「このごろね」 「なんだい。藪から棒に。それに。なんだい。いきなり。あんなこと突然書いたりして。」 「うん。ごめん。ほんとは、自分でも驚いてる。どうして、あんなこといきなり書いちゃったのだろう。って。」 「いつも、そうやって、はらはらさせる。君は。もすこし慎重にできませんかね。」 「ごめんなさい。悪かったっておもってる。でも、自分でも不思議な感覚に包まれてる。それで、少し、そわそわしてる。いつもと、少しでも違う光景を目にするだけで、どきってしてる。それに。夢を見たの。」 「夢?どんな?」 「詳しくは言えないけど、ものすごく、鮮明で、姿かたちが余りにもはっきりしてて。で…」 「で、なに?」 「目の前に、文字の書かれた紙があって。~したら、行きます。って。」 「~ってなに?」 「そこは、どうしても思い出せないの。だから、やきもきしている。」 「でも、あんまりはっきりしてて、覚めてからも、とても夢とは思えなかったから…。」 「それは、あれだろ。あんなこと書いて動揺したから、こころが、いつものめでたいこころが、そういう物語を創造したんじゃないのか?」 「う~ん。でも、だったら、2日も続けて見る?」 「う~ん。それはわからん。ともかく。照れくさいってのは、おとこの専売特許なんだぞ。君が、照れてどうする?」
(SCENE2)「で、なんで怒ってた?」 「怒ってなんかないもん。ただ…」 「ただ、何だ?」 「次に投げるのはあなたよって。ちょっと思った。ちょっと拗ねてた。あとは、じっと待ちたいって。それに…」 「それに?」 「こんなに変わらないって、こんなに想いがあるって、こんなに言って、これ以上どう言えばいいのよ。って、ちょっと思った。」 「それだけ?」 「まだ、ほかにも理由が要る?」 「うん。かな。」 「生涯にたったひとつの~って、話。前にもしたけど。それは、わかるひとにしか、たぶんわからないんだと思うの。でも、わかっちゃったひとには、もうどうしようもない。もちろん。いい意味で。夢が叶おうと、破れようと、自分を誤魔化して生きることだけはできない。って、大袈裟だけど、そう思えるものなの。」 「ふ~ん。そういうものかね。」 「でもね。」 「まだあるのか?」 「ううん。その想いはどうしようもないし、こんなにも信じてるけど。でも、ときどき、ひょっとして、こんなに想っているのは自分だけ?とんだ、おっちょこちょいだったらどうしよう?ってね。これだけ、話してても、まだこころのどこかが、ふと、そんな風に泣きべそになるの」 「それで、だんまりは、ちょいとひどくないか?」 「うん。だから、ごめんって。」
(SCENE3)「で、どうしてたらいいの?」 「どうって、ありのままで。。」 「うん、そうじゃなくって。その質問。どこを指してるの?っていう意味。場所のこと?それとも、このページのこと?」 「どっちがいい?」 「どっちって。いつも、えらそうなことばっかり言っているけど、そういうのはものすごく苦手だから、あんまり驚かすのはなしでお願いします。」 「えっ?」 「ヒントでもいいから、前もって少しでも分かっていると、すごく助かるよ~な。。。」 「それじゃあ。つまらない。」 「そ、そんなぁ。ところで、その日は、前から決めてたの?それに掛けて。」 「それは内緒。まだ、なにがあるかわからない。」 「ひどい。それに、どうしよう。緊張して眠れなくなる。」 「えっ?君がか?それはこっちの台詞でしょ。」 「ねぇ。初めて会ったとき。前にもどこかで会った気がしなかった?」 「なんだよ、藪らから棒に。それこそ、内緒に決まってるじゃん。」 「ほんとに、おどかすのはなしだからね。 ねぇ。ほんとだったらどうしよう。」 「ほんとじゃないほうがいいのか?」 「それもいや。いやだけど。。。なんか、さりげなく、まるで、シナリオがあったみたいに…、ってわけにいかない? いやぁ、こんなところで、奇遇ですねぇ。みたいな。そう、落語の枕みたいに、さらっと、始まるっての。?」 「むずかしいこというね。むずかしいことを、さらっとするのが、ほんとはいちばんむずかしいことなんだぞ」 「うん。あ~、でも、キンチョウしてきた。どうしましょう。空耳ならぬ、空勘だったら…。」 「オイオイ。それはなしだよ。お互いに。」(これは、もちろんフィクションです^^;。)