朝、そこらへんいちめんをうっすらと白く包んだ初雪は、冬になると決まって夕方4時にやってくる季節風と霰が、いつのまにやら雨になっていて、薄化粧をとかしている。この湿度をたっぷり含んだ寒さと、容赦のない厳しい風がたまらなく嫌だった昔を、ふと思いだしていた。しんしんと雪の降る夜は、いとおしくとても好きなのに。。これを書いてるいまも、電線より高く伸びた、前の竹林の枝たちが大きく揺れている。
おっと。すっかり遅くなりました。すみません。何はともあれ、明けました。何はともあれ、おめでとうございます。今年は、今年こそは、のおもいを改めて抱きしめているのは、みな同じなのだろう。気楽に、きままに、どんなときものほほ~んと、ほそくながくのんびりと、ときのうつろいをときにいとおしく、ときにまんねりと、ときにかなしく、ときにはたのしく、いきたいものです。馬車がかぼちゃに戻ってからこそが、ほんとうの人生なのかしらね、ふと思いながら、ちょうど30年前に流行ったうたごえを聴いていました。『いつかはふたりで~』(なんてね)。

作家・山口瞳さんは『軽薄のすすめ』(吉行淳之介著)の解説のなかで、「その人が何かを書いたら必ず読むという作家は、私にとって吉行淳之介さん唯一人である」と書いています。さらに、そのことを戸板康二さんに話したら、戸板さんにとっては、内田百けんだと言われ、なんだか妙に嬉しくなったと、続けておられる。あるいは、角田光代さんは、『さがしもの』のあとがきで、「そう、本は人を呼ぶのだ。」と。こころから好きだとおもえる本に出会えること、あるいは音楽に、写真に、絵画に、詩に、映画に、出会えることが、こんなにも素敵ですごいことなのだ。まして、それがひとだとしたら、すごい以上のことばが見付からなくてもどかしくくやしいくらいに、かけがえがなくすばらしいことなのだと、しみじみおもう。そんなわけで、ことしもよろしくお願いします。(*^_^*)