【発想】敬老の日にPRを考える
発想とアイディアを独自の視点から研究している【伝説のPR職人】のハスカです。
私の一貫したスタンスは「あらゆるビジネスの根本は発想・アイデイアにある」。
「敬老の日」にPRを考えました。
■「敬老の日」のルーツは「としよりの日」(1/2)
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きょう9月19日は敬老の日で祝日。だからこれにちなんだ話題を──。
今は「敬老の日」という呼び名で一般的に統一されていますが、その前は「老人の日」だった。そしてこの記念日ができた原型はそれよりずうっと前の「としよりの日」にさかのぼります。
この「としよりの日」を作ったのは、兵庫県多可郡野間谷村(現在は多可町八千代区)の門脇政夫村長(のち兵庫県議会議員)と山本明助役が1947年 (昭和22年)に提唱したと文献にあります。
ちょうどこの年に私は生まれているのですが、64年前に発案されたこの「としよりの日」が現在の「敬老の日」になっているのは大変感慨深い。
昔の人は偉かった。政府と戦ってくれたお陰で今に繋がっていると思うとね、胸がジンときますね。
「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」と、農閑期に当り気候も良い9月中旬の15日を「としよりの日」と定めた。この地区では以前から敬老会を開いていた。これが1950年(昭和25年)からは兵庫県全体で行われるようになり、後に全国に広がった。
その後「としより」という表現は良くないということで1964年(昭和39年)に「老人の日」と改称、さらに翌年、めでたく国民の祝日「敬老の日」に制定された。(このとき、野間谷村からの政府への働きかけとして、こどもの日、成人の日があるのに敬老の日がないのはおかしいと強く陳情があった)。
このため、「母の日」のように日本国外から輸入されたような記念日と違い、日本以外の国にはありません。
もうひとつ「聖徳太子が四天王寺に悲田院を建立した日」や「元正天皇が養老の滝に御幸した日」である等の俗説もあるようですが、どちらも確かではありません。
その後、定位置を守り続けてきた9月15日「敬老の日」はハッピーマンデー制度により9月の第3月曜日に移動、現在に至っていることはご承知の通り。
ところで、「敬老」だとか「老人」だとか「としより」だとか、いったい何歳から「高齢者」と呼ぶか知っていますか。
国連の世界保健機関 (WHO)では、高齢者とは一般に満65歳以上の者であると定義されています。
65~74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者、85歳以上を末期高齢者というんだそうです。ああ、私も来年から高齢者ですが、何か?
日本の65歳以上の高齢者は2980万人で、前年から24万人増加、総人口に占める割合は23.3%。これが16日に発表された総務省の最新データ。
■モノやサービスの贈呈でない企画を(2/2)
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敬老の日のPRというと、モノやサービスのプレゼントといったものが多い。
9月16日付産経新聞は、敬老の日のプレゼントとして感謝の気持ちを伝える“新サービス”登場という2つの話を記事にしています。
[1]家事代行業「ベアーズ」は首都圏と関西圏で、子供から親への感謝の気持ちをプロによる掃除で表す親孝行サービス 「ベアーズ・マイハートサービス」を始めた。キッチンや浴槽、トイレなどいずれか1カ所の清掃サービス提供時、親への感謝の気持ちを書いた手紙を同社スタッフが読み上げる。サービスを受けた親の気持ちはスタッフ が聞き取り、子供にその内容をメールで送るという内容。
▽ベアーズ http://www.happy-bears.com/
[2]旅行会社「佐川アドバンス」は、昨年10月から関東地区で、体が不自由になっても旅行を楽しんでもらう「介護旅行」を開始。添乗員と介護ヘルパーの両資格を持つ「トラベルヘルパー」が付き添い、旅行を手助けする。料金は介護度に応じて違い、1日(8時間)1万5750~2万6250円。半日コースも。両親や祖父母のために子供や孫が手配するケースが多く「諦めていた墓参りや美容院に行けた」という喜びの声も。
▽佐川アドバンス http://www.itteco.jp/
さらに、「敬老×PR」でネット検索すると、我々の業界のトップにたつ電通PRのクライアントで、新宿の中村屋がヒットしました。
それによると、平成19年9月の「敬老の日」に80歳以上のお年寄り40人に地元の小学生がカレー、中華まんじゅう、月餅をプレゼントするというPRイベントを実施したとあります。
▽中村屋発売80周年敬老の日イベント
http://www.dentsu-pr.co.jp/ourwork/case010.html
同業他社のことを悪くいいたくはありませんが、こういうモノやサービスの贈呈という切り口のPR活動は旧態依然のものでよくありません。業界の王者らしからぬ企画といっていいでしょう。
私にはクライアント予算消化のためのイージーな企画に写ります。中村屋の決算報告書に「社会貢献」のPR活動だったとして記載されていますが、お年寄り4000人程度の規模ならいえるでしょうけれど、40人で「社会貢献」とはとてもとても・・・。
64年前に兵庫県野間谷村長が提唱された「としよりの日」の原点にもどり、「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」という社会性溢れるPRマインドこそ、先輩が残してくれたメッセージだったのではないでしょうか。
ではどういうのが「敬老の日」にふさわしいPR企画なのでしょう。
探しまたら、ありましたね。NPO法人「昭和の記憶」(理事長、瀧澤尚子氏)というところが、日本財団の助成を受けて平成19年から実施している「敬老の日を聴き書きの日に」というキャンペーン。これぞ、社会性に溢れた素敵なPR企画といえます。
▽昭和の記憶 http://www.memory-of-showa.jp/
~聴き書き2010~ NPO昭和の記憶
昭和を生き抜いてきた高齢者の話を聞き書きして記憶を記録に残していく活動です。
その活動内容です。
1.高齢者の記憶を収集・編纂し、後世に残す
2.子供と高齢者の世代間コミュニケーションを促進する
3.聴き取りを通じて、地域内コミュニティの活性化を促す
4.高齢者への尊敬の念、活性化を促進する
5.子供の歴史・地理教育、聴く力の向上を促す
理事で事務局長の瀧澤尚子さんはいいます。
「よくある敬老のイベントは子どもたちが歌を歌っているのを聞くだけだったり、高価な物をお年寄りに贈るという、いずれも受動的なものが多い。そうではなく、おじいさんやおばあさんと向き合って会話をすることが何よりのプレゼントになるのではと思い、敬老の日に話を聞こうとよびかけています。2006年からはじめ、2010年までに全国1万人の聴き書きを目指してやっています」
もうひとつ、これは私が企画したものですが、おかかえ運転手という運転代行の会社の新サービス「話食屋(わしょくや)」。お客様宅にでかけ、料理を作ってあげ話をしながら一緒に食事をするというもの。①食材の買出し②顧客宅へ訪問③調理④話しながら一緒に食事⑤後片付けなどが一体となったサービス。
無縁社会、買い物難民、買い物弱者などお年寄りの置かれた今日的社会を意識して立案しました。お客様は奥様を亡くされた男性に多く、敬老の日にぴったりのサービスです。
▽おかかえ運転手 http://www.okakae.co.jp/
「和食屋サービス」で心を癒す!
NPO法人「昭和の記憶」さまの「敬老の日を聴き書きの日に」キャンペーンとおかかえ運転手の「話食屋サービス」の2つに共通しているのは「会話」と「社会」という2つのキーワードです。
PR広報担当者ならば、敬老の日に(来年のために)モノやサービスを贈る企画をやめて、ソーシャルなPR企画を会社に提案されることをお薦めします。
私の一貫したスタンスは「あらゆるビジネスの根本は発想・アイデイアにある」。
「敬老の日」にPRを考えました。
■「敬老の日」のルーツは「としよりの日」(1/2)
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きょう9月19日は敬老の日で祝日。だからこれにちなんだ話題を──。
今は「敬老の日」という呼び名で一般的に統一されていますが、その前は「老人の日」だった。そしてこの記念日ができた原型はそれよりずうっと前の「としよりの日」にさかのぼります。
この「としよりの日」を作ったのは、兵庫県多可郡野間谷村(現在は多可町八千代区)の門脇政夫村長(のち兵庫県議会議員)と山本明助役が1947年 (昭和22年)に提唱したと文献にあります。
ちょうどこの年に私は生まれているのですが、64年前に発案されたこの「としよりの日」が現在の「敬老の日」になっているのは大変感慨深い。
昔の人は偉かった。政府と戦ってくれたお陰で今に繋がっていると思うとね、胸がジンときますね。
「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」と、農閑期に当り気候も良い9月中旬の15日を「としよりの日」と定めた。この地区では以前から敬老会を開いていた。これが1950年(昭和25年)からは兵庫県全体で行われるようになり、後に全国に広がった。
その後「としより」という表現は良くないということで1964年(昭和39年)に「老人の日」と改称、さらに翌年、めでたく国民の祝日「敬老の日」に制定された。(このとき、野間谷村からの政府への働きかけとして、こどもの日、成人の日があるのに敬老の日がないのはおかしいと強く陳情があった)。
このため、「母の日」のように日本国外から輸入されたような記念日と違い、日本以外の国にはありません。
もうひとつ「聖徳太子が四天王寺に悲田院を建立した日」や「元正天皇が養老の滝に御幸した日」である等の俗説もあるようですが、どちらも確かではありません。
その後、定位置を守り続けてきた9月15日「敬老の日」はハッピーマンデー制度により9月の第3月曜日に移動、現在に至っていることはご承知の通り。
ところで、「敬老」だとか「老人」だとか「としより」だとか、いったい何歳から「高齢者」と呼ぶか知っていますか。
国連の世界保健機関 (WHO)では、高齢者とは一般に満65歳以上の者であると定義されています。
65~74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者、85歳以上を末期高齢者というんだそうです。ああ、私も来年から高齢者ですが、何か?
日本の65歳以上の高齢者は2980万人で、前年から24万人増加、総人口に占める割合は23.3%。これが16日に発表された総務省の最新データ。
■モノやサービスの贈呈でない企画を(2/2)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
敬老の日のPRというと、モノやサービスのプレゼントといったものが多い。
9月16日付産経新聞は、敬老の日のプレゼントとして感謝の気持ちを伝える“新サービス”登場という2つの話を記事にしています。
[1]家事代行業「ベアーズ」は首都圏と関西圏で、子供から親への感謝の気持ちをプロによる掃除で表す親孝行サービス 「ベアーズ・マイハートサービス」を始めた。キッチンや浴槽、トイレなどいずれか1カ所の清掃サービス提供時、親への感謝の気持ちを書いた手紙を同社スタッフが読み上げる。サービスを受けた親の気持ちはスタッフ が聞き取り、子供にその内容をメールで送るという内容。
▽ベアーズ http://www.happy-bears.com/
[2]旅行会社「佐川アドバンス」は、昨年10月から関東地区で、体が不自由になっても旅行を楽しんでもらう「介護旅行」を開始。添乗員と介護ヘルパーの両資格を持つ「トラベルヘルパー」が付き添い、旅行を手助けする。料金は介護度に応じて違い、1日(8時間)1万5750~2万6250円。半日コースも。両親や祖父母のために子供や孫が手配するケースが多く「諦めていた墓参りや美容院に行けた」という喜びの声も。
▽佐川アドバンス http://www.itteco.jp/
さらに、「敬老×PR」でネット検索すると、我々の業界のトップにたつ電通PRのクライアントで、新宿の中村屋がヒットしました。
それによると、平成19年9月の「敬老の日」に80歳以上のお年寄り40人に地元の小学生がカレー、中華まんじゅう、月餅をプレゼントするというPRイベントを実施したとあります。
▽中村屋発売80周年敬老の日イベント
http://www.dentsu-pr.co.jp/ourwork/case010.html
同業他社のことを悪くいいたくはありませんが、こういうモノやサービスの贈呈という切り口のPR活動は旧態依然のものでよくありません。業界の王者らしからぬ企画といっていいでしょう。
私にはクライアント予算消化のためのイージーな企画に写ります。中村屋の決算報告書に「社会貢献」のPR活動だったとして記載されていますが、お年寄り4000人程度の規模ならいえるでしょうけれど、40人で「社会貢献」とはとてもとても・・・。
64年前に兵庫県野間谷村長が提唱された「としよりの日」の原点にもどり、「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」という社会性溢れるPRマインドこそ、先輩が残してくれたメッセージだったのではないでしょうか。
ではどういうのが「敬老の日」にふさわしいPR企画なのでしょう。
探しまたら、ありましたね。NPO法人「昭和の記憶」(理事長、瀧澤尚子氏)というところが、日本財団の助成を受けて平成19年から実施している「敬老の日を聴き書きの日に」というキャンペーン。これぞ、社会性に溢れた素敵なPR企画といえます。
▽昭和の記憶 http://www.memory-of-showa.jp/
~聴き書き2010~ NPO昭和の記憶
昭和を生き抜いてきた高齢者の話を聞き書きして記憶を記録に残していく活動です。
その活動内容です。
1.高齢者の記憶を収集・編纂し、後世に残す
2.子供と高齢者の世代間コミュニケーションを促進する
3.聴き取りを通じて、地域内コミュニティの活性化を促す
4.高齢者への尊敬の念、活性化を促進する
5.子供の歴史・地理教育、聴く力の向上を促す
理事で事務局長の瀧澤尚子さんはいいます。
「よくある敬老のイベントは子どもたちが歌を歌っているのを聞くだけだったり、高価な物をお年寄りに贈るという、いずれも受動的なものが多い。そうではなく、おじいさんやおばあさんと向き合って会話をすることが何よりのプレゼントになるのではと思い、敬老の日に話を聞こうとよびかけています。2006年からはじめ、2010年までに全国1万人の聴き書きを目指してやっています」
もうひとつ、これは私が企画したものですが、おかかえ運転手という運転代行の会社の新サービス「話食屋(わしょくや)」。お客様宅にでかけ、料理を作ってあげ話をしながら一緒に食事をするというもの。①食材の買出し②顧客宅へ訪問③調理④話しながら一緒に食事⑤後片付けなどが一体となったサービス。
無縁社会、買い物難民、買い物弱者などお年寄りの置かれた今日的社会を意識して立案しました。お客様は奥様を亡くされた男性に多く、敬老の日にぴったりのサービスです。
▽おかかえ運転手 http://www.okakae.co.jp/
「和食屋サービス」で心を癒す!
NPO法人「昭和の記憶」さまの「敬老の日を聴き書きの日に」キャンペーンとおかかえ運転手の「話食屋サービス」の2つに共通しているのは「会話」と「社会」という2つのキーワードです。
PR広報担当者ならば、敬老の日に(来年のために)モノやサービスを贈る企画をやめて、ソーシャルなPR企画を会社に提案されることをお薦めします。