~はじまり1~ | 男の本音 ~自分を見つめ直すために~ 

~はじまり1~

6月の土曜日。
夏直前かと思うぐらいのお天気で、半袖シャツ1枚でもちょっと歩くと汗がにじむ、そんな日であった。


都内某駅にて待ち合わせ、そして向かった先は、、
が見え

が近く

芝生があり

観覧車も見える

そんなところであった。


この日のT子の初めて見る私服姿は、なぜが毎日会っていた雰囲気と違う何かを醸し出していた。
昼メシを軽くすませたあと、芝生をお散歩。

この日のオレは今までになく積極的であった。
自分から手を繋ぎ、二の腕と肩の距離がないぐらいにくっついて歩いていたのだから、研修の後に会っていたときとは明らかに自分からT子にくっついていっていたのだ。

芝生の陰でチチクリあっているカップルなんて全く気にならない。

足下に飛んできたフリスピーにも笑顔を振りまいていた程だ。


そして、芝生の落ち着けるスポットを見つけ、2人で座り、彼女の肩を抱いたり頭を撫でたり、顔も今にもキスしそうな距離まで近づけて笑いあったりもしていた。
T子もテンションは高く、いつものようなギャグの口調も心なしか甘い。

寝っ転がったり、腕と腕を絡ませたり、ベタベタ・・・そんなことを1時間近くしていただろうか・・・

オレはそろそろだな、と覚悟を決める。


そして、

喉を整え、

今までとは一転したマジなトーンでT子に話を始めた。



『なぁT子ちゃん。
 
 オレたち、こうやって今ホントに楽しくいるけど、

 オレはさ、

 実は・・・

 まだ言ってないことがあるんだ。』


T子の顔が一瞬こわばり、
そして目と目があった。

オレは続ける。



『今更って思われるかもしれないけど、

 でもこれだけはちゃんと言っておきたくて。。』




見つめ合っているふたり。オレは瞬きをし、そしてもう一度T子の瞳を見つめなおす。



『オレと付き合ってくれ』




ほんの一瞬だけ間があき、そしてT子は笑顔で頷いた。



『これからも本当の恋人としてヨロシクね』

『はい。こちらこそ。』



そんなやりとりだっただろか。

オレはもちろん自信はあった。当たり前か。誰が見ても俺たちは、もう今までもう付き合っている恋人同士のようだったからだ。

ただ、
研修中は勉強に集中していたかった。
というよりも、オレはなんらかの節目が欲しかっただけなのかもしれない。
自分勝手で自己満足だってことは十分に理解していた。
それでも、あの公園で俺の言ったことをT子が理解してくれただろうことが、オレは本当に嬉しかったのだ。

だから、はっきりと告白しておきたかった。

そのタイミングは研修が終わり、配属はまだしていない、そんなこの時しかないと考えていた。



これからあとの記憶はあまりない。
「好き」と何回言いあっただろうか?
何度キスしただろうか?
数え切れないぐらい抱きしめていたに違いない。

時が経つのはあっという間・・・



気づいたらもうあたりは暗くなり始めていた。