【本】社内失業(増田不三雄著) | PRアイディア直売所 ~作って売るから安い~

【本】社内失業(増田不三雄著)

PRアイディア直売所 ~作って売るから安い~-社内失業 双葉社新書


発想とアイディアを独自の視点から研究している【伝説のPR職人】ハスカです。


私の一貫したスタンスは「あらゆるビジネスの根本は発想・アイデイアにある」。


マスコミと読者を「ハッ」とさせ、「ソウ」なのかとうならせる、

                    「わがハッソウ(発想)術は永久に不滅です」。

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売らんかな主義、成果主義の裏にサラリーマンの「社内失業」「役職辞退」があったという衝撃的なリポートの本です。


昇格の辞令がきてもいっこうに喜ぶ気配はなく、むしろ辞退する人が多くなってきたというのですね。


「社内失業」の定義を増田さんは「会社でヒマを持て余す20代~30代の若手社員」としています。


そうなると「社内失業」になる可能性は誰にでもありますね。この本と著者にインタビューした記事が現代サラリーマンを象徴しているようで、ぜひ読んで欲しい一冊。


本のタイトル「社内失業 企業に捨てられた正社員」(増田不三雄著、双葉社新書、2010年11月)。


本の内容]

「希望・早期退職」「リストラ」「派遣・新卒切り」「雇い止め」「内定取消」…。長引く不況の中で様々な労働問題が語られてきたが、その中で最近浮かび上がってきたのが「社内失業」だ。


[目次]

はじめに 社内失業とは
第1章  追い詰められる社内失業者
第2章  社内失業のイメージと実態
第3章  社内教育ができなくなった企業
第4章  社内失業を生む職場
第5章  社内失業の解決方法


[著者情報]

増田不三雄(ますだ・ふみお)サラリーマン時々ライター。2年ほど社内失業中の正社員。大学卒業後、正社員として都内の企業に就職。しかし、ひょんなことから社内での仕事を失い、毎日職場で暇を持て余す「社内失業」の状態に。将来への不安とスキルアップにならない雑務を積み重ねながら会社員生活を送る。日々の主な業務は、郵便の宛て名書きとファイル整理。著書に、『社内失業 企業に捨てられた正社員』(双葉新書)がある。

◯ブログ 「社内失業と呼ばれて」http://d.hatena.ne.jp/shanaineet/
◯ツイッター fumio masuda (fmmasu) on Twitter

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増田不三雄さんに著者インタビューしたネット記事(http://careerzine.jp/ )の全文。


スキルもやる気もあるのに、仕事がない「社内失業」をご存じですか? 「自分から提案しなきゃ」「仕事がデキないんじゃないか」などのご批判があるかと思いますが、そうじゃないんです! 『社内失業』の著者にして、ご本人も現役社内失業者の増田不三雄さんにインタビューしました。


●ブラック企業でも、仕事があるだけいいじゃないか

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ビジネスパーソンの「雇用」に対する意識が、ここ数年で激変している。給与の横ばいや減少程度ではもはや驚かず、「もらえるだけありがたい」とそれを理由に転職など考えない。同僚がリストラされれば同情はするが、次は自分の肩が叩かれないという保障はどこにもなく、真綿で首をしめられるようなプレッシャーを感じている……。なんとも希望のない話だが、そうした状況であっても、「仕事があるだけ、まだいいじゃないか」と羨望の眼差しを向けている「社員」がいるとしたらどうだろうか。


そう、世の中には「社内失業者」という、会社に出勤しても仕事がないビジネスパーソンが存在するのだ。そこで今回読者にご紹介したいのは、『社内失業 会社に見捨てられた正社員』の著者・増田不三雄さんだ。ご本人も、現役の社内失業者である。勤務先にはこの活動を伏せているとの理由から、顔出しはNGながら、実際に会ってお話をうかがうことができた。誤解されがちな「社内失業」について、少しでも理解を深めていただければ幸いである。


●社内失業者は、仕事をやる気もスキルもあるのにヒマなのだ

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まず最初にはっきりさせておきたいのは、「社内失業」の定義だ。増田さんはこれを「会社でヒマを持て余す20代~30代の若手社員」としている。表面的には、社内失業者はほかの社員となんら変わりない。ただ、彼らは労働時間のほとんどを、キャリアに結び付かない単純労働や暇つぶしに充てているということである。勘違いしてならないのは、社内失業者は望んでそうした状況に置かれているのではないということ。


そして、仕事ができないわけでも、やる気がないわけでもないのだ。なぜこうなったのか原因を考え、対策を立て、自分なりに行動しても改善されず、もがき苦しんでいるのだ。いわゆる「給料泥棒」や「社内ニート」とは一線を画することを強調したい。増田さんは著書を執筆するにあたり、自分以外の複数の社内失業者にインタビューを重ね、統計データなどをあたり、できるだけ客観的な視点で社内失業を分析した。1つひとつ、読者が持つであろう疑問を解消していこう。まずは、社内失業者がどれだけ日本に存在するのかということについてだ。


増田さんに尋ねると、恐るべき答えが返ってきた。「2009年度の経済財政白書によると、企業内で余剰人員となっている社内失業者の推計は、1~3月期で607万人になると記されています。日本の労働人口はおよそ6,000万人で、そのうち自営業者や公務員を抜いた約4,500万人が正規・非正規を含めた給与所得者とされています。そうすると、サラリーマンのうちの13%が社内失業者だということになります」(増田さん、以下同))


●リーマンショックの影響で、わずか1年で社内失業者が16倍に!

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これはつまり、10人程度の職場や部署であれば1人、1万人規模の大企業だと1,000人以上の社内失業者を抱えていることになる。そう考えると、周囲にも高い確率で社内失業者が存在することがおわかりいただけるのではないだろうか。「まさかウチの会社で……」と思うかもしれないが、社内失業者の特徴の1つとして、「表面的には仕事がある同僚と同じように見える」というのがある。「PCに向かって仕事をしているふりをしたり、周囲とのコミュニケーションを避けることで、自分が社内失業者だと悟られないようにしている方は多いと思います。残念ながら社内失業にはほとんど理解されていませんから、その程度の工夫でごまかすことができるのです。


社内失業者の上司は自身の評価を下げる危険性があるので、部下が社内失業していると認めたくない、あるいは知られたくないと隠ぺいするケースがほとんどです」本人にとっては恥ずかしい、周囲から軽蔑されたくないという思いから、上司にとっては認めたくない存在だということから、社内失業は「ないもの」とされている。だからこそ、「本人のやる気がないからだ」「仕事は作るもの」など通り一遍の批判で片付けられ、社会問題としても大きく取りざたされない。ちなみに増田さんが挙げた経済財政白書だが、前年同期と比較すると、さらに驚くべき実態が浮き彫りになる。「2008年度の1~3月期において、企業内の余剰人員は推計で38万人。よって、わずか1年で569万人の社内失業者が生まれたことになり、これは約16倍に膨れ上がったことになります。その原因は、2008年秋に起きたリーマンショックの影響にほかなりません」


●転職と不況がきっかけで部署異動 社内失業のはじまり

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ここからは、増田さんを例に社内失業が生まれた経緯について探ってみよう。彼自身は2006年に大学を卒業し、都内ITベンチャーに就職。Webディレクターとして活躍していたという。「主にモバイルコンテンツを担当しており、仕事は忙しく、いまとは正反対の日々でした。その会社には約2年間勤めたのですが、社内失業になったのは転職がきっかけ。培ったキャリアを活かしてもっと安定した会社に移りたいと思い、2008年初頭から転職活動を初めて、3月には現在の会社に決まりました」


転職先は大手事業会社。Webコンテンツを窓口として、新規顧客を開拓したいとの狙いから、増田さんは嘱望され、採用された。年収も200万円ほどアップする見込みで、キャリアップ転職が叶ったと、喜びを隠せなかったという。「業種は同じとはいえ、異なる業界に飛び込むのは不安もありました。ですが面接時に『キミが活躍できるような部署にしていくし、頑張ってほしい』と言われたこともあり、転職を決断したんです」


ところが、そんな前途洋々の状況に暗雲が立ちこみ始めたのが、リーマンショックが勃発した同年9月のころ…。「広告宣伝費が大幅カットとなったのは、皆さんも記憶に新しいと思います。当社も同様で、進めていた企画はすべて白紙になり、私は突然、新規企画室のような部署へ異動を命じられました。これが、社内失業の始まりでした」


●SNS漬けの上司からのFBは「1円の予算もかからないならやろう」 

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増田さんが配属された新規企画室だが、部署名からするとクリエイティブなイメージがあるが、実際は閑職の極みだったという。「よくよく考えると、新しい企画を考える部署ですから、日々の業務はありません。これはいまも変わりませんね(笑)。上司が1人いるんですが、異動時に出された指示が『週に1回、世間の動きをまとめたメールを送ってくれ』ですから。当初はそんなことは信じ難く、自主的に企画書を書いて提出していたのですが、上司からのフィードバックは『1円も予算がかからないならやってもいい』『100%儲かるならやってもいいけど』といった具合で、真剣に取り合ってくれません。そういったやり取りが3~4ヵ月続いた結果、企画書を出しても上司を困らせるだけなんだと気づき、いよいよ社内失業が本格化してしまいました。あれから約2年が経ちますが、いまも状況は変わりありません」


要はこの新規企画室は、体のいい「島流し」の部署だったのだ。会社としては事業拡大のために増田さんを採用したものの、リーマンショックが発端の不況の影響で予算が割けず、どうしたものかと試算した挙句、ほとぼりが冷めるまで彼を他部署に移したということか。それともうがった考え方をすれば、閑職に追いやることで暗に退職をほのめかしたかったのかもしれない。ちなみに増田さんの上司も社内失業者のようで、「後ろを通ると、SNSの画面を見かけることが多い」とのこと。これでは、この部署から新たな企画が生まれるはずがない。


●提案しても上司が困るだけ 空気を読んで社内失業を受け入れる

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社内失業者となることで、年収アップもなくなった。手当や残業代はまったくつかず、なんと手取りは約14万円。ボーナスを合わせても年収200万円に満たない。ちなみに増田さんは共働きの既婚者。妻は契約社員だが、彼女のほうが高給取りなってしまったという。目下、増田さんが社内失業者となってよかったと思うことは、著書が書けたことくらいだと苦笑いしながら話す。「仕事がないから毎日定時で帰るんですが、ショックだったのは、『増田くんって定時の時報みたいな人だね』と、隣のデスクの社員から嫌味を言われたこと。周りから、ヒマなヤツって思われているんだと痛感しました」とはいえ、増田さんの仕事はゼロというわけではない。「主な仕事は1日に1~2回、郵便物を郵便局に届けることです。ただし、ものの5分で終わりますけど。不定期でDVDを焼く仕事がありますが、専用のPCを使う必要があり、ネットも見られないのでその間ほかのことは何もできません」もちろん、こういった作業も会社を運営していく上で不可欠な、立派な仕事かもしれない。だが、いったいどんなスキルが磨かれているのだろう。


こういった現状に直面し、増田さんは上司に仕事が欲しいと直訴したというが、返ってくるのは「こういった状況だからな、わかるだろう」という返事ばかり。こういったやりとりの積み重ねで、いつしか増田さんも社内失業状態を受け入れるようになった。「いちばんつらいのは社内のコミュニケーションです。社内の人脈は仕事を通じて広がっていくものですが、私の場合は、仕事そのものがないから人脈は広がりません。話をしようにも接点がありませんし、雑談で仲良くなったとしても『仕事がない』なんて打ち明けられません。昼食は自宅から持ってきた弁当を1人で食べるようにしています」


●転職活動するも社内失業が原因でうまくいかず 時間が経つのが怖い

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増田さんは、社内がダメなら社外へ出ようと、転職活動も行ったという。ところが、リーマンショック後の転職がどれだけ難しいかは、周知のとおり。面接には進んでも、なかなか内定までに至らない。さらに問題なのは、増田さんが社内失業状態で、時間が経つほど現場から遠ざかり、ブランクが空くことだ。「『現職での仕事内容は?』と聞かれると、答えることができません。なので、前職での実績を重点的にアピールするのですが、Web業界は日進月歩なので、すでに情報が古くなっているんです。スキルや実績をちょっと誇張して自己PRしたりするのですが、入社後に通用するのか不安ですし、それが言葉にせずとも出てしまうんでしょうね」これも、社内失業が抱える弊害の1つだ。


社内でキャリアが積めないので、転職もままならない。よって、社内失業という現状に甘んじるしかなく、一向に状況は改善できない。さらに恐ろしいのは、社内失業のまま年齢を重ねると、いよいよ仕事のある同僚たちとの格差は広がるばかりで、昇進や昇給とは無縁。仮にリストラされた場合、年齢に伴う経験が培われていないので、当然ながら新たに仕事は得られないだろう。社内失業は悪循環しか生まないのだ。


●即戦力重視、組織の縦割り化が社内失業を生む

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社内失業者がいる一方で、ほかの部署では忙しい日々を送っているという。増田さんはまだ若く、転職時には200万円年収アップの待遇となったほどの人材である。別の業務を一から教えてもらえれば、十分に活躍できる可能性を秘めているだろうに、会社はなぜそれをせず、「飼い殺し」にしているのだろう。「日本企業はバブル崩壊以降、新卒の採用を控え、即戦力としての中途採用を重視してきました。それには、社員教育にお金をかけずに売上を確保したいという思惑があったのでしょう。その結果、新入社員などをゼロから育てるノウハウが培われませんでした。部下を持ち、教育できる社員の数が少ないのです。


こうして、即戦力でないため仕事がない、社員失業の若手社員を作り出しています」さらに、組織の縦割り化も社内失業に拍車をかけているという。「部署間で業務の連携が取れず、仕事の分配が適正になされていないのも問題です。よって、忙しい部署とそうでない部署の格差が生まれ、不幸にもヒマな部署に配属された社員は、社内失業の憂き目に遭ってしまいます」社内失業は、日本企業が抱える構造的欠陥の産物といっても過言ではないだろう。ところが会社としては、自社に社内失業者がいることは認めたくない。もしかしたら経営者レベルになると、自社に社内失業者がいると露ほど感じていないのかもしれない。その理由は冒頭で述べた通り、本人や上司が社内失業を負い目に感じ、表面化させないからである。


●社内失業の可能性は誰にもある 黙殺しないことから始めよう

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ここまで見てきたとおり、会社側の都合による部分が大きいのだが、それが理解されないまま、社内失業者に問題があると勘違いされがちである。増田さんにも、ブログやツイッターなどで批判的なメッセージが多数寄せられた経験を持つ。「モチベーションが低いとか、仕事がデキない人がなるというイメージがあるようですが、決してそうではありません。著書を執筆するにあたり、何人かの社内失業者にインタビューしたのですが、好成績を上げていた営業マンもいましたし、仕事に積極的な方がほとんどでした。性格も引っ込み思案というわけではなく、むしろ反対です。そういった人たちも、仕事がなく、改善しようと努力しても無駄になり、周囲に相談してもどうにもならないとなると、心が折れてしまうのです。なかには、『新たに営業先を開拓します』と申し出たところ、『お前が勝手に外に出て、万一ケガでもしたら、労災がかかるだろう!』と、叱られた人もいたくらいです」


増田さんは、これ以上社内失業者を生み出さず、また減らしていくために次のように提言する。「社内失業者が、自分でできることはないに等しいのが現状です。改善するには、上司である中間管理職の方が、ある程度業務の分配に注力し、社員を育てる目線を持つべきでしょう。経営者はそこまで目が行き届きませんから」そして、社内失業者らしき人を見つけたら、「部署が違うから」「直接の部下ではないから」などといった理由で、黙殺しないことだ。社内失業者になる可能性は誰にでもある。それを理解し、過剰反応せず、話を聞くことからはじめてほしい。(了)