トンネルを抜けなくても、ここは雪国みたいですねぇ。おっと、瀬戸内海にほど近い小さな町に住んでますから、もちろんこれは、フィクションなのですけれど。いつものように…。ともあれ。それにしても、冬の空気には、独特のはだざわりのような、ものがあるのは確かですねぇ。乾いていても、しめっていても、それぞれに、肌に静謐さと静かなときと向き合うときの、透明感、哀切感のようなものが…。冬は朝。というあの一節はほんに、その通りかもしれません。やっぱり、寒い地方は、寒い時にこそ訪れて、澄んだ美しい景色に会えるものなのかもしれません。みちのくをひとりで〜。気の向くままに…。そんなことを思い浮かべて、夢想するのが、これほど大きな冬もないかもしれません。ひとつには、いつもの封書が戻ってきてしたったこと。そのせいも大きいのかもしれませんねぇ。
その封書には、今度こそ、如月の初めごろまでに、作品らしきものをひとつ書き上げます〜そう書いたのでした。書いた勢いで、いつものように帰り道の新ーで始まる消印となるそのポストに投函したのでした〜。手紙は、書簡は、書こうと思ったその時に書くのがいい〜、そんなことを教わったので、その通りにしています〜そんな書き出しで書いていたように思います。とにかく、どこまでいっても待ちの姿勢、この性分だけは、いかんともできそうもなく…、そんなふうに、いちじの思い立ちの勢いで、誰かにこうして、いえ特別な誰かにそうして自分で言わない限り〜、たぶん時間のあるかぎり、人生の時間ですよ〜、のらりくらぞうになってしまいそうなわたしなのです〜のもですから。しかし、白状すれば、それを投函した翌朝、いちばんに思ったことは〜、あ〜どうしよう〜ほんまにわたし書けるんかいな…そんななきべそにもにた情けなき感情だってのでした…。
そんな封書が、戻ってきてしまった…。あらまぁ。おやおや。何より、次に出すべき宛が見つけられない悲しさと同じくらいに、ひとまず締め切りが伸びたかもしれないことに、安堵をしている自分がここにいたのでした…。なんとも、はや。あきませんねぇ。それでも、ひそかに、これにめげすに、この戻ってきたことは、それほどたいしたことではなく、なんとでもなるのであるから、〜ほんとに?見当はあるの?そんな声もするけれど…ともあれ〜、やっぱり、なにか締め切りを作って、あのとき思った内容のストーリーを、書くべしである、そう言い聞かせてはいるのです。…と、ここに書くことで、なんとか、このなまくらな自分に、なんとかほら、言ったのだから守らんしゃい、そう、言うべく書きているやもしれませんねぇ。ふ〜。
はじめてしまえば、もう後戻りできなくなる、いや、なにも、そんか大袈裟な、心配せんでもそんな才能なんてないのよ、ライフワークにできるほど、ひとさまに評価してもらえるほどのものが、そうそう書けますかいな〜、そんな声がこころのどこかでせぬでもなく…。ともあれ、冬だからこそ、この静謐で穏やかで静かに見守られているような、そんな時間を、なにか形あるもので残してみたい…そんな想いを、こうして書きてるうちに、さらにあっためることができたらいいなぁ〜、そんなおもいで書いてあります。もとより、念のため、これは、ほんまにほんまに遠くの人に向けて書いておりますゆえ、どうかご理解くださいますよう〜って、これ誰に言ってるの?かしらね^_^;