ネーミング命名はリエゾン発想で


(c) ピクタ
|写真素材 PIXTA
(c) tad
|写真素材 PIXTA
【伝説のPR職人】のハスカです。
「リエゾン表現」という言葉があります。リエゾンとは、フランス語で「結合、結び」という意味。
いつ、どこで、誰に起こるかもしれない自然災害から、より多くの命が救われ、人々がつながり、支え合うことを目指して、語り合う場。それを「リエゾン被災人」(ひさいと)といっています。
▽NHK「リエゾン被災人」(ひさいと) http://www.nhk.or.jp/hisaito/
Liaison(リエゾン) とは「つなぐ」の意味。 人と人をつなぎたい、人と世界をつなぎたい、 モノを通して世界をつなぎたい、という願いをこめた言葉です。 手をつなぐことによって生まれる新しい形。
「リエゾン(liaison)」とは、橋渡しをする・連携する・つなげるという意味。精神看護の専門看護師をリエゾンナースといいます。
精神科看護の知識や技術を持ち、障害や疾患をもつ患者とその家族に精神的ケアを行う看護師をさしますと。他診療科の看護師などと連携し、質の高い看護ケアを提供する役割を果たすほか、看護師の相談にものり、看護師のメンタルヘルス支援も行っています。
産学連携をリエゾンとも。同志社大学リエゾンオフィス http://liaison.doshisha.ac.jp/
「リエゾンオフィス」とは企業ニーズと、大学の研究室、研究者のもつ研究テーマ、貴重な技術シーズのマッチングを行い、産学連携による共同研究、技術移転等を実現させるための支援機能をもつ組織のことです。
大学では「リエゾンオフィス」を設置し、受託研究の問合せ、申し入れを受ける、など産学連携の窓口としています。民間企業が大学との共同研究を検討する場合、まず、こういった「リエゾンオフィス」に問い合わせてみるのもいいですね。
■ネーミングは時代を表す(1/2)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「地口」「無駄口」と似ていますが、それとは違う「リエゾン表現」というのを紹介します。私はこれが大好きです。まずは事例を。
▽バカップル [バカ + カップル]
▽熱さまシート [熱さまし + シート]
▽エスティマインド [エスティマ + マインド]
▽縁結麦酒(えんむすびーる) [縁結び + ビール]
▽愛・地球博 [愛知 + 地球博]
▽イチオシネマ [イチオシ + シネマ]
「リエゾン表現」とは、上記バカップルのように、「バカ」と「カップル」という2語が続いて発音される時、1語目の最後の「カ」と2語目の最初の「カ」が同じ発音であるため「バカップル」と縮めて発音されますが、この表現をいいます。
「のどぬ~る」とか「熱さまシート」とかの「そのまんま型」のネーミングは思わず惹かれて買ってしまいますね。私はこういう「そのまんまズバッ型」が大好き。
「リエゾン表現」はいわゆる「駄洒落」とは違います。「いや、同じだ」と感ずる人はそれだけで「言葉遊び人」にはなれません。
プレスリリースに「言葉遊びなど不要」と思っている人もいるに違いありません。しかし、多くの場合、有形無形の商品を売って利益を出している企業の現実を考えたとき、この商品ネーミングを研究し、そのことをリリースに記載することはきわめて重要な事柄であると思っています。
忙しいマスコミにとって長たらしいプレスリリース文章など読みたくありません。一発で何の商品であるかを表すネーミングに出逢うならば閲覧したくなっていきます。新聞記者の場合、紙面に文字数の限りがありますので「長い文言」を嫌う風潮があります。へたすると長い社名など短縮で扱われる時も。
商品ネーミングをには、発信企業側からすれば「内容・機能を早く伝えたい」、他方、ユーザー側からすれば「面白いく覚えやすい」という特性があります。
そもそも「リエゾン表現」とはフランス語の「liaison」で、語末に綴り字だけで発音されない子音をもつ単語に、語頭に母音をもつ単語が強い結びつきで連続するとき、その語末子音と語頭母音が結合し一音節として発音される現象で、「連音」とも呼ばれる。
なにやら難しい説明ですね。連音から転じて「交流・結びつき」などの意味もあります。リエゾン表現の命名者は「日本語リエゾン普及委員会」というサイ ト管理者の森さんですが、「学術的裏づけはない」と断っています。
▽日本語リエゾン普及委員会 http://www.liaisonbox.com/index.html
また、「リエゾン表現」について、「ネーミング発想法」(日本経済新聞社)の著者、横井惠子さんによれば、「接合(joint)方式」のひとつとして位置づけ、次のように解説しています。
もとの単語があまり変更されずに残っているため、意味を連想しやすい
元の単語が商標登録されている場合に、近い響きで別の言葉を生み出せる
電子辞書などを活用することで多くの案を検討できる
出来た新語がネガティブに響かないかどうかチェックが必要
などの特徴をあげています。
■ネーミングも広報視点で(2/2)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
100%「リエゾン表現」ではないですが、商品ネーミングに会社をあげて取 り組み、ヒット商品を数多く生み出した会社があります。この会社のコンセプトからしていいですね。「あったらいいなをカタチにする」。その会社は小林製薬( http://www.kobayashi.co.jp/
)。ヒット商品名をあげてみましょう。
▽髪の毛集めてポイ(排水溝の髪の毛を集める)
▽なめらかかと(かかとのカサカサにうるおいを与える)
▽アッチQQ(軽いやけどの治療薬)
▽カユピタクール(瞬間冷却のかゆみ止め)
▽ポット洗浄中(電気ポットの中をきれいにする錠剤)
など「そのまんま」ではありますが、一度聞いたら忘れられない商品名です。
そんなネーミングにかける心意気を、小林製薬株式会社 企画広報グループ 岩田和子さんにインタビューしたサイト「ATOK.com」を発見。
▽http://www.atok.com/nihongo2/index_v03.html
ネーミングといえば、日刊工業新聞が「読者が選ぶネーミング大賞」というのを実施している。今年は18回を迎え、すでにエントリーされているので興味がある人はネット応募されてみては。第18回 読者が選ぶ「ネーミング大賞」
▽https://www.nikkan.co.jp/port/naming/07oubo.html
この中に、「リエゾン表現」が使われているのは、わずか、味の素の「やさしお」(塩分50%カットの健康塩)の一例だけになっています。こうしてみると「リエゾン表現」はまだまだ普及していませんね。
商品ネーミングと広報の関係─。
私がここで言いたいのは商品ネーミングは本来広報部門の仕事である、ということです。多くは営業会議やマーケティング会議で論議されることが多いようですが、商品の特性や売り方などには精通しているかもしれませんが、マスコミが取り上げるかという点においては広報部門が一番適職なのです。
ですので、こういった商品名を決定づける全体会議には広報担当者も出席し、最終決定権は広報部長を含む経営役員にしてもらったほうがベストだと思います。
広報は営業部門などから上がってきた情報を最後にマスコミなどの外部に公式情報としてアウトプットする機能と考えていたらそれは間違い。
「情報」の調査、アイデイア出し、企画、立案、に至るまで、外部「情報」を形作る基礎ワークにも一貫して積極的に関与すべきだと思います。こうしたネーミングを含む「情報」の入口からマスコミ提供の出口までのすべての作業を広報部門がイニシアティブをもって参画すべし。