【人】カツマーは嫌い
昔TBS「金スマ」で今をときめく経済評論家「勝間和代」さんを拝見。
はじめて知ったが、「カツマー」とか「カツマーブーム(現象)」という言葉まであるそうで、なにしろ当代きっての売れっ子だからそういう呼び方もされるのでしょう。
一方で、勝間ブームの裏側を徹底検証する本「勝間和代現象を読み解く」(日垣隆著)も登場しているんですね。彼女の論陣に反旗をあげているらしい?!
いろいろなところで勝間さんを拝見するのだが、私はどうしても生理的に好きになれなかった。その理由が自分ではわからない。理由などどうでもいい、「嫌いな人は嫌い」と勝手に思い込んでいた。優秀なのは認める。しゃべくりもはぎれもいい。
そこまではいいのだが、私が好きになれないのはすべてに明解な理屈をつけること。あたかももっともらしい理由をつけて、他人をよせつけない強引なまでの理屈で相手を黙らせる。独自の整合性で展開する論理。たぶん嫌いところはそんなところだったのではと思い込んでいた。カツマーが理屈をいわなかったら好きになれのかもしれない。嫌いな理由。それは効率化を推進するからだ。
ところが、きようの「金スマ」をみて、やっと謎が解けた。
番組では、勝間和代さんの人生成功の秘訣は「効率化」だと結論づけていた。そうだ、このキーワードで納得できた。私はもともと男女を問わず、IT系の人間が嫌いだった。すべてを問題をゼロかイチで説明しようとする、「理屈」で解決しようとしているからだ。効率化は「脱コスト」とも。時間の有効活用や費用対効果という用語もポンポン飛び出す。
この思想を推し進めるとろくなことはない。そこには「情緒」もなく「人間味」はない。
世の中には理屈や効率で片付けられないことがいっばいある。
そりゃ、勝間さんはスーパーウーマンだからできるのだろう。しかし、世の中のほとんどはそれができない人ばかりなのだ。勝間式生き方を押し付けては困る。
勝間式生き方だと、何回失敗しても起き上がろうとする人間の「チャレンジ」を否定する嫌いがありまますね。
人生は長い。少々理解に疎くても、取るに足りない失敗があっても、それを見逃す勇気、先に行って待ってあげる「心の余裕」のある人間の方が魅力的だ。
第一、世の中には自分より優れたやつなどごまんといる。少々売れたからといって有頂天になるなといいたい。それにしても「効率化」という言葉は嫌な言葉だ。
人生に「効率」「スピード」などまったく不要。
やりたいことをじっくりやればいい。不得手であってもゆっくり改善していけばいい。
そういう人生がその人にとってしあわせだと思う。人と比べない人生がいい。
悪口になってしまったけれど、勝間和代さん、ごめんね。
私のような「効率主義、反対」を唱えている人間もいるってことをわかって欲しい。企画業務にさずさわる人は全般的に「効率」を嫌うと思うよ。すべてが頭で考える手作りだからね。
私のテーマである「社会に役立つ素敵な発想」は少なくとも「効率主義」からはうまれない。むしろ逆で、大いなる無駄をしなければ秀逸した発見にはいたらない。
世界の歴史をみよ。偉大なる発見は決して偶然の産物ではない。一見くだらないとおもわれていることを馬鹿になって追い求めた集大成が歴史を変えたという事実。
常識の否定とはこういうことをいうのだと思う。
私などはむしろ「効率主義を否定せよ」論者である。常識といわれている価値観に疑問をもち、大いなる馬鹿をしなければ画期的なアイディアや発想などにはたどりつけない。
机上だけで理屈を考えるな。外に出て自然を相手に実体験をせよ、である。

