先日朝早く起きて映画「影の車」を見ました。早朝ムービー。健全な社会生活。
野村芳太郎監督だそうで。なんてったってこの監督は「鬼畜」の監督でもあります。

今回も岩下志麻に小川真由美と鬼畜メンバーが出ていました。でもね、作品も役柄もまったく違うので二人とも別人のようでした。
岩下志麻は夫に先立たれた未亡人で保険外交員をしながら小学一年生のけんちゃんを育てています。このけんちゃん役の子どもがかわいくない。知人にそっくりでちょっと驚いた。表情にはつらつとした感じとかそういうのが全然ない子ども。あれが演技なら天才だぞ。
岩下志麻は基本給1万5千円で働いているから保険の営業活動に精を出してる。それに対し主役の男の妻を演じるのは小川真由美。自宅でお教室を開いて悠々と稼いでいる。子どももいないし夫婦で稼いでいるから裕福なライフスタイル。
小川真由美の夫役は加藤剛。前歯が気になって仕方なかったよ。大岡越前の時も前歯ばかり目が行ったもんな。うちのばあちゃんが男前だと毎度言っておったけど、さっぱり分からんかった。この作品で30代半ばの岩下志麻との不倫におぼれる中年男を演じてるんだけど、どこが男前なのかさっぱり分からんかった。それにしても昔の30代半ばってジジイだね。今とはえらい違い。
今ウィキペディアで加藤剛を調べてみたら松本人志が「世界三大美男子は、アラン・ドロン、加藤剛、ジョン・ローン」と発言していると記載があるな。出典求む。気になる人はここをクリックすると当該の記事が読めます。

映画の中に出てくる景色が60年代から70年代を見事に表していて(昭和44年と映像の中にあった)当時の資料にもなりそうな感じなんです。横浜の当時ははずれだった地域にうっそうとした森があり、「東急不動産」の土地の売り出しの看板があり、高度成長期の住宅ブームを感じさせる背景なんですね。時代と町並みが分かるのはこの作品のいいところだと思います。舞台になったところは青葉台。今じゃ青葉台ははずれではないですもんね。横浜のはずれといったら今ではどのあたりなんだろう。戸塚区の人が不便だからと電車ではなく自動車通学してたな。戸塚区ってはずれ?藤沢市ははずれだよね。あ、藤沢は横浜じゃないか。

言葉遣いも古めで、夫が死んだとは言うけど今みたいに亡くなったとは言わないの。亡くなるという言い方は身内には使ってはいけないと子どもの頃習ったとおりの言葉遣いでした。今身内が死んだといったら言葉遣いが悪いと言われそうですよね。だから私は他界したと言ってます。逃げ道逃げ道。
月末はげつまつと読むけど、この作品ではつきづえと言っている。古い!会計処理が間に合わないと志麻さんは自宅でそろばんをはじく。そろばんとはまた時代を映してますね。
志麻さんの泣きぼくろが悲しげで、あんな顔だったっけ?と一瞬志麻さんが可憐に見えたよ。極道の妻なのに。ほくろはこのときつけぼくろだったのか?まあ、いいや。

志麻さんと剛は同じ村の幼馴染で偶然再会して不倫の恋に落ちるんだけど、志麻さんが「ちょっとお寄りになりません?」って誘うのよ。最初は何もなかったんだけど、そのうち偽りの団欒を演じるようになって、鍵っ子の息子けんちゃんは志麻さんのいないところで悪意と敵意を剛に見せるんです。無表情だから怖いっての、けんちゃん。
ちなみに志麻さんの勤務先は東京生命、剛は日本旅行。東京生命はもう破綻したけど、日本旅行は健在。大手が映画の製作に協力したのね。日本旅行勤務の剛がけんちゃん殺害未遂で逮捕されるのに、そんな男の勤務先としてよく場を提供したもんだ。えらいぞ、日本旅行。

小川真由美も岩下志麻も脚がまっすぐでおキレイ。ものすごいO脚の芸能人を見るとはっと驚くもんな。着こなしが悪くて。小川真由美とか岩下志麻とかこういう体型の人は何を着ても似合うのよ、けっ。家族一号が若い頃ボーリングに行ったら隣のレーンで志麻さんがボーリングしてたって言ってたな。脚なんか腕くらいの太さだったって。そんなに細いんか。信じられん。

肝心の映画の話。
お母さんが仕事で遅くなることも多いから、加藤剛が夜けんちゃんの宿題を見てあげたりお世話をするようになるんだけど(コイツは定時上がりができるんだよね。妻はそのことをよく分かっていない)、けんちゃんが結構色々妨害工作をするのよ。猫いらずのまんじゅうを本物のまんじゅうの皿に乗せて加藤剛に食わせてみたり、悪意を持ってブランコ作りをしようとしたり。あくまでも加藤剛の目線での悪意なんだけど、しまいにゃ明け方トイレに起きた加藤剛を出刃包丁で殺そうとしたりする。自己防衛のためにけんちゃんを加藤剛が首を絞めて殺しかけるんだけど、志麻さんが駆け込んだ医者のチクりで加藤剛は御用となる。

6歳の子どもに殺意はあるかどうかが捜査の焦点になるんだけど、あると加藤剛は言い切る。無いとお回りは言い切る。で、なぜ加藤剛はあると言い切ったのかといえばけんちゃんと同じ年頃の頃未亡人だった母親のイロを殺してるわけさ、事故に見せかけて。自分がそうだからけんちゃんも同じだと言う論法。
映画を見るこちらの立場としては、やっぱりけんちゃんに殺意はあったと思う。お母さんを盗られちゃったんだもん。

原作は松本清張だし、DVDも発売されてるから興味がある人は私の殺意はあるという意見を踏まえても踏まえなくても見てみてくださいな。
100分くらいの短い作品ですから、休日の昼下がりにぴったりです。



予告編だけじゃ足りない人はぜひ見てみてください。この頃の日本映画はいいですよ。
影の車 [DVD]/岩下志麻,加藤剛,小川真由美

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似てない似顔絵。可憐なのに愛欲生活を送る子連れの保険外交員です。
$机の前のおけいはん-保険外交員志麻

「疑惑」も録画しておいてあるんだな。見ようかな。