Taken with GRDⅢ
「え?素人は、そんな高いカメラなんて買わないでしょ?」などと、言わずに少々お付き合いを。
本日は、「高画素数」のお話です。
フラッグシップ機って、凄い解像度の撮像素子を搭載しています。
撮像素子ってフィルムカメラでいう「フィルム部分」を担う大変重要な電子部品です。
ざっくり、こんな感じ。
外光→→(コ
“(” が、マイクロレンズ “コ” が、撮像素子(1画素)
光を受ける撮像素子はコップのような凹型をしています。
コップの底まで光を届けないといけないので先端にはレンズがついています。
光を綺麗にコップへ入れるのはかなり大変。
撮像素子の中央部は問題ありませんが、周辺部に行くにしたがって
外光 /(コ
外光 →(コ
外光 \(コ
こんな感じになります。(フィルム時代には、さほど問題にしなかった事象です。)
下のように光が進むレンズを開発したり、しないといけないのです。
外光 →(コ
外光 →(コ
外光 →(コ
これでは、レンズの開発費も膨れ上がりますね。
また、画素数が多くなってしまうと、それに比例してコップの直径が小さくなります。
すると、効率よく光を受けることが出来ません。
ピンポン玉をビアジョッキとショットグラスにそれぞれ投げ入れてみるとわかります。
(キャバクラで実体験に基づく経験ですから、間違いありません)
ピンポン玉が入らない時は、周りのコップの状況から推測して絵を創ります。
「画像エンジン」という、魔法のような電子部品です。
そのほか、メーカーは「あの手、この手」を使って、様々な矛盾を強引に打消します。
そんな努力をすれば、価格が高いのも当然です。
超高画素を真に求められるのは、ごく一部の商業写真家です。
「フォトグラファー●●氏も絶賛」など、メーカーからお金を貰ったり、
カメラを無償提供されれば、あっきー だって大絶賛しますよ。
つまり、あんな宣伝はメーカーの自作自演。
(メーカーが他社のカメラを絶賛すれば本物かもしれません。それもウサン臭い話しですが…)
なので、コップの大きな機種をオススメします。
しっかりと光を受けてくれるので、無理やり高画素にしたカメラより
描写性能(階調性など)が高いことが多いですね。
コップの大きな5万円のカメラ『A』と60万円の高級カメラ『B』があったとして、
はたして『B』は『A』の、12倍スゴイ写真が撮れるのか?
55万円の差を埋める描写性能差なんて、絶対にありえません。
『A』のカメラで真剣に写真と向き合えば、
その経験とノウハウは、55万円では買えない価値をもって輝き出します。
- あとがき -
本日の写真に写るカメラは1968年9月発売の『Asahi Pentax SL』です。
内蔵露出計なんて便利なものはありませんし、シャッターも機械式なので「電池」を必要としません。
(今でもバリバリの現役っすよ。だって壊れる要素・部品が無いんだもん。)
こんな面倒なカメラこそ、
フォトグラファーを育てるカメラです。