ご無沙汰しております。

なかなか忙しくてブログを更新できずに申し訳ございませんでした。

皆さんは、、坪内知佳さんという方をご存知でしょうか。


山口県萩市から北西8Kのところに浮かぶ島「大島」
巻き網漁が盛んなこの島で、3つの船団58名の漁師を束ねる「萩大島船団丸を率いているのは、漁師経験は全くない一人の女性が・・・・坪内知佳さんです。



「なんしよん!!よぉーみぃやー!!」(なにやってるの、よく見てよ)と、うら若き女性が船上の男たちにはっぱをかける。萩大島船団丸の作業風景は、いまや萩漁港の日常風景だ。

 萩大島船団丸は、大島の3船団計20隻ほどが共同で6次産業化(第1次産業に第2次の加工、第3次の販売を融合させること)に取り組むもの。通常、魚は漁協の市場に出すが、萩大島船団丸は客の注文を直接受けて船から魚を直送する。萩では05年から漁獲量が激減し、現在はピーク時の半分にまで低下。本来はライバル同士の船団が手を組み、魚に付加価値をつけて売ることで苦境を乗り切ろうとチャレンジしている。

 坪内知佳さんは船団をまとめ、受注や会計など漁以外の一切を取り仕切る。団長の長岡秀洋さんが役所へ提出する事業計画書の作成を坪内さんに依頼したのがきっかけだ。

 「事業計画を提出し、承認を受けたあと、3船団の社長たちに呼び出されました。なにかと思えば、一人1万円ずつ出して『これで事業を進めてくれ』と(笑)。俺たちは漁しかできん、頼む、と」(坪内さん)

 戸惑いながらも承諾した坪内さん。その理由は、とてもシンプルだ。

 「大島が好きですから。私は他県出身で大都市や海外で暮らした経験もありますが、大島を訪れたときに初めてワクワクできる場所に巡り合えたと感じたんです。海と山の自然に恵まれた島。自然と調和して人間らしく生きる人々。この島の暮らしを未来に受け継いでいきたい。そのためには、島の基幹産業である漁が持続していくことが不可欠なんです」

 初めの1年間は漁業の仕組み、魚種やそのニーズを知るためのリサーチに費やした。月々の3万円から出張費を捻出し、大阪などで根気強く営業活動を続けた。夜中も船と連絡を取り合い、その日の出荷のプランを立てて指示を送る。昼頃に出荷を終えたあとも、営業や事務作業などに追われ、多忙を極める毎日だ。

 「初めは私が包丁を握って活〆してたんですよ。漁師たちは活〆の方法も知らないし、なにかと面倒だと文句ばかり。魚の数を適当に詰めていたときにはさすがに『ええ大人が雁首揃えて数も数えられんのか!』と爆発しましたけど(笑)」(坪内さん)

 「あのときはみんなで縮み上がりましたね(笑)。漁師は港に戻ったらもうヘトヘトだし、漁師の仕事やないというプライドがあったのも事実」

 と長岡さんは振り返る。自然と坪内さんのパワーに惹かれ、みんなの意識は徐々に前向きになっていった。

 「楽しく働ける環境づくりが私の仕事です。儲けるために暗い顔になったら本末転倒。心の豊かさがある暮らしが続くことが目的ですから」

 坪内さんは力強くそう言った。

何度かご紹介させていただいております、

秋葉原の女性がお寿司を握るお店「なでしこ寿司」の千津井由貴さんですが、


ビジネスマン向けのビジネスニュースサイト「ビジネスジャーナル」にインタビュー記事が掲載されておりましたので、ご紹介させていただきます。







厳しい男性職人の世界として知られる寿司店。そんな世界の中、女性寿司職人たちが本格江戸前寿司を提供する「なでしこ寿司」が、“オタクの聖地”東京・秋葉原にオープンしたのが2010年。出店当初は、男性寿司職人が客として冷やかしに来たり、仕入れに出向いた市場で怒鳴られるなど、さまざまな苦労があったという。そうした苦労を乗り越えた現在では、立地場所のイメージとは裏腹に、本格的な寿司や豊富な小料理をリーズナブルに、そして職人とのコミュニケーションを楽しみながら味わえると、人気を呼んでいる。
 
 そんななでしこ寿司のマネージャーで店長の千津井由貴氏に、

「なぜ男性職人の寿司の世界で、あえて女性職人のみのお店を始めたのか?」
「開店から今に至るまでのさまざまな苦労」
「なでしこ寿司、人気の秘訣とは?」
「女性ばかりの職場をうまくマネジメントしていくための、苦労と工夫」
「寿司職人という仕事の厳しさと醍醐味」

などについて聞いた。

--なでしこ寿司をオープンされたきっかけはなんですか?

千津井由貴氏(以下、千津井) なでしこ寿司を運営するプロフィティ株式会社は、半導体関連の人材派遣会社です。2008年秋に発生した世界的な金融危機の影響を受け、企業が経営悪化などを理由に派遣社員の契約を一方的に打ち切る、いわゆる「派遣切り」が大きな社会問題となりましたが、同社でも所属する派遣社員の多くが職を失いました。男性への求人はその後1年くらいで回復したものの、女性への求人はなかなか回復せず、逆に厳しさを増したといってもいいほどでした。その背景には、いずれ結婚して辞めるからとか、体力が不安、出産や育児などで続かないというような、女性に対する日本的な考え方があるからだと思います。そこで、そういう風潮を打ち破り、「女性でも頑張ればできる」ということをもっと社会にアピールすることで、女性の雇用機会を増やしたいという思いからオープンしました。

--なぜ、お寿司屋さんだったのですか?

千津井 女性が進出していない職場を見てみると、「男しか務まらない」という常識にとらわれている場合が多いのです。そういう職場にも女性が労働力として踏み込んでいかなければ、将来女性の雇用先がなくなってしまうという危機感を持っていました。そこで、典型的な“男の職場”であるお寿司屋さんの世界に参入することを決意し、10年10月1日、本格的な江戸前寿司を女性が握る日本で初めてのお寿司屋さん、なでしこ寿司を秋葉原にオープンしました。

--秋葉原を出店場所に選んだ理由はなんですか?

千津井 開店した当時、秋葉原は駅周辺の再開発が進むとともに、映画化もされたテレビドラマ『電車男』(フジテレビ系)などの影響から秋葉原発の “萌え”にマスコミなどが注目し始め、さらにアイドルグループ・AKB48がデビューしたことなどから、それまでの電気街からいわゆる“オタクの街”へと変身し、流行の情報発信基地として世界から注目され始めていました。

 そういう世界が注目する街で、女性だけのお寿司屋さんという話題を提供し、とにかく認知度を上げたいと思ったからです。そして、最初は興味本位で来ていただいたお客様でも、一度食べていただければ、普通のお寿司屋さんとまったく変わらないということを理解してもらいたいと思ったわけです。もし新宿とか渋谷にオープンしていたら、ガールズバーの寿司屋版と見られて、それほど注目されなかったと思います。

--開店当時の状況はいかがでしたか?

千津井 秋葉原という土地柄、よく“萌え寿司”と間違われましたね。それで、「どうせ間違われるなら」と、私たちもセーラー服を着て握ったこともあります。すぐにやめましたけれども(笑)。それから、「本当に握れるのか」「裏でロボットが握っているのではないか」というようなことも言われました。なかなか自分たちが本当に握っていて、本格的なお寿司を食べてもらいたいと思っているということを理解してもらえなくて、最初はとても大変でした。

 そんな状況が少し好転したのは、11年7月にサッカー日本女子代表の“なでしこジャパン”がワールドカップで優勝し、日本中がそのニュースに湧き、同じ“なでしこ”つながりということからメディアがたくさん取材に来てくれて、私どもも恩恵にあずかったわけです。その後もいろいろと改革を重ね、自分たちでは順調だと思っていますが、Webサイトでの書き込みなどを見ると、評価は厳しいですね。まだまだ、やることはたくさんありそうです。今後もいろいろと認知度向上のための試行錯誤を繰り返しながら、本格江戸前握り寿司を目指していきます。

--お客様は、どのような方が多いですか?

千津井 やはり圧倒的に男性、それもサラリーマンの方が多いですね。残念ですが、女性はまだまだ少ない。また意外ですが、秋葉原なのに不思議とオタクの方々もそれほど多くはありません。なでしこ寿司に“萌え”を求めて来るのではなくて、メイド喫茶に行く前の腹ごしらえという感じで来ていただけるオタクの方々はいますが……。また、複数で来られるよりも、おひとりで来られるお客様が多いです。

--なでしこ寿司に、お客様は何を求めているのでしょうか?

千津井 「世界中の人に、旬のおいしいお寿司とおもてなしのサービスを提供すること」、これが私たちのミッションです。会話したいというだけであれば、やはり秋葉原ではみんなメイド喫茶に行きます。お寿司を食べたいだけであれば、チェーン店の回転寿司屋さんも含めてたくさんあります。私どものお店に来てくれる人が求めているものは、目の前の女性スタッフがつくったおいしい料理を通して、楽しい会話ができるということだと思います。ですので、お寿司の格好をしていればそれでいいというわけではありません。お客様はコミュニケーションも楽しめるし、旬のものを味わいたいと思って来ていただいていると考えています。

●お客様とのコミュニケーションが大切

--ところで、千津井さんはなでしこ寿司の開店当初からの社員ですが、入店されたきっかけはなんでしょうか?

千津井 美大を卒業してから百貨店に就職したのですが、だんだん仕事がわかってくると、将来自分がたどる道はすでにある程度決まっていて、その決まった道をただ歩いていくだけなのではというように思い始め、このままでいいのかと悩んでいました。そんな時期に転職サイトでなでしこ寿司がオープニングスタッフを募集していることを知ったのです。もともと魚は好きですし、デパ地下の寿司店でアルバイトをしていた時に「女性だから」という理由で絶対握らせてもらえなかった寿司を握れるならと応募しました。

--お寿司の握り方は、どうやって覚えたのですか?

千津井 ベテランの寿司職人に教わりました。その方は男性でした。握ること自体は、たとえばダンスの振りを覚えるのと同じで、毎日繰り返せばそれほど難しいことではありません。それ以上に、カウンターを挟んでお客様とどういう会話をすればいいのか、その内容だけでなく、間合いなどまで含めて覚えるのは大変でした。お客様に楽しく食事をしていただくためには、やはりコミュニケーションが大事です。それから、些細なことですが、お客様がお寿司を口の中で味わっている時には話しかけないとか、左利きの人にはお寿司を左向きに出すとか、そういう気遣いも、とても大切なことです。なでしこ寿司では、そういう寿司職人として最低限備えていなければいけない技術について研修を受け、社内テストに合格しないとカウンターには立てません。

 しかも、お寿司屋さんの仕事は営業時間中だけではなく、朝早くに市場に仕入れに行き、買ってきた魚をさばいて仕込むことや、酢飯(シャリ)をつくることなど、たくさんあります。しかもずっと立ちっぱなしです。そういう一連の仕事を覚え、その上でお客様と会話しながら寿司を握る、このような技術をすべて覚えるには最低でも10年はかかるともいわれており、私もまだまだ勉強中です。

--魚市場には、毎日仕入れに行くのですか?

千津井 基本的に毎日行きます。今は仕入れ担当が分担してやっていますので私は行きませんが、私が担当していた時には、髪の毛に飾りをつけてピンクの服を着て行ったりすると、何かチャラチャラした感じで見られて、「邪魔だよ」とかよく怒鳴られました。女性の仕入れは珍しかったからでしょうね。でも、慣れてくれば、まったく問題ないですよ。

--寿司職人になる前となった後で、以前抱いていた寿司職人という仕事のイメージとギャップのようなものを感じましたか?

千津井 会社勤めをしていた時には、すでに決められたやり方や仕組みに従って物事を進めればいいわけですが、お寿司屋さんには「ここでは、こうやればいい」という決まったやり方や仕組みがないことですね。だから、お客様お一人お一人が楽しく食事できるように、臨機応変に対応しなければなりません。教わったことの応用が利かなければダメですね。

●男性寿司職人が、客として冷やかしに来たことも…

--今までの仕事の経験の中で、印象に残っていることは何ですか?

千津井 「女が握った寿司は食べない」という考え方を持った同業の寿司職人が、冷やかしに来ることがあります。そういう方は、腕を組んで私たちの様子を見ているわけですよ。そして、握りは食べず、頼むのはつまみだけ。そのような方が何回か“視察”に来られた後で、「マグロを握ってください」と注文してくれた時には涙が出そうになりました。

--悔いが残るような大きな失敗はありますか?

千津井 マネジャーという立場ではあったものの、まだ経験が浅かった時期に、大きな失敗を犯してしまいました。ある方に接待で使っていただいた時に、お客様を下座に通してしまいました。まだ接待の決まり事などについては何も知りませんでしたし、それにカウンターの上座・下座さえも知りませんでした。さらに、そのお客様が薬を飲む時に、常温のお水を出すべきところを、氷水を出してしまいました。その時には、お客様にめちゃくちゃ怒られ、部下たちも見ている前で土下座してお詫びしました。今でも悔しいです。

--寿司職人にとって最も必要なスキル、ノウハウは何ですか?

千津井 どの仕事も同じだと思いますが、気力とモチベーションだと思います。人は寒くなると判断力が低下するといわれていますが、寿司屋は寒いし立ちっぱなしなので、そういう中で的確な判断をするために、常に気力とモチベーションを高めておかなければなりません。そうしなければ、自分の最高のパフォーマンスを出すことはできませんから。

--寿司職人としての醍醐味は何ですか?

千津井 寿司屋では、寿司職人とお客様がカウンター越しに1対1で話をしながら食事を組み立てていくわけですね。ですので、お客様一人ひとりで握る寿司のネタや順番が違うこともあるわけですよ。こちらが順番を考えていても、お客様から旬の魚やその日のお薦めを聞かれ、それによってネタの構成を変えなければいけない時もあります。そういうお客様とのやりとりがうまくいって、そのお客様が常連になってくれた時は醍醐味を感じますね。

--スタッフに寿司店で働いた経験のある方はいるのですか?

千津井 握っていた人はいません。どちらかというと飲食業界で働いていた人が多いですね。最近は東京すしアカデミーというお寿司の専門学校を卒業した女性を採用しています。

 寿司職人の重要な仕事の7割~8割は、お客様とのコミュニケーションです。私は、女性のほうが男性よりもコミュニケーション能力という面では優れていると思っています。だから、寿司職人は女性でもできる仕事だと思っているのですが、現実には女性の寿司職人は本当に少ない。それは、これまでは寿司職人になろうと思っても機会が与えられなかっただけです。

 ある種の不文律のようなもので、特に何か決まったものがあるわけではないのに、いつの間にかそうなっていて、誰もそれに疑いを持たない。「女性は体温が高いので生ものを握るにはふさわしくない」というようなことを言う人もいますが、まったくナンセンスですね。最初は何もできなくても、やる気さえあればできるようになる、これはどの職業でも言えることだと思いますよ。

●寿司店の概念を変える

--女性が握るという点のほかに、なでしこ寿司ならではのサービスや特徴はありますか?

千津井 お客様同士のコミュニケーションも円滑にして、なでしこ寿司を基点として人と人を結びつけるのも私たちの大事な仕事の一つだと思っています。だから、人と人が結びつくようなイベントをたくさん企画しています。最近は、お客様と一緒に神田祭や天の川を見に出かけ、その後にお店で寿司セットを出すとか、お客様と寿司職人とが握り対決をするというようなイベントを開催しました。お客様の話を聞くと、結構仕事に一生懸命な独身男性のお客様が多いので、こういうイベントは喜んでもらえますね。それに、私たちとしても楽しいです。

--お寿司屋さんの概念を、まったく変えてしまうようなイベントですね。

千津井 変えすぎて、叩かれて、痛い思いをしたこともあります。それから、寿司カレー、サーモンユッケ、マグロサラミのような、なでしこ寿司ならではのメニューも開発しています。ほかにも、土日だけですが、手づくりのケーキやお菓子もメニューに載せます。自分たちでメニューをあれこれ考えるのも楽しみの一つです。

--職場のチームワークやコミュニケーションを良くするために、独自に取り組んでいることはありますか?

千津井 誕生日にケーキをプレゼントするとか、いろいろな機会にスタッフへの差し入れをするようにしています。女性は男性以上に現実的なところがありますからね。それから、適材適所の人材活用を常に意識しています。男性だけの会社は男性のリーダーの下にまとまり、個を犠牲にしても全体を考えますが、女性の職場では、個々人の売り上げの集合体として全体の売り上げがあるというように考えます。つまり、個々に成果を上げようとするわけですよ。女性だけの職場をまとめていくには、そこがすごく難しいですね。だから、それぞれの特性を生かした配置をしてまとめていかないと、バラバラになってしまいます。個々人の適性を見いだし最適配置することは、店長である私の大事な役割でもあるのです。

--最後に、千津井さんご自身の夢を聞かせてください。

千津井 回転寿司もほんの少し前まではいろいろ言われていましたけれども、今ではしっかりと市民権を得ています。寿司屋というのはお寿司のお皿が回転するものだと思っている小さい子どもも少なくありません。逆に言えば、カウンターに座って寿司職人と会話を楽しみながら食べるというお寿司屋さんを知らない若い方が増えていると思います。しかも、お寿司屋さんでの接待も昔は一般的でしたが、今の時代は減ってきていますね。

 なでしこ寿司が注目を浴びて、若い人がどんどんお寿司屋さんに来るようになり、カウンターで寿司職人と会話しながらお寿司を食べるという、そういう日本の文化を取り戻せればいいなと思います。なので、最初はあまり期待せずに気軽に来ていただいて、お店の雰囲気を味わっていただきたいと思います。そして、お寿司を味わいながら、寿司職人との会話を楽しんでください。






女性が故の男性中心の社会中で葛藤し奮闘して頑張っている千津井由貴さんを今後も応援していこうと思います。

前号でもお伝えいたしました、秋葉原なでしこ寿司の女性寿司職人千津井由貴さん




 

本日6月11日にはフジテレビ系「笑っていいとも」にご出演されるようです。


応援してる人がブレイクしてくると、AKB総選挙ではないですが、とても嬉しいです。


彼女の夢はお店の社長となり、日経ウーマンに載ることだそうです。





日経ウーマンには多種企業の女性経営者や管理職の方が毎号掲載されている雑誌です。



女性の活躍できる場がこっれからも増えてくるであろう現在よりもはるか前に創刊されておりました。



浸透されてきたということは、女性の経営者や管理職者が増えてきて、そこを目指す女性や注目する方、感心を寄せる方が増えてきたということなのでしょね。







経沢香保子さんという女性をご存じでしょうか?


経沢香保子が社長を務めるトレンダーズは、女子大学生から人気の高い企業として知られる。

 従業員数70~80人の会社で、十数人の募集枠に、女子学生を中心とした新卒者が毎年2万人以上も押し寄せるのだ。

 この数は、女子学生の10人に1人が応募しているという計算になる。なぜ、それほど人気が高いのか。

 女性からの知名度が抜群だからだ。トレンダーズは、女性に特化したマーケティング会社。購買力が高い20~34歳の「F1層」と呼ばれる若い女性を会員として組織化し、調査やプロモーション活動などで企業のマーケティングを支援している。

 経沢も「カリスマ女性経営者」として知られる。

 経沢の知名度を高めたのが、2001年10月から始めた女性起業塾だ。キャンセル待ちが出るほどの人気となり、マスコミの取材も殺到した。



女性起業塾では「社員3~4人、売上高1億円、自らの年収は2000万~3000万円のオンリーワンビジネスを目指すべき。それが仕事と家庭が両立しやすい起業スタイル」と提唱した。この明快で合理的な主張は、多くの女性から支持された。

 経沢は、大学卒業後にリクルートに就職し、営業職として活躍。その後、楽天に転職し、楽天市場に出店した店舗にネット販売のノウハウを提供する、楽天大学などの新規事業を立ち上げた。その企画力には、楽天会長兼社長の三木谷浩史も一目置いたほどだ。

 新卒で入社したリクルート時代には、新入社員で競う会社の名刺集め競争で関東ナンバーワンになったこともある。女性ではトップ級の成績だった。

転職した当時の楽天には、三木谷をはじめ、MBAの取得者が多かった。彼らの合理的な思考方法には強く影響された。「小さいときから一流のビジネスマンになるのが夢だった」。経沢はMBAの資格を取ろうと留学を夢見て、楽天を退職した。

 ところが、肝心の準備はなかなか進まない。とりあえず、コンサルタントとして独立した。

 そこで、仕事を始め、いろいろな起業家らと交流するうちに、「自らも起業してみたい」と意識するようになった。

 女性に焦点を当てたマーケティング事業を狙った理由は、コンサルタント時代に「女性はどのように考えるか」という類いの相談が多かったからだ。

 事実、若い女性が消費行動に与える影響は大きい。家庭での商品購入の決定権も主婦が握っていることが多い。化粧品をはじめ、女性対象の製品・サービスは多いが、それらの企業の経営者らは大半が男性である。「オンリーワンのビジネスが展開できる」と考えた。

 自分でためた資金を投入し、起業したのは、2000年4月。26歳のときだ。「運がよかった。当時、20代の女性社長は珍しく、マスコミの取材が増えた。会社の信用も増した」と振り返る。

 華やかに活躍するベンチャー企業の女性経営者──

 はたからは、そんなふうに見えたかもしれない。

 だが、実際は努力に努力を重ねる状況が続いた。創業時に新規事業として始めたネイリストの派遣では、チラシの束を詰め込んだ重いカバンを引きずりながら配布して回った。自分の給料をゼロにして、多くの貯金を事業につぎ込んだ時期もある。

 07年以降には、思ったほど業績が伸びず、「行き詰まりを感じた」。仲間のベンチャー企業が次々と上場を果たす中、「経営者としての資質がないのではないか」と真剣に悩んだ。また、長女を病気で亡くすという事態にも遭遇し、家庭の問題もあった。仕事への迷いも生じた。

それでも、経沢はへこたれなかった。

 10年以降、経沢は社員一人ひとりと面談し、議論しながら、経営改革に取り組んだ。


まず、専用の営業部隊を組織し、営業力を強化した。また、組織の活性化のため、女性主体というこだわりを捨て男性社員の比率を従来の1割以下から3割以上に増やした。経営陣も経沢自ら“三顧の礼”を尽くし、有名企業での経験が豊かな男性役員らを招いた。

 同時に、新規事業を立ち上げた。11年に開始した、フェイスブックなどのソーシャルメディアで企業の商品やサービスを一般女性に紹介する口コミサービス「ウーメディア」は、主力サービスにまで成長。美容クリニック専門クーポンサイト「キレナビ」も評判になった。

 12年4月には豪華ホテルの無料宿泊などの非日常体験を抽選でプレゼントするサイト「アメイズ」を、7月にはスマートフォン向けのポイントがたまるゲームアプリ「キニナルモン」を立ち上げた。

 12年3月期の売上高は前期比64.2%増、経常利益は同63.7%増と大幅に伸びた。経常利益率も23.4%だ。

 「常に経常利益率が30%以上、よい人材が集まり、社会を進化させるサービスを提供する」という会社を志す。

 数年内には、念願の上場も目指す。経沢は理想に向かって着実に歩を進めている。