咲き始めています。手紙を投函しました。日曜日のこんな早い時間に海辺にたたずむことができた、午後の早い時間、白波が大半のキャンバスをうめつくしてしまうような、風と空と雲のしたで、くるまの中で風と波の音を聞きながら、書いていました。その瞬間に浮かんだことばを、そのまま文字にしました。いつもとすこし違う、南の街の海辺でかきました。漁船と船小屋が吹き荒れる風の中で、じっとしているこもれびのさす午後でした。舟が水に入るときに使うのだろう、コンクリートの下り坂の途中まで、波が水しぶきをあげて、寄せてははじけてかえしていく、を、くりかえしていました。いちども手を休めることなく、動き続けていたらとてもつづかないようなほどに、波が、いつまでも同じ調子でうねりつづけ、海と空と雲の絵が目の前に拡がっていました。ありきたりな季節描写も、時候のあいさつも、ましてやげんきかいなかについても、なにもふれないで、ただ、目の前の風景について書いていた。。。ようにおもいます。なにをどう書いたらとおもいながらも、それでも、その瞬間にうかぶことばをつれづれに。。。とおもって。。。書いていました。
3枚に書いて、そして、それから海辺にほどちかい、図書館に足が向いていました。岩手に住むおじいさんが、上京したあといなくなった孫娘をさがして、浅草に訪れるところ。中国山地の鍛冶屋さんがいなくなっているところ。5番ホールの奥の海だったことは、忘れていました。インスタートと、書かれていたことにはっとしながら、読んでいました。アウト2番の右はたしかに、左利き泣かせの右白クイがすぐそこでした。巨大なせんぷうきのすぐそばに。。。その2番ロングの、サードショット、右のラフから、奇跡的に7番アイアンで、バーディショット(つまり、ピンの根元にむかって、まっすぐ、打った瞬間に、いったとわかるあの手応え)を、打つことが出来たのは、あれは従業員コンペの後半のハーフでした。あれからいったい、どれほど時間がすぎたのでしょう。ともあれ。右の上の方にカートが離れてしまうこと。。。5番のグリーンは、左右に長くて置くが狭かったのいうのが、こうして書いていて、やっと少しずつ映像がよみがえってきました。ちょうど、そこのところまで読み進めていたらば、ちょうど5時の音楽が鳴って、閉館日まえの閉館の時間がやってきてしまいました。
最初にその本を、いちぎょういちぎょうゆっくりゆっくり読む時間を少しでもながくしていたい、そのほんと一緒に居られるじかんを少しでも長くしたいと読んでいたとき、あれは、4丁目のレコード屋さんの裏手にある2階の喫茶店の、真ん中あたりの椅子に座っていたのでした。あれは、夏だったでしょうか。そこにいくと、決まってガトーショコラと珈琲でした。ほんとは濃いめの珈琲というのがメニューでは別にあって、そっちがいいのですが、ケーキセットにそれを!というのがちょっぴり生意気な気がして、1100円のセットを頼んで、読むのが嬉しい一冊と訪れられるとき、その一席は、いつも以上にとっておきの、時間になるのでした。星と月と夜と。また、続きを読むのがいまから楽しみです。図書館にいくと、とっておきの一冊がある。これもいいなと改めておもいました。きょうの夕日も、とっておきのと、いってもいいくらいの、やわからでいとおしくなるような色合いで、薄い雲のあいだに、あわくあわくなっていました。きのうよりは少し少ないけれど、それでもしっかりした色を残した白波が、いくつも、凜、とした白線を描いていました。あのクラブハウスの前の高さからみえる、マンハッタンのトワイライトは、背景にうつくしすぎる山をいだいて、確かに、えもいわれぬ深みのある色いろの、夕刻のグラデーションを見せてくれる、とっておきの場所のひとつですね。間違いなく。