【発想力】発想人なら嘲笑・反発は覚悟せよ
発想とアイディアを独自の視点から研究している【伝説のPR職人】ハスカです。
私の一貫したスタンスは「あらゆるビジネスの根本は発想・アイデイアにある」。
マスコミと読者を「ハッ」とさせ、「ソウ」なのかとうならせる、
「わがハッソウ(発想)術は永久に不滅です」。
-----------------------------------------------------------------
「我こそは発想人(アイディアマン)」と思うなら他人の嘲笑・反発は覚悟せよ
■設計図や作戦命令書を書くのが好き(1/2)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
もうかなりの高齢(65歳)になってきたので、私はPR広報周りの関心事にはあまり興味がもてなくなってきた。
それでも一貫して興味と情熱がもてるのは、PR広報戦略を立てる前の段階であるアイディア発想の世界。これは私に与えられた使命のような気がします。
企業内広報で、先輩上司や先人が残してきた資産をそのまま受け継ぎ、さもわかったかのように実行する守りのPR広報などまったく興味がありません。
いわく「マスコミ記者とうまく付き合う法」や「株主に好感を持たれる法」、さらには「コンプライアンス」「情報開示」「CSR」など、常識的なことばかり。これらの仕事はジョブであり、3年もすれば誰でもできる。こんなことを修得してもとても「広報の専門家」とはいえません。
こうすればああなる、ああすればこうなる、ということが経験上見えているけれど、現実はなかなかその通りにならない。だから楽しいともいえます。PR広報は独創性溢れるクリエイティブな仕事。教科書に載っていない前人未到の分野を切り開いてこそPR広報の仕事といえます。
それをグランドデザインというならPR広報は全体の戦略を立案する前の段階としての設計図のような役割と機能、その部分を作ることが醍醐味だ。戦略から戦術に移り、行動が伴う検証プロモーションの領域は興味はもてない。
「作戦命令書」を作成して、作戦本部の司令長官にそれを渡すところで私の任務は終わり、というような現実の社会でそういうことが許されるならそんな参謀役(コンシレーブ)に特化した仕事をしたい。
「設計図」や「作戦命令書」の中核は、奇襲戦法になるであろうキモの「アイディア」部分であり、その根拠となった「発想」「思想」はどんなものか、そういうことを考えるのが一番楽しい。
■発明とPRの「発想力」は同じ?(2/2)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
発想力の最大評価値は「発明」でしょう。いつの世でも時代を創ってきた発想人たちは、人から笑われ、バカにされ、見下される存在だった。
▽電球
エジソンが電球を発明したとき、電気分野の権威だったウィリアム・プリース卿、ジョン・T・スプレーグ、シルヴァナス・トンプソン教授が示した反応は「ばかばかしい」「わけがわからない」「まったく意味がない」だった。
▽電話
「実用性はまったくない」(業界誌・ザ・テレグラファー)、「コミュニケーションの手段とみなすには、欠点が多すぎる」(ウェスタン・ユニオン社の社内文書)
▽コンピュータ
「世界中で5台は売れるかもしれないと思う」(トーマス・J・ワトソン、IBM創業者)
▽パソコン
「個人が家にコンピュータをもつべき理由などまったくない」(ケン・オルソン、元ディジタル・エクイップメント社長)
哲学者のショーペンハウエルはこういっています。
「真理はすべて3つの段階を経る。まず嘲笑され、次に激しい反発を受け、そして自明のこととして受けいれられる」。
また、米国の作家で「トム・ソーヤーの冒険」の著者として知られるマーク・トウェインはこうも表現している。
「新しい発想の持ち主は、それか認められるまで変人である」
テッド・ターナーは
「革新的なアイディアをもっていても、周りの多くの人たちからあざ笑われないようなら、たいしたアイディアではない」。
CNNを始めたときに、「チキン・ヌードル・ニュース」の略称だろうとこき下ろされた経験をもつターナーの言葉です。
以上の文言は、翻訳書「シェイク・ブレイン」(ジョエル・サルツマン著、阪急コミュニケーションズ刊)より抜粋しました。
一転してここからは当社クライアントに私がプレゼンするも無残にもボツになった悲しい事例をちよっとだけ。PRアイディア部分にフォーカスして。
クライアントは都内に新宿と渋谷の2箇所に教室をもつIT学校。PCの操作を教えるPCスクールではなく、Webデザイナーを育成する教育機関といえる。
独自開発した教材テキストと講師の指導がノウハウで、教室ではずらりと勢ぞろいしたPCを1人に1台ずつ操作でき、マンツーマンでWeb技術を教えてくれる。
クライアント名をA社(学校名も)とします。そのA社のたっての希望はテレビに出たいということだった。これまで一度も出たことがないからだ。私はある日、その願いを叶えるべく妙案を用意、広報担当者をカフェに誘い出し、思いのたけをプレゼンした。
私のPRアイディアはこうだった。A社はWebデザイナーを育成するところから「Webを学ぶ」として、その語感を生かした「唄」を作る。
すなわち、「Webを学ぶ⇒上を学ぶ」として「上を向いて学ぼう」というタイトルの唄のイメージができた。
「Webを学ぶ」からタレントの「上戸彩」の名前が浮かび、リクルート発行のスクール誌「ケイコとマナブ」から「マナブ」がひらめいた。この曲名のヒントになったのはあの名曲「上を向いて歩こう」。
そして、この作品のキャラクターを「上歩学」(うえぶまなぶ=Web学ぶ)にしようと。
調べると、今年の10月15日が「上を向いて歩こう」のレコード発売から50周年を迎える日であることがわかった。プレゼンしたのは8月の頃の話。
なんとか、唄を作り、ある程度ネット上で話題になったところで、10月15にテレビ局がニュース番組あたりで特集を組むことを想定、そこにこの街ダネを関連話題として挿入しようという作戦だった。
私は何としてもこの企画「上を向いて学ぼう」を通そうと、ない知恵をしぼった。曲はなかったが、作詞案だけは用意してプレゼンに臨んだ。作詞のモチーフは「大震災」にした。以下がそれ。
○上を向いて学ぼう
上を向いて 学ぼう
石に刻んだ 311(さんいちいち)
ウエブの声に 絆と
生きる力を もらったよ
涙ふいたら 天仰ごう
幸せは 星の上に
幸せは 空の上に
学んでいこう 明日のために
作詞だけをみると「上を向いて歩こう」のパクリのイメージがあるが、実際に作るとなれば当然のことながら著作権に触れるのでまったく似て非なる作品にし上げなければならない。
広報担当者は「おもしろいし、僕の独断でいいならすぐにでも実施したいくらいだ。とりあえず社内のみんなの意見を聞いてみよう」となったが、その日のうちに猛反対にあい、結局、社長決済のところまでいかずに私の案は紙屑に。
NG理由。
[1]震災などネガテイブな素材モチーフは学校イメージにそぐわない
[2]本当にTVオンエアが実現できるか疑わしい
[3]オンエアされたとしても最終目標である生徒募集には貢献しないだろう
-というものだった。
テレビが取り上げるだけの素材や環境など何もない中で、戦略的に情報開発を行い、「面白ソング」を創って話題になったところでテレビ登場というイメージを考えていた。
オンエアでは学校名など露出されないかもしれないけれど、遠巻きに「話題」になればそれだけでいいとよんでいた。生徒募集などの二次的効果は別のもので、まずは「おもしろい学校だ」とイメージを知らしめるという位置づけで。
この曲を授業前に流して必ず歌うという習慣にすれば、さしずめテレビ朝日の 「ナニコレ珍百景」http://www.tv-asahi.co.jp/nanikore/
では絶対取り上げられるという読みもあった。
--------------------------------------------------------------------
若者にひそかな人気? スクールソング「上を向いて学ぼう」
大震災から学ぶことの大切さを知ろう---が内容
坂本九「上を向いて歩こう」誕生50年記念に照準を合わせ
~東京・新宿のWebスクール「A社」~
--------------------------------------------------------------------
話をもどそう。先述の発明王たちの「発想力」と私のそれとでは比べようもないくらい天地の開きがあることは百も承知ですが、まずは第一関門である「嘲笑され」次に「激しい反発を受け」、結果としてボツになっていったのです。
テレビに出たいという要望を実現させるために、あなたならどんなPR企画を考えますでしょうか。
少なくとも現状ではテレビが取材にくる要素などは何もありません。あるのは教室と教材と講師と生徒だけ。これらの前提・条件から創案してみてださい。
残念なのは今の時代、どこのクライアントでもそうですが、PR広報を何回説得しても「集客」や「販促」の効果を期待していること。
これではテレビなどお呼びがかかるわけがありません。企業の一方的宣伝のためにテレビが存在しているわけではないとあれほどいい聞かせているのに・・・。