中国は街全体が「ドッグイヤー」だった | President-ist

中国は街全体が「ドッグイヤー」だった

さきほど、成田から帰ってきました。最終日、北京は雪でした。フライトは2時間のディレイ。予定より2時間遅い帰国です。7時間後から通常業務ってのは、ちょっと体力的にキツイですが、頑張るしかありませんね…。

さて、先日は中国の人材に関する話でしたが、今日はもう少し全体的な視点で中国について感じたことを書いてみたいと思います。

ネット業界では、よく「ドッグイヤー」という言葉を使います。これは、ネットのデバイスやサービス等の進化のスピードが驚くほど早いことをあらわす表現です。人間と比較して、犬の成長速度が10倍弱(犬は約2年で人間でいうところの成人を迎えます)であることに引っ掛けているんですね。日本では、ほとんどの産業が成熟している中、すさまじい成長速度を誇る「ドッグイヤー」のネット業界に大きな期待が寄せられています。

日本のネット業界をドッグイヤーと表現するなら、中国は街全体がドッグイヤーと言うにふさわしいでしょう。日本では、北京は上海と比較すると「政治の街」「文化の街」というイメージが強く、あまりビジネスが発展している印象は受けないと思います。しかし、これはとんでもない間違いです。

僕が始めて中国を訪れたのは2005年の夏。当時所属していた「OVAL」という学生団体のイベントを開催するために北京を訪れたのでした。当時はほとんど高層ビルは建っておらず、地下鉄の路線も3つしかなかったと記憶しています。

それから4年半が経ち、北京の街はもはやまったく別の街に進化していました。立ち並ぶ高層ビル。地下鉄も市内に張り巡らされています。文章を書き綴ってもあまりイメージが湧かないと思いますので、写真を紹介します。

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このビルは北京で最も高い「北京国際貿易センター」。高さは330mで、東京タワーとほぼ同じ高さ!

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うーん、ふもとから見ると巨大です。

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ファッションも急速に日本に近づいています。2階はZARA。

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この地区は、主にSOHOを営む個人事業主のために開発されたエリアです。SOHOという言葉が浸透していることひとつとっても、経済が成熟していることが分かります。ちなみに、不動産屋に聞いたところ、このあたりの平均坪単価は5万円を超えているようです。東京の都心の新築マンションより高い…。

また、天津にも行ってきました。

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北京南駅から新幹線に乗車し、30分。時速350キロくらい出ます。何でかよくわからないけど、中国の駅は暗い。省エネ?

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上海、シンセンに続く第3の経済都市として、急ピッチで開発が進んでいます。天津は中国政府に「特別市」に指定されています。後ろのビルはさっきの北京のビルより高いです。来年の5月に開業予定。

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街の雰囲気はシンガポールや横浜に近い。中国随一の港町です。

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あと10年でこんな街になるらしい…。ここ以外にも、港の近くなど、複数の副都心が建設されます。

日本の企業も頑張っています。ユニクロやセブンイレブンが中国進出を積極的に実施しているのはご存知かもしれませんが、日本でそれほど有名ではない企業も成功をつかんでいます。

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たとえば、写真の「味千ラーメン」。味千ラーメンさんには失礼ながら、この名前を聞いたこともない方も多いでしょう。熊本ラーメンのお店なのですが、北京でも上海でも、いたるところで見つけることができます。日本ではこれほどまでのチェーン展開が可能だったでしょうか?ちなみに上の階は吉野家。


中国に行ったことがある方にとっては、もはや常識だと思いますが…。もうこんなことは全部知ってるよ!と思った方はすいません。


会社が伸び悩んでいると感じる経営者は、すぐ隣にすさまじい成長市場が存在していることに目を向けたほうがいいでしょう。北京は、インフラは整ってきているものの、各サービスのクオリティは日本と比べて非常に低いです。早晩、モノから質の時代に転換することは分かりきっています。そのときに必要とされるのが、日本の世界一とも言われる「おもてなしの心」だと思います。

高い質のサービスであれば、経営者が日本人であろうと中国人であろうと関係ありません。いいサービスは中国の市民に熱烈に歓迎されます。僕らも中国・日本で人材サービスを充実させ、中国進出を志す皆様を全面的にサポートできる体制を早く作り上げたいと思っています。

※追記
このエントリーは北京の空港のロビーで書いたのですが、飛行機でもらった日経の1面に味千ラーメンの記事が出ていて、ビックリしました。なんというシンクロニシティ(笑)。

しかし、それより驚いたのが、サークル・大学の先輩方が経営されていらっしゃるバイオベンチャー「ユーグレナ」が日経の1面に出ていたこと。ミドリムシを養殖し、それを元にバイオ燃料を精製する事業を、新日本石油と組んで本格展開するということです(全然話題が変わってしまいましたね笑)。

バイオ燃料の課題は広大な畑で植物を育てなければならないことで、それを発端とする穀物価格の値上がりまで起きていていました。何か本末転倒な印象をもっていました。が、これならそのようなこともありませんし、大丈夫ですね。まさに時代を創る素晴らしいビジネスです。

ちなみに、社長の出雲さんは、内閣に設置された知的財産戦略本部の知的財産による競争力強化・国際標準化専門調査会委員にも選出されています。大活躍ですね。

我々も時代を創るようなビジネスをしなくては。刺激になりました。