詩集 百花繚乱
「楓」
秋が深まり緑薄れ
寒さが募り紅滲む
陽が注いだように萌える色
去りゆく温もりを恋しく歌う
この世から失われつつあるものを
大胆に地上に現す天才的な芸術家
一時の謳歌
木枯らしが吹けば遠慮がちに音色を引っ込めてしまう
代わりに緋色が大地に降り注ぎ乱舞する
太陽の燦々と輝く光を模すように
敷き詰められた赤い絨毯に余韻を残して彼らは去る
#3 月と太陽
「迷い」
木々で囲まれた迷宮
全てが同じ景色に見える牢獄
遮られた光が孕んだ闇の揺り籠
森の木々たちは心の襞
風に揺れるのは心のざわめき
畏怖が勇気を揺らし
不安が音を立てて吹きつける
手を伸ばして出口を探している
湿った落ち葉が柔らかく足を掴む
生温かい風がふわりと眠気を誘う
永遠に巡る子守歌
終わりは歌詞の中に含まれている
分からない
歩むほどに彷徨っていく
空を望んでも天は埋もれている
求めるほどに遠ざかっていくような気がする
影が嗤う 心の闇を夜が写し取り
木々が踊り 風が囁く
音のない闇の中で深紅の鼓動が煌々と輝いている
闇に飲まれても消えない激しさで灯る光が
心の中に真実を秘めている
「花」
川に浮かぶ木の葉のように雲が流れていく
風は消えてしまったかのように静まり
花は雲と逆に揺れ動く
荒れ果てた大地 罅割れ 渇ききっている
影が振り注ぐ 光を見失った 灰色のような黄昏の宙
心の最果て 行きついた終焉の場所
石碑には言葉が刻まれている
目を閉じて 世界の鼓動を聞く
世界は虚無でしかないのか
浮かんでは消える記憶はいつしかの風景
登場人物たちの言葉はモノローグ
一筋の光のように咲く花を
何と呼べばいいだろう
託した風は誰に届くのだろう
花言葉は胸の中に
心に差し込む陽だまりを
希望と呼んだ
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おまけトーク
会社の人数も増えてきて、会社の人が結婚したりとか、家族や家庭を持ったりするようになって、会社が存続するということが、その人たちを支えるということになっていて。もちろん一人で、という話ではないけど、うれしさ半分、何か重みのような、プレッシャーを感じるようにもなってきて、まだまだ走り続けないといけないなーと思う。「私も年齢が、、、」とか言うと全員から「いやいやw」と言われて認めてもらえない。あと40年くらは走り続けよ。ということだろうか。