水難車両からの脱出 | discovery my voices.

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ちょっとまた、ニュースでみた痛ましい事故の中でどうしても放っておけない件があったので、書きます。私は専門家ではありませんが関連した知り得るかぎりのことを記載します。
 
不本意ながら、おそらく長くなってしまいます。
ならびに時間とスペ-スの都合上、簡易な文体とし、読みづらい点ご容赦願います。
 
 
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数日前、栃木県での豪雨による道路冠水で乗用車が水没、40代の女性が亡くなった。経緯は報道に詳しいので省くが、先ず 被害に遭われて亡くなられた方のご冥福を祈りたい。
 
ご遺族の証言から、自身による通報後 最期にご家族と電話で会話するまでの様子から、本人は ほぼ終始パニック状態にあったと想像される。
 
当然といえば当然で止むを得ないことだが、非礼を承知で ご本人にも多少の知識と少しの行動力があれば、救助を待つ間に出来た事はいくつもあったはずで、その点が悔やまれる。もっとも今回に関して言えば、その救助はついに来ることなく惨事に至ってしまった。
 
通報の判断を誤った組織に非があり批判が向くのは当然で、今後の改善は絶対として、ここではそうした事故の直接要因以外で気になった、または思い当たった点について触れたい。 
 
 
結論から言うと、不謹慎かもしれないが大前提として自身の身の安全はどんな災害時にあっても第一歩は自分で確保しなければならない。
 
 
110・119いずれの通報にせよ、自分一人の事故でなく今回のように同時多発の二時災害やまたは広域地震災害などの場合、自分のところに救助に到着するのがどれくらいかかるのか全くシュミレーション出来ないと考えたほうがよい。これは例えば警察消防に近いか遠いか、市街地から近いか遠いかという距離の問題ではない。乱暴にいえば、タイミング、「運」でしかない。
 
 
ではその間のセルフレスキュ-をどうするか。今回の乗用車冠水のケースで追っていく。
 
 
 
ここで思い当たる。地震や火事については比較的 老若男女に初動の対処が周知されているが、車に乗っていて水没しそうな事態の対応をどれだけの人間が知っているか、に。
 
 
たぶん、どこでも教えてくれなかったし、普通、まず有り得ない状況だろうから、危機管理意識の区分に入ってこないだろう。
 
免許取得時の教習で仮にあったとしても、教本をさらっと読むくらいのもので、自分を含め 覚えていて尚且つ必要なときにどれくらいのひとが実行できるかは疑問だ。
 
 
まず、無理を承知で言うが、落ち着いて欲しい。自分はいつも人に危険な仕事や危険をともなうアクティビティを解説したり教える際に、トラブル・シューティングの第一声と言ってよいほど、この点を強調している。
 
「落ち着け、お前がパニックになっても事態は好転しない」
 
これは広義には人生全般にも言えることで、実際、古今東西 慌てて興奮したり茫然自失となった人間がなにかを打開したり九死に一生をえた武勇伝などは中々聞いたことがない。
 
 
具体的には、まず自分の置かれた状況、事態の把握に努める。とともに、呼吸、「息を吐く」ことを意識して行って欲しい。人間、だいたい動転しているときは過呼吸ぎみになり息が詰まったようになる。吸うことは考えなくていい。吐くことが出来れば自然に吸うものだ。一刻を争う事態に脳が酸欠になっては困る。
 
この「意識的に息を吐く」ことができれば、「自分はまだ落ち着いている」と信じて行動しよう。ひとつのマインドセットのようなものだ。
 
 
大丈夫、落ち着いていればここまでで 冠水によるエンジン停止からまだ5秒程度。たいていの車は、マフラーとエアフィルターから浸水したらエンジンが止まる。ヒトと同じ吸気と排気だから、解りやすいと思う。
 
覚えておいて欲しいのは、状況や車両によるが、今回のような路上の場合、完全に水没するまでには数分の猶予がある。が、車にかぎらず住居浸水でもそうだが、たった数十センチの冠水で、扉の類いは成人男性でもびくともしなくなってしまう。
 
順番にいく。まずドアを一度試して開かなかったら、窓。時間を無駄にしない。手動式なら問題ないはずだ。水流の抵抗はあるが落ち着いて全開にしよう。中途半端にあけて脱出時に引っ掛かっては面倒だ。しかし今は電動が殆どだから、あなたの愛車やたまたま乗り合わせた車が電動窓でしかも密閉されていた場合、冠水停止時点で開かなくなっているはずだ。
 
 
絶対にパニックにならないで欲しい。あなたの人生はここからの数分にかかってくる。徐々に下から、またはすでに少し車両は傾きながら浸水しているかもしれないが、
 
「全水没」まで待つ。
 
次のチャンスはそこしかない。余裕があれば、着衣泳に自信がないひとは重くなりそうな衣類は脱ぐなりする。浮きになりそうなもの、例えば空っぽの2Lペットボトルなどは着衣でも胸に抱えれば浮くことが確認されているようなので、飲料用として積んでいたら、時間に猶予があれば中を出せばいい。すでに腹まで来た水が2L増えたところでたいしたことはない。
 
 
来た。全水没と書いたが 正確にはドア全体が水に浸かるくらいでよいはずだ。息を目一杯吸って、ドアノブをゆっくり、しかし力強く開ける。
苦もなく開くはずだ。内外の水圧が等分になれば、いわば地上の大気圧と意味合いは同等である。 素早く身体全体を車両から出し、ドアを解放した車が予想外の動きをする前に、安全な水上に出る。車が流されていないようであれば、一旦屋根に上がるくらいは出来るかも知れないが、車両が水没するような状況では長居は出来ないと考えたほうがよい。
 
 
 
別の待避パターン。少々荒っぽいが、河川や海、湖などに万一落下ないし水没の場合、こちらでなければ間に合わない。それでも確率はかなり低くなる。
 
どちらの場合も、実は下記の工具は常備しておいて欲しい。各種あって正式名称は知らないが、「シートベルトカッター」(文字通りベルトを裁断するもの)と「ウインド・ブレーカー」(特殊化が進むフロントガラスを含むクルマのガラスを割る道具)の機能がついたもので、ナイフ型に抵抗のある方はハサミタイプのものもある。購入時の留意点は、ほとんど心配ないが、どちらのタイプも先端が丸まっていて、対象者をキズつけないレスキュー仕様のものであれば、緊急時のミスも防げる。
保険も大事だが、本当に自身が死んでしまってはどうしようもない。この工具を車内のすぐ取れる位置に常備し、家族や同乗頻度の高い方とともに使用法を確認しておきたい。
 
 
シートベルトをしろ、とはよく怒られるが、事故などのトラブルでベルトが開かない、そして当事者が意識を失っていた場合、第三者が解放しづらいことは意外に知られていないようだ。あなたが運転者で、ドアが開かず、後部座席の動けない同乗者を解放するときも同様である。 
 
ガラスも、通常考え得る人力ではまず割れない。なにか金属で力いっぱい叩いても、ヒビがせいぜいだろう。
 
 
さて、この工具でガラスを割って脱出を試みる場合、順序が異なる。車内が「水没する前」に、脱出しやすい広い面のフロントガラスを頑張って割る。理由は水中では振り回す力が入りづらいからで、非力な女性は時間が勝負となる。が、ここでも「慌てずに」急いで欲しい。専用工具は一発叩けば一点にヒビが入るように出来ているから、あとはその周囲からガシャガシャと崩して行けばよい。脱出時のケガは極力避けたいから、時間と呼吸の許す限り、広く開けたほうがよいが、そこは時間とイノチの量りになってくるだろう。
もし、間に合わず水没してしまっても、慌てない。そう、ドアはもう簡単に開くはずだ。
 
 
 
 
 
以上、雑で至らない点もあろうが挙げた。解っていただければ幸いだが、私自身に限っていえば、上記に無い通り、「どこかに電話する」のはイチバン最後で、尚且つ片手を電話に取られても自身の身の安全が確保出来ている時点で、である。 まず脱出し、生きて帰ることに全神経を注ぐだろう。
 
 
 
余談になるが、運転免許の交付にあたり、ペーパーのくだらない、語句の言い回しによる引っかけ試験問題なんかをやらせるより、もう少し自身と社会に役立つ項目があるはずだ。最低限、今回のようなケースへの対処や、救命講習の強化。免許取得と同時に上級救命講習履修(現在ではAEDの扱いくらいはやっていると思うが)の資格くらいは与えられるように出来ればいい。すでに持っている方はその時間の受講義務はなく、免除されるものとし、復習したい向きの重複は可とすればよい。いかがだろうか。
 
 
 
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冒頭のような 防ぐことが可能な範囲での痛ましい事故は、少しでも減ってもらいたいという気持ちから、稚拙ながら急遽思い出せる限りの範囲で記載しました。
 
 
目にした縁あるかたはご一考の上、周囲知人の方々との話題にでも挙がりましたら幸いです。また拙速な作業ゆえ、間違いがあればご指摘ください。

:prest0 記