文句で、メールとFAXが着きました。もちろん震災を受けての営業促進の案内。
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▽メール:立山連峰雪どけ水 500ml×24本入り4320円100セット
http://bit.ly/gfnK6H
▽FAX:富士山のプレミアムフジ 1箱4本入り28mlで4620円
http://www.flc-water.jp/omizuf/
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この2つは原発の放射性物質検出でミネラルウォーターが不足したことを受けて天然水の出番、千載一遇のチャンスとばかりの「営業攻勢」でした。
震災を商機をするのは水ビジネスの当事者にとって「非常識」や「不謹慎」なものではないと思います。水が商品なのですから、「売り時は今」と考えるのは当然のことです。
上述のメールとFAXの両社も、お決まりの「被災者への言葉」から始まって営業案内を展開しています。この営業トークの中に「商品お買い上げの○○%を寄付します」を記載してなかったことに、かえって私は好感が持てました。
今の時代、なんでもかんでも「被災地域に寄付します」を宣言すれば社会貢献になると思っているふしがあります。同時に、この「被災地に寄付」宣言を販促に活用する動きが散見されます。嫌ですね。この動き。寄付と販促の関係。
寄付は寄付で単独にやればいい。それ自体、立派なことですので寄付と販促をからませるなといいたい。からませると、寄付の仮面をかぶった販促活動に写ってしまいます。
かねがね販促活動と広報活動とはまったく異質なものと主張している私にとって、今回の「寄付がらみの販促」活動を、よりによって「広報」していることが多数見受けられ、腹が立っています。そういう案件は広報せずに広告扱いで販促部門が担当すればいい。広報はそういう社内の要請に手を貸すなと。
寄付案件を広報リリースするのはいい。売名行為といわれようが。しかし、その寄付の中身が問題。商品・サービス○○を購入したら○○%の金額を寄付するという考え方。考え方は自由だから構わないが、これは「広告の範疇」。広報は販促的内容であってはならない。販促広報? 私の最も嫌いな言葉です。
上述のメールとFAXは「被災地域に寄付します」文言を入れていないのでれっきとした販促活動になっています。だからこれはこれでよろしい。
■売名行為ではない未来工業の1億円寄付(2/2)
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寄付は売名行為と混同されやすいですが、岐阜で超有名な未来工業という会社が今回の被災地に1億円を寄付したとの報道があった。
▽未来工業:http://www.mirai.co.jp/
▽リリース :http://www.mirai.co.jp/topics/index.html
▽報道記事:http://info2.j-cast.jp/c.p?42c6nboEUy
会社が上げた収益の中からの1億円ではありません。従業員が積み立てた旅代金を寄付金として放出したのです。それも従業員からの申し出によって。本来なら行きたかったはずのエジプト旅行を全員棒に振って被災地の人々にささげたのです。
未来工業は、電気設備資材、給排水設備およびガス設備資材の製造販売をやっ ている会社。社長は山田昭男氏。資本金70億円。年商207億円(平成22年度実績) これほど立派な会社が売名行為を1億円も出してする必要がどこにあろうか。
この会社の行為、みなさんはどう思われますか。売名行為の販促活動と思われますか。私はそうは思いません。これこそ立派な社会貢献活動。これには従業員全員の心が込められています。
楽しみにしていた積み立て旅行代金をご破算にしてまで寄付をしたという点。ユニクロの柳井社長が個人で10億円ポンと寄付したのには驚いたけれど、従業員と会社が出し合って1億円寄付というのはちよっと意味合いが違います。
売名行為とみるかどうかは見る人の勝手ですが、この会社の思想や精神は今回だけに限らない。ふだんのありのままの企業活動を表わしていれば相手がどのように受け取ろうとも構わない「わが道をいく主義」。実にすばらしい。
未来工業の1億円寄付について、ネット上には、
「ほんとうに凄い企業だな。転職したいよ」
「無駄なところはケチケチだが、使うべき所には惜しまず使うんだな」
「世間体を考えて中止するだけの会社とは大違い」
「ここが1億なら大手はもっと出せるはずだ」
などと賞賛する声が相次いで上がっている。
社内旅行をやめ⇒大事に積み立てたお金を義援金にあてる
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ここがニュース素材の最大のポイント。
積み立てていたので本当は行きたかったエジプト旅行をとりやめて、被災地の義援金に使ってと、従業員から申し出があった、この落差がすてきなのです。
話は変わって、私のところにも毎日のようにリリース依頼がくる。社会貢献企画の内容だから少し安くできないかという。だが、よくみると、何がしのモノやサービスを購入せよとある。
しかも購入したものを全額寄付するならまだいい。その購入した中から10%を寄付する、というのだ。これでは話にならない。
形を変えたた販売促進行為だからだ。販促はやめろ、とかねがねいっている私としては新手の販促手法が増えたことに怒りすら覚えます。
ここは発想を変えなければならない。ネコも杓子も寄付ではおもしろくない。寄付ではなく被災地の消費を活発にするという方法だってありはしないか。
例えば社長が従業員1000人一行を引きつれ、被災地を訪れ、1人1000円でも飲食物でも土産品でも購入、消費していく。これでも立派な復興支援になると思うが、いかが。
観光業界はこれからどんどん被災地にお客さんを送客する「立ち上がれ!東日本被災者励ましツアー」(仮称)を企画すべき。そしてご当地で、なにがしのお金を落としてもらう。
このほうがよっぽど理にかなっている。肌で現場をみることに加えて、被災地の人々と触れ合い、生きるエールを送る、新しい形のツアーであり、商品だ。
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発想とアイディアを独自の視点から研究している【伝説のPR職人】ハスカです。
私の一貫したスタンスは「あらゆるビジネスの根本は発想・アイデイアにある」。
マスコミと読者を「ハッ」とさせ、「ソウ」だったのかとうならせる、
「わがハッソウ(発想)術は永久に不滅です」。
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