約束の金曜日3 ~U美~
サっ
公園へ向かう途中のオレの左手とU美の右手がわずかに触れてすれ違う。
明らかに距離が縮まっている。
公園にはいると、金曜の夜なのに、何故か人気が少ない。
そんな中、一緒に歩きながら・・・
高まる緊張。
早まる鼓動。
手を繋げ!
手を繋げ!!
手を繋げ!!!
どこからかそんな声が聞こえる気がした。
というよりむしろ、自分自身を鼓舞するように言い聞かせていたのだろうか。
徐々に会話が少なくなる2人。
そして、
2度目の手と手が触れた瞬間、
ギュっ
オレは勢いでもって、U美の右手を掴んだ!!
手を繋いだという訳ではなく軽く掴んだ感じ。
「あぁ」
U美から声が漏れる。
そして、
オレとU美の目が合った、次の瞬間である。
今度はU美から俺の手を握り返し、そして指と指を組むように手を繋いできたのだ!!!!
( キ、キターーーー!!!! )
さらに高鳴る鼓動。
汗ばむ手のひら。
確かに感じる、少し冷たいU美の手のひらと指の感覚。
そしてオレ達はまるで恋人同士のように歩き続ける。
「なんかこっちには結構人いるんだね」
手を繋ぐ前と変わりのない声で話しかけるオレ。
緊張を悟られないようにするように。
オレの頭の中はもうひとつのことで一杯であった。
「あれ?こっちのほうに噴水なかったっけ?」
そのままゆっくりと歩き続け、
人気のない木陰で、オレは立ち止まる。
まだ手は繋いだまま・・・
そして、
ゆっくりとオレは一歩足を踏み出し、すこしスピードを速めて体を反転させ、U美の斜め正面に立つように体を移動させる。
(ココだ!)
オレが両手をU美の肩にかけようとしたその瞬間!!!
な、
なんと、
U美は自分の肩を少し後ろに引いたのだ!!!
後ずさりしてはいなかったはずだが、オレはしたようにも感じた!!
明らかにU美の体はオレの方に近寄ったのではなく、離れたのだ。
オレは激しく動転し、すかさずもとの立ち位置に戻り、慌てて歩き出そうとした。
まるで何もなかったかのように・・・
(??)
(何かオレミスったか?)
(もう一歩押すべきだったのか?)
(いきなりすぎて驚かしたのか?)
もう何がなんだかわからなくなり、とりあえずまた歩き出す2人。
懸命に冷静さを取り戻そうとするオレ。
(もうこれは引けない!!)
一度引いてしまったのにも関わらず、オレはここで決めなきゃ行けないと思い、そして、目の前の空いているベンチの前でもう一度立ち止まり、オレはカバンを静かに置いてベンチに腰をかけ、U美を静かに誘導する。
「うん」
一息つき、オレはゆっくりと口を開いた。
まるでくるった歯車に背中を押されているような、そんな感じさえあった。