【本】「非属の才能」はすごくいい本
【伝説のPR職人】のハスカです。
ちよっと古くなるけれど、2007年12月に発行された、漫画家の山田玲司氏の著書「非属の才能 」。 画像の真ん中の本がそれ。
あまりにも素敵なので、ご紹介させていただきます。
この本、2011年の本屋大賞の中2賞(2作品)に「非属の才能」が選ばれている。
中2賞というのは、いちばん多感な時期でありながら、本が遠い中学2年生男子のために、今のうちに読んでおくといい本という意味。
私の興味・関心分野はこのブログのタイトルのように「発想」領域。この発想について、山田さんはとてもいい提案をしています。
山田氏の言葉。「行列の最後尾に並ぶな。先頭に立ち、自ら行列を作る人間になれ」。私もまったく同意見。人と群れて同じことをしていい時代はもう終わったんだ。
「独自性」や「他人と違う発想」と口ではいいますが、実際には「協調性」や「従順」「横並び」を最優先しているのが今の日本人の姿。私のもっとも嫌いなパターン。
卑近な例で言うと、私の嫌いな言葉に「強み」がある。「あなたにも強みがあるんですよ」といいたがるコンサルタントやコーチの多いこと。
一人ぐらい、「いいえ、私は馬鹿の固まり、人より優れた取柄などこれっぽちもありません。あなたにいわれるほど強みなんかないのですが」と口答えできないのか。
人生経験もない方から「あなたの強みはこれです」といわれてもピンとこないのは私だけだろうか。私はこの言葉を聞くと無性に腹が立つ。今風の言葉でいうと、「あんたにいわれたくない」とね。
漫画家の山田玲司氏が、実際に取材して数百人の「才能のカタマリ」に話を聞いた結果、才能というのは「どこにも属せない感覚」、「非属」の感覚の中にこそあるという結論に至ったという。
「どこに属しているか」より、「その人個人」の存在が問われるべき時代になったと。
「みんなと同じ」といった楽を選ばず、自分の非属の部分に目を向けた人間がこれからは伸びていくというのだ。引きこもりや学校嫌いは非属の才能のサインだとも。
第一、組織の中で生きる人間は、主張すべき「自分」というものがなく、、「これが人と違う私だけの才能です」といえないじゃないか。そんな人に斬新な発想や独創性など生まれてくるはずがない。
学歴とか肩書きなどというのものはナンセンス。これらの「壁」をとっぱらい、自由になること。先人の成功例をヒントにするのはいいが、マネはしていけない。
大企業や一流企業などのよい群れに属することで自分が偉くなったような悲愴な錯覚に陥る。「ハイウェイは大渋滞」という言葉がある。学歴競争やお受験はバカみたいに過熱していく。
裏道や抜け道の成功者がたくさん出てくる社会になったほうが楽しいと思うし、成功や勝ち組とかは関係のない世界で幸福で満足に生きられる人生もあるじゃないか。
「のけ者」や「はみ出し者」のなかにこそ、成功や世の中を変えてゆく才能があるといいきっている。
行列やだれかの後をついてゆく人に成功も変化もおこせない。「前例」のあとをついてゆく人は過去のコピーにしかすぎないし、成功や才能は人と違う道でしか花開かないものだ。
一昔前に、「空気読めよ~」のKYという言葉がはやった。私に言わせれば「空気が読めなくてもいい」のだ。むしろ群れをなし、みんなと一緒に考え行動することをやめろといいたい。大いにずっこけてよろしい。笑われたっていい゛しゃないか。
「和をもって属さず」 これが山田流「非属」の定義なのだ。いい言葉だね。
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[本の内容]
「非属の才能」の持ち主たちが教えてくれた、群れなくても幸せに生きることのできる方法。
[目次]
第1章 誰のなかにも「プチ佳祐」がいる
第2章 ブルース・リーになる試験はない
第3章 定置網にかかった人生でいいのか?
第4章 「変わり者」が群れを動かす
第5章 非属の扉をこじ開ける方法
第6章 独創性は孤立が作る
第7章 和をもって属さず
[著者]
[山田 玲司(ヤマダ レイジ)。1966年東京都生まれ。チベットの高僧から歌舞伎町のホストまで、世界で最も多くの人に話を聞いている漫画家。小学生の頃から手塚治虫に私淑し、20歳で漫画家デビューした後、恋愛のマニュアル化を風刺した『Bバージン』(以下、小学館)で一気にブレイク。2003年、宮藤官九郎と共に『ゼブラーマン』で大人の問題に白黒つけつつ、現実世界に希望を求めて、対談漫画『絶望に効く薬』(「週刊ヤングサンデー)が大ヒットした。
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ちよっと話はそれますが、マスコミ業界の業界紙「文化通信」というのがあります。そこに生活実用書中心の出版社「大和書房(だいわしょぼう)」の創業者で会長の大和岩雄氏(おおわいわお)さんの記事がでていて、大いに感銘を受けた。
ちなみに、大和書房は大ヒット作「愛と死をみつめて」で有名な出版社。
大和岩雄さんは長野県出身で、編集者、出版事業家、古代史研究家で知られる。古事記や日本古代史の謎を解く著作物が多い。
著作物一覧⇒ http://www.daiwashobo.co.jp/author/a43387.html
感銘を受けた記事は大和岩雄さん(83歳)が同社創立50周年の記念式典で話された内容。文化通信の記事を転載します。
「長野県出身者が興した出版社としては岩波書店、みすず書房、筑摩書房のようなアカデミックなところや、小宮山(量平)さんの理論社がよく知られている。私はそうではなく一番底辺に生きながら、学歴がなくても読める本を出し、人生の糧になることを願った。私自身が中学に行けずに高等小学校から師範に行ったからでもあり、投稿雑誌の『葦』をはじめ、小沢和一君と青春出版社を作った」(大和さん)
「金儲け主義だけではいけないのが出版。当社も50年続いたが、金儲け主義ではなかった。記念出版として『民衆史の遺産』(全15巻)を出すが、これは底辺で名も残らない人間を探し出して取り上げる。60年間出版をやってきた、これが遺言と思っていただけないか」(大和さん)
どこに感銘したかというと、「底辺に生きる人の糧に・・・」の部分だ。
大和さんが大ヒットさせた「愛と死をみつめて」のインタビュー記事が朝新聞に出ていて、ある人がこのヒットについて「歩いていて、転んだら、たまたま目の前にダイヤが落ちていた」といった揶揄(やゆ)コメントに激怒、こう反論した。
「この手紙が持ち込まれたのは、偶然でないと思っている」「若い人が無名であっても、底辺に生きる人にスポットをあてて出版活動を続けてきた。それは21歳の頃から一貫して変わらない。突然降ってわいたダイヤモンドとは完全に違う」と。大和さんらしい一面が紹介されている。
朝日記事⇒2009年1月27日 http://book.asahi.com/clip/TKY200901270200.html
最近、大和さんは同社社員を前にこういったらしい。
「エロ本を出すな」
「単なる金もうけの本を作るな」
と。私はこの言葉をきいて涙が出てきてとまらない。ホンモノの人の叫びなんだろうなあと。
さて、大和さんの話と「非属の才能」の本とどう繋がっているのかというと、キーワードは「底辺」なんです。
私も冥土の土産に電子書籍で「発想の本」を書き著したいと思っていますが、そのときに誰にでもわかるように、文字通り「底辺に生きる人の糧になる」ように書きたいと
思っていたのです。
やはり一部の人しかわからないような専門的なものは多くの人の心をつかむことができない。やっぱり「底辺」なのだ。日本人の底辺の研究をしなければならない。



