【編集長】文化通信「星野渉」さんの意見 | PRアイディア直売所 ~作って売るから安い~

【編集長】文化通信「星野渉」さんの意見

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発想とアイディアを独自の視点から研究している【伝説のPR職人】ハスカです。


私の一貫したスタンスは「あらゆるビジネスの根本は発想・アイデイアにある」。


マスコミと読者を「ハッ」とさせ、「ソウ」なのかとうならせる、

                    「わがハッソウ(発想)術は永久に不滅です」。

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[星野 渉(ほしの・わたる)さん]


株式会社文化通信社  取締役編集長(媒体名:文化通信)。日本出版学会理事・事務局長、東洋大学非常勤講師。1964年東京生まれ。専門紙記者として出版流通、再販制度問題、電子出版、流通EDIなど、出版産業の変化を取材。共著『オンライン書店の可能性を探る』(日本エディタースクール出版部)、『出版メディア入門』(日本評論社)、『読書と図書館』(青弓社)など。1964年生まれ、國學院大學卒。

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2011年10月31日号の「文化通信」(出版業界の専門誌)の社説「視点」とコラム「出版時評」は編集長の星野渉さんの自ら執筆された記事を掲載していた。


書店と電子書籍に興味を持つ者にとっては大変興味深い記事だったので、ここにその全文を転載、紹介します。星野さんからの掲載許可はとってあります。


●社説「視点」 これからの書店経営 アマゾン前夜に考える


アマゾンジャパンの「キンドル」の国内発売が近いという情報もあって、電子書籍の市場拡大が現実的なものとして受け取められ始めている。


まだ、主要出版社で契約を結んだところはほとんどないといわれるが、今年に入ってドイツ、フランスでも発売されていることから、そう遠くない日に日本でもお目見えすることはほぼ確実だ。


「キンドル」発売4年目を迎えた米国では、今年上半期に書籍の売り上げが前年比で10%以上減ったという。


大手書店ボーダーズ破綻の影響が考えられるが、特に電子書籍の利用が増えているミステリー、ロマンス、SFといったフィクションで減少幅が大きいというから、電子書籍の影響が現れ始めたとみるべきだろう。


「日本は全国に書店があるから米国とは違う」という意見もあるが、イノベーションは国土や言語などに関わらず進行する。どんなに国土が狭くても自動車が発明されたら馬車や駕籠に乗る人はほとんどいなくなるのと同じだ。


もちろん、業界構造やインフラなど環境が違うので、同じ速度ではないだろうが、先行指標であることは確かだ。


また、日本の出版業界は、それ以前に抱えている大きなリスクを業界で共有し、各段階で対処する必要がある。


それは、電子的な情報流通への移行によって、雑誌市場が急激に縮小し、雑誌に依存してきた取次システムが厳しい状況に陥りつつあるということだ。


これは雑誌と書籍が同じ流通・小売で販売されている日本固有のリスクであり、「返品」を前提にした取引システムが維持できなくなることを示している。


雑誌市場の縮小と電子書籍市場の拡大という二つのリスクを抱えているが、出版業界にとって書店が果たしている役割は変わっていない。


日々、本が好きな人々が来店し、未知の本と出合うことができる空間は、産業全体にとって重要だ。現に今でも人々で溢れる書店は数多く存在する。


そういう書店が今後、市場環境が急速に変化する中で生きていく道筋としては、シェアを拡大することで規模を維持、成長させる方向がある。だが、この選択は、激しい競争が予想され、資本力が求められる。


逆にカテゴリーや地域、好みなど、自分のコンセプトを明確にして絞り込む方向もある。品揃えや著者イベントなどで本好きの人々がコミュニティを形成し、彼らにとって魅力的な空間になれば、オンテマンド出版や電子書籍ダウンロードサービスなど、新しい技術を取り入れることで相乗効果も期待できる。


目に見えないものを恐れて萎縮したり、「紙の本はなくならない」といった心地よい言葉で思考停止するのではなく、世界で進行する変化に目を凝らし、正確な情報に基づく危機感をもったうえで、自分たちの”敵”と、”自らの強み”を見定める必要がある。


ただ、いずれにしても、雑誌依存、低コスト・低マージンといった現在の書店構造を転換させなければならない。


新しい技術が書店空間の魅力を完全に代替する日が来るまでは、書店が不要になることはなく、厳しい環境でも経営が成り立つような産業の仕組みを追求するべきだろう。(了)


●コラム「出版時評」  ”書店主導の形”が明確に


第2回となる首都圏書店大商談会が開催された。会場がJR秋葉原駅から至近で、1フロアで展開できたことなど、前回に比べて来場しやすくなった。会場内も出版社、書店、取次関係者などで活気づいていた。


これまで日本では、注文しなくても商品が入荷する「配本」が商品調達の中心だったため、出版社が書店に売り込む「商談会」がほとんどなかった。


書店の発注が原則のドイツのフランクフルトブックフェアやアメリカのブックエキスポアメリカなどは、出版社が書店に本を売り込む場としてスタートした。


今回の商談会は書店が自分で仕入れのための場を設定したことで実現した。もちろん各取次は取引先書店のために協力した。


会場入口な各取次の「はっぴ」が一同に並んだ光景は印象的だった。そこでは、自社取引の書店にできるだけ満足してもらおうとする、取次が本来の競争を展開する姿もあった。


2週間後の関西での「BOOK EXPO」も期待が高まる。出展社は東京を大幅に上回り、書店直取引出版社や、知育教材などの商材を扱うメーカーの名前もある。まさに書店主導の形が明確に出ている。


電子化という波が世界を覆う中で、業界では”委託から買切”という流れが進行している。ますます店舗の魅力を高めるために、書店は商品を選んで仕入れることに磨きをかけなければならない。


そんな時期に、書店が自ら仕入れるためのイベントが始まるのは、歴史的な必然なのかもしれない。(了)


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