それから川西君と会って、飲んで、
セックスもした。
細い体ではあるが唇が柔らかく、
優しいキスと所作は悪くなかった。

でも、話が面白くない。
何かとっかかりがあれば引き出すのは得意なのだが、
飲む以外の趣味がない。
小学生の息子をとても可愛がっていて、その辺の話で
盛り上がらせたが、子供の話題には色気がない。
あとは仕事の話をするしかない。
配達をしているらしく、まじめに仕事している
イメージは持てたが、なかなか掘り下げられない。

そのあと何度か次の逢瀬の約束を取ろうとしたが、
お互い予定が合わず、なんとなく連絡を取らなくなった。

3か月くらいたったとき、トモコ経由から
「会いたがってるよー」との連絡が来た。
トモコには正直にメッセージして、もう自然消滅を
狙ってることを伝えたのだが。

トモコとの飲み会をすることになった。
今度こそゆっくり飲もうと思っていたが、
「古坂が気になるのよね。連絡してみてもいい?
ついでに、川西君にも声かけてみるわ」
なんだか面倒くさいことになりそうな気はしたが、
トモコが気になるというなら、いいんじゃない?と
オーケーした。
男たちからもあっさりオーケーが来た。
川西君は一次会で終わって、別の飲み会に行くらしい。
それならサクッと終わるか。
そのあと、トモコと反省会だな。
古坂と彼女が消えるなら、それはそれでいい。
私は久しぶりに行きつけのバーに行こうっと。
ジンばかり飲んでいるので、モスコミュールでも
つくってもらおうかな、そこまで考えていたのだが。
うまい酒にありつくまでには、至らなかった。