10月に入っても、相変わらず私は、あの出来事をひきずったまま悶々とした日々を送っていました。
とりわけオナニーに関しては、今までしたこともないようなM的な行為をするようになっていました。

それまでは、局部への挿入は指のみとしていましたが、そのころから、男性性器にみたてた異物を挿入し、
その姿を鏡に映して楽しむようになりました。たいていは全裸で、部屋の明かりを点けたまま、絶頂に達す
るまで激しく乱れるように変わっていました。

そしてついに、自分への恥辱的な行為として、下の毛を剃ってしまうにまで至ってしまいました。男性用の髭剃
りの道具を買ってきて、お風呂場で鏡を使いながら丁寧に剃り上げました。生まれたままの姿になった私のその
部分は、ツルンとしているにもかかわらず、年齢を感じさせる肉ヒダが逆に卑猥さを感じさせました。その行為は、
私に露出を楽しむ癖があるのを明らかにするものとなりました。私は自分の下半身が普通の人と違う、という意識
を常に持ち続けるようになり、通勤途中の電車の中でも、会社でデスクに向かっている時でも、常に、“私のアソコはツルツルなのよ”と頭の中に浮かびつづけ、トイレに入った時などは、そのなめらかな肌触りに酔いしれることさえありました。

そんな密かな楽しみを見つけた私に、悪魔は再び囁きかけました。映画館で痴漢されたい、こんな姿になった
私にイタズラして欲しい、又してもそんな気持ちが湧き上がり、願望が妄想にかわり、毎夜そんな事を考えながら、いつ行こうかとカレンダーを見て指折り数えるようになり、どんなシチュエーションにあっても対処できるように、頭の中で対処法を考えてみたりもしました。

そして、10月のおわりに、私は平日のお休みをもらい、二度目に行った閉館まぢかの映画館へ足を運んでいました。