放送記者に学ぶ広報2
■原稿は取材事実を書く(1/2)
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このコラムは元NHK報道主幹の内村正教さん(現、NHK放送研修センター理事、http://www.nhk-cti.jp/
)の話を取材してまとめたものです。(写真は内村氏と関係ありません)
それは放送記者の取材の心構え、ニュースの視点、原稿の書き方などは大変参考になるところが多かったです。
内村氏によると、テレビは何よりも「一報」に重点を置くといいます。それは「より早く、より正確に、よりわかりやすく、より安全に」ということです。原稿はラジオで語られるように話し言葉(~です。~ます。)が中心になります。この「です・ます調」の書き方は新聞記事と完全に違います。
「・・・かもしれない」「・・・らしい」第一報、第二報、第三報、・・・中間、最終と・・・刻々と変わる新しいニュースを送稿する。ここに真実の共通項がある。それは現場ほど、詳しいほど、情報を小さく遅く、狭く、かつ隠そうとすることだ。取材記者はこれらの逆をいつも行っているという。
そして、原稿の中で注意すべき事柄は、取材した事実に基づいて書くことが最も重要だとし、具体的展開としては、
[1]わかりやすく読みやすく
[2]視聴者に伝えたいこと
[3]視聴者が知りたいことを書く
-ことといいます。
そんな原稿を書くためには放送記者は3つのスキルが必要だという。
[1]洞察力(ニュースセンス)
[2]取材力(事実を積み重ねて真実に迫る)
[3]表現力(原稿、リポート、番組で伝える)
表現上の注意として「人権を尊重する」、とりわけ「名誉毀損やプライバシーの侵害」にならないよう配慮しなければならないとも。また、差別的な表現として、職業、障害、人種、性別、等があるので要注意。
NHKでは特定の商品名や企業名などを連想しないように、気をつけているといいます。
例:宅急便 万歩計 ウォシュレット エレクトーン サランラップ セロテープ
ファミコン ポリバケツ など。
放送記者は取材をする時、いつも考えていることがある。それは「正確で公正な報道をしているか」「基本的人権を尊重し、取材される人を傷つけていないか」「取材される人のプライバシーの保護につとめているか」などに気を配っていることです。ところで、基本的人権って何でしょう。
基本的人権とは、公権力によって人権が侵されないという「自由権」、権力に対して人間として人間らしい生活の保障を求める権利としての「社会権」、20歳になったら政治に参加できる「参政権」の3つに分けられます。憲法にそう書いてありますのでそれらのことに留意しながら取材し、原稿にしなければならないわけです。
そんな基本的人権に配慮しつつも、放送記者は「あせらず、あわてず、あきらめず」をモットーにして取材を心掛けているといいます。
■リリース送付は「速達」で(2/2)
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内村氏は「NHKへの売り込み」「プレスリリース提供の仕方」について以下のように語っています。
まず、「NHKへの売り込み」。朝のベルト番組「おはよう日本 まちかど情報室」(6:40-6:45)という報道番組があるのですが、これなどはいつも外部からの情報提供を受け付けています。トレンド情報番組だからです。
▽「おはよう日本 まちかど情報室」 http://www.nhk.or.jp/machikado/
ここで取り上げられる情報は「世の中の動きをとらえ、生活に役立つ情報」に限ります。番組制作サイドからすれば、視聴者が、今一番関心を持っていること、これから流行りそうな商品、話題。先物などは最適でしょう。
また、健康・食べ物など衣食住、女性視点のネタ、若者ならIT、携帯、ゲーム、ファッション、中高年なら、旅行、団塊の世代の関心などは番組にふさわしい情報といえます。
大事なことはユーザー側に立って話題を提供すること。苦情の中から開発のヒ ントがあったというような、そんな情報なら取り上げるでしょう。
プレスリリースも企業サイドに立つのではなくあくまで消費者、利用者サイドにたつことが重要です。それは消費者、利用者が「喜ぶか」「面白いか」「ためになるか」「自分が家族が使いたくなるか買いたくなるか」を選考基準にしてください。
報道側からみると、HP(ホームページ)などに自社に不利な情報、例えばユーザーの声や苦情処理の経緯などを正直に記載してあるような企業は好感が持てるといいます。
NHK番組にプレスリリースを提供するにはどうすればいいか。これについては「郵送」がいいそうです。それも「速達」が。速達には特に意味はありませんが、たくさん届くプレスリリースの中から担当者の「サプライズ」を呼び起こすためです。
担当プロデューサーやディレクターの個人名は番組の終わりに流れるロールスーパー(番組スタッフ名が書いてあるクレジットのこと)を見て送るのが一番いいですが、担当者が不明でも、「番組名」と「コーナー名」の2点さえ封書に書いて送れば必ずディレクターに閲覧されるといいます。
プレスリリースはA4判1枚でOK。簡潔にわかりやすく最初の数行で中身を読みたくなるような「つかみ」。最後の数行の決まり文句で読み返したくなる内容がいい。そしてリリースをみてどの辺が映像化できるか、必須項目だ。
最後に内村氏が好きな言葉としてあげた「人がやったことは自分にもできる」は忘れられない。平易な言葉だけどその意味は深い。実は内村氏と私とは郷里・鹿児島での小学校時代の同じクラスメートの同級生。
内村さん、私はあなたが30年かけ最後まで社会部記者一筋でい続けたその正義感、ジャ-ナリスト魂を目の当たりに見た。本当に素晴らしかった。
