わがままな人間は後回しにして、

野菜はまずは野菜好きな虫たちのために栽培する。


いくら自然栽培とは言っても、野菜を植える際には、

彼らの住処を破壊していることには変わりは無いのですから、

彼らにも生活保障を受ける権利(野菜を食べる権利)はあるはず。


そして、虫を生かしておくことは虫を餌にしている野鳥の食事も

まかなうことになる。


虫食いだらけの野菜や規格外のものは、ブタやヤギの餌にする。


そして、最後に残った比較的出来の良い作物を人間用に

販売する。


このように、作物を栽培する際には、

人間以外の生き物とも分かち合う気持ちが必要だと感じています。


ところで、家畜を飼うと言いましたが、ここでの飼い方は、

一般的な畜舎で飼う方法ではありません。


なんと!

放牧するのだそうです。

名づけて、「自然放牧養豚」。(飼うのは豚とは限らないようですが)


例えばブタの場合、10アールにつき母ブタ1匹と子豚10~15匹しか飼わないので、

広々としたスペースでストレス無く生活させます。


餌は全て自分の畑で採れた自然栽培の作物です。


人間のベジタリアンでも、ここまで贅沢な食材を手に入れられる人はそう多くはいませんよね!


大空と太陽の下、広々とした大地の上でストレス無く育った健康なブタやヤギ。

もちろん、ホルモン剤や栄養剤や抗生物質等、不自然なものは一切摂取させません。


そんな家畜から採れた肉は、おそらく世界で最も安全な食肉になるのではないでしょうか?


そして、このように育てられた家畜の肉は商品価値も高く、農家にとって安定収入源になることでしょう。


食肉用に家畜を飼うことに反対する人がいることは承知しています。

しかし、そんな人には、もう一度、宮古島では野菜専業では生計を立てることは厳しいということを

思い出してもらいたいのです。

そして、それでも尚反対だと言うのなら、代替案を示していただきたいものです。


個人的な対処方法ではありますが、やどかりは、

「ここで飼われる家畜は、生まれてから殺されるまでの間は

野生に近い状態でのびのびと生活しているのだから、

それを人間が殺して食べるのは食物連鎖の一環なのだ」

と考えることによって自己説得しています。


このように、宮古島の農家を自立させる切り札となる可能性を秘めた「自然放牧養豚」

ですが、まだまだ様々な工夫が凝らされています。


(つづく)