朝日新聞鹿児島総局の白井伸洋記者のすごさ
【伝説のPR職人】のハスカです。
私は鹿児島出身。鹿児島をご存知ない方にこんな話をしてもイメージがわかないでしょうけれども、鹿児島というところは市内にある老舗百貨店「山形屋」を中心に県経済が成り立っているといっても過言ではない。
新聞記者も経済ニュースのほとんどはここからの広報情報が元になっている。山形屋の広報といかに親しくなれるかがいい記事が書く決め手だ。
しかし、朝日新聞・鹿児島総局の白井伸洋記者は山形屋の広報と仲良くしなくてもすごい記事を書いている。いわゆる調査報道というやつ。
私はこの記者はいずれ社会部長はおろか編集局長に出世する逸材だとみた。25歳の若さでこの記事がかけるとは恐れ入った。
山形屋が北海道物産展=朝日新聞記事より抜粋=をやったところ、他府県の有名百貨店を尻目に9年連続売り上げナンバーワンになったということを掘り下げているのだ。
地元紙の南日本新聞記者がこれほど突っ込んで長い分析記事を書いたことがあるだろうか。
この快挙のすごさは知っていたが、さほど気に留めなかったというに違いない。そうではない。やはりニュースという獲物の嗅覚と疑問を読み解く思索の姿勢がジャ-ナリストの本質であることを教えてくれる。
なぜ鹿児島の百貨店で、北海道展が売り上げ全国ナンバーワンになるのか。白井伸洋記者によると以下の5項目を論拠にしている。
[1]遠さに魅力を感じる(鹿児島県特産品協会)
[2]北海道へのあこがれ感(鹿児島市出身のタレントはしのえみさん)
[3]北海道は開拓時代から第二のふるさと(鹿児島大の原口泉教授)
[4]商品の味付けに甘口醤油に加工(山形屋・食品仕入部長)
[5]地元好みの味付けに変える商品開発力(福岡の岩田屋バイヤー)
この白井記者、鹿児島総局に赴任し、鹿児島市民になって2年半という。いずれ鹿児島を離れるときがくるだろう。この記事はいい思い出になるに違いない。
一見なんでもなさそうな、誰でも知っている話題でも自分だけは「なぜだ」と 問い詰め、社会に拡がりそうな素粒子を膨らませる思索と技術を使って記事に仕上げる。そういう仕事が一流の新聞記者だと思いたい。白井さん頑張れ。
▽白井伸洋記者の署名入り記事詳細
http://www.asahi.com/national/update/1204/SEB200912040015.html
