【飲食店】「ワンデーシェフ」レストラン

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商店街の「空店舗」対策に特効薬の「ワンデーシェフ」の発想力。参考にされたい。
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京都府舞鶴市の東舞鶴の中心に位置する八島商店街はアーケードのある300メートルほどの長さの商店街。多い時で70店舗はあったが、年々減少の一途。結果、「空店舗」が目立つようになっていった。この「空店舗」対策のために一念奮起したのが「八島おかみさん会」。会員16名 。
この「空店舗」を使って誰でも一日交代でシェフになれる新しいタイプの定食店にしたら、地域の人が集まるようになり、商店街が活性化したという。名づけて、「ワンデーシェフ」。この店の人脈を通して新しい客層を呼び込み、ひいては全体の商店街の活性化につながっていった。
もともとは飲食店でなかったため、食器や道具類などすべてもらい物から営業を始めた。「ワンデーシェフ」のシステムはこうだ。プロでない料理長シェフを登録し、そのシェフが日替わりでランチを出すという運営方法。材料仕入れから調理・セッティング・片付け・店内雰囲気などすべてシェフに一任する。
シェフはランチは最低20食分を用意し、完売した時点で終了。20食以上用意する場合はその日のシェフの裁量に任せる。売り上げの70%をシェフが受け取り、残り30%を店に納金、店は維持運営費に利用。 ランチで経験をつんだシェフはディナーに挑戦することもできる。
屋号は「八島いっぷく亭」。毎月29日は肉の日にちなんで「元祖・肉じゃが定食」を提供。「肉じゃが」を発祥の地とPRしたところ、これが大ヒット。
舞鶴は海軍の街。東郷平八郎が英国留学で食べたビーフシチューの味を再現しようと海軍の料理長に命じたが、当時ワインやバターなどの調味料が手に入らなかったため、作れなかった。
料理長は工夫を凝らして醤油と砂糖とごま油で味付けして出来上がったのが「肉じゃが」だった。このレシピが舞鶴で発見されたことから、舞鶴の地域おこしとして「肉じゃが発祥の地」を歌っている。
合言葉は「だめでもともとまず行動、お金は後からついてくる」。東京の浅草おかみさん会会長の富永照子さんの話に感激したからだという。
▽八島いっぷく亭 : http://ippukutei.hp.infoseek.co.jp/
▽八島おかみさん会 : http://ippukutei.hp.infoseek.co.jp/okami/
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市民が日替わりで料理人を務める「ワンデーシェフ」方式のレストランが、地域活性化の新手法として注目されている。
腕自慢の主婦やカフェ経営をしたい大学生など、料理に興味ある市民を次々とレストラン運営に取り込み、一緒に汗を流して働く中で交流の輪が広がるという。商店街再生の効果に着目し、出店を支援する自治体も現れている。
例えば、飲食店を起業したとする。しかし、利益が出ず店を閉めたいとする。早い話が撤退、閉店だ。普通に考えると、転売にするため不動産屋に申し出て次の客がつくのを待つという手法だ。
たまたまその人が経営力がないためにうまく行かなかっただけなのかもしれない。他の経営者になったり他の飲食店だったすると成功するかもしれないのだ。厨房施設はあるわけだから、他の調理人にやってもらえばいい。
そう、毎日のように調理人を変えてメニューを変えて出せば文字通り「日替わりメニュー」になって斬新だ。その調理人に、主婦あり、学生さんあり、趣味が高じてプロ級のグルメ夫・・・誰でもいいのだ。自信のある人が調理してメニューを作り、集客し、売り上げの中から一定歩銭を支払ったらあとは全部の自分の稼ぎになるという寸法。
「八島いっぷく亭」のお金の流れ。ランチ1食800円×20食=16000円のうち、30%4800円は「八島おかみさん会」に、残り70%11200円がシェフのそれぞれ収入になる。オードブルからデザートまでボリューム満点で、ほとんど儲けは出ないが、シェフのほとんどは「自分の楽しみでやっている」という。
現在、シェフに登録しているのは25人。家庭菜園で野菜を作っている男性は料理好きで新鮮野菜を使ったランチが好評という。漁師の奥さんシェフは夫が獲ってきた新鮮な魚を刺身定食として出している。日系ブラジル人の女性シェフは彼女の作るブラジル料理やメキシコ料理を目当てに多くの友人たちが来店するという。また、「元祖・肉じゃが」のうわさを聞きつけて隣県からもやってくる。
メニューも日替わりならシェフも毎日変わるから、人の交流が活発になり、商売繁盛になっていく仕組み。増え続ける「空き店舗」を何とかしたいという思いを「ワンデーシェフ」という新しいスタイルの食空間を提供した。
シェフ登録の条件は、
プロでない
自作の献立で食材を準備
800円のランチを最低20食用意する-など。
実はこの方式、日本初ではなく、新聞記事でみた四日市市の、同じ商店街にある空き店舗利用の飲食店を参考にしたものだった。それは「コミュニティレストランこらぼ屋」(海山裕之代表)という飲食店。01年に始め、新しいビジネスモデルが関心を呼び、こらぼ屋で研修を受けて導入した。
そして、店が全国各地に生まれた。早速現地見学に行き、同店の海山裕之代表の指導を仰ぎながら導入に踏み切ったという経緯がある。
▽こらぼ屋: http://www.koraboya.com/
同店の研修を受けたワンデーシェフの店は13道府県の22店舗に増え、市や町が補助金を出したり、主導したケースが3店も。同店の登録シェフは約40人、主婦が8割を占める。今秋には全国の登録シェフが日替わりで四日市市を訪れ、各地域の郷土料理や特産品を紹介する「第1回全国フェスティバル」を開くところまで発展。登録シェフの横のネットワークづくりが狙いだ。
「八島いっぷく亭」を運営するのは「八島おかみさん会」。会長の伊庭さんは 「いっぷく亭の運営は私1人ではとうていできません」といい、おかみさん会のメンバー8人が相互に助け合っている。たとえば漬物が得意な人は自家製を持参してくるなどしてメンバーが協力し合ってその日のランチを作っている。
毎日メニューが異なることから、お客に「何度も足を運んでもらえる可能性」があり、その来店頻度が商店街の活性化につながっていく。ワンデーシェフの店を「コミュニティビジネス」という人がいる。食を通じて地域の人のつながりをつくる。硬い言葉でいうと「社会的関係性の再構築」。
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私が提唱する「ソーシャル発想」という点からいえば、
空き店舗を再生すれば商店街と地域社会の景気回復向上にも貢献
地元食材の消費促進や地元産食器の推奨など「地産地消」運動に貢献
食を通じて地域の人とのつながり、連携する「社会的関係性の再構築」
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広報とは相手との良好な関係づくりのことであります。「いい関係」を築くために「いいコミュニケーション行動」をとっていく、これが広報の原点です。そのために、一番わかりやすい表現法がマスコミや社会の評判をとる、ということであります。
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