殿は、昼だというのに出勤してきません。
ひきこもっています。
遊んで欲しいのに・・・。
じゃなくて、甲羅はよく乾かしたまえよ!!
と、ハラハラしているんですが、
気持ちよくサボタージュ決め込んでいます。
若は珍しく勤勉にご出勤。
時折ぼくがバタバタとたてる音や外からのゴミ収集車だとかの音に驚いて
わたわたと飛び込むんですが
すぐに気をとり直して上陸してる。
若は一度気がそがれると上陸しなくなることのほうが多いのです。
それでちょっと色々考えるところのあって
構って欲しいぼくは若をじっくりと見つめてみる。
すると「チラ」と視線をあげて下げ、視線をあげては下げしてる。
勤勉なツンデレ若に訊ねてみた。
「若はあねごのこと、ちゅきーーー?」
若は、
(え・・・・・・・、そういうことに関してはノーコメントで・・・・・・)
と、気まずそうに視線を下げた。
「そうなの?そうかよー」
とニヤニヤしていると、また若が顔をあげて今度はニマと笑った。
ヒトとは違う。
小さな生き物だもの。
ヒトの持つような感情を返して欲しい、返すべきだとも思わないし
押しつけるつもりもない。
そんなことしたらつぶれてしまう。
でも、心地よく暮らしてもらうためには
こっちの好意と安全なんだよー警戒しなくとも大丈夫なんだよー
というのを知っていてもらわなくちゃいけない。
だからそのことだけは必死で伝えている。
ごはん食って夢中になっている最中に
スキンシップ、スキンシップ、と頭をぐりぐり撫でる。
何度も何度も名前を呼んで、話しかける。
こちらの痛みだとか寂しさを押し付けて
返してほしいからじゃない。
むしろそんなもの返してくれなくていい。
押し付けようとも思わない。
そんなことしたらシカトしていてくれていい。
だけど、なのに、「えへ」 と笑ってくれるのです。
あ、殿出てきた。
殿も、ともかく甲羅を干してくれたまえ。
いや、ぼくがさみしいからじゃないよ、ホントだよ?