「たとえば、テレビなんかをなんとなく見ていて、ふと思う。ただ、そこにいるだけでものすごくホッとする。そして、ときどき話し掛けて、いい返事をしてくれる。そんなのがベストだね」いつも、照れ隠しに悪ぶってばかりいる、あのやんちゃなてんさいオジサンが、ふともらしていた。しあわせについて、あるひとの祝福をしている場面で。嗚呼、愛だ愛だと、おんなはすぐ大げさに振舞ってしまうけれど、ひょっとしたら、ほんとうの愛について、ほんとうによく知っているのはきっと、男の人の方が、ずっとずっとなんだ、って。思った。▼いつも気にかけてくれている人がいる。それがどんなにうれしいか、どんなにありがたいか。そういえば、あのひとのうたのなかにもあった。「しあわせは、いつもこころのなかにある」んだ、って。貴重な時間を過ごしながら、ふといつも想っている。自然におもってしまう。そして、思う。ただ、元気でいてくれるだけで、その存在があるだけで、どれほど温かい気持ちでいられるか。だから、ときどき一緒にいられたら、それでどんなにしあ
わせなんだろうか、って。いつも、道を歩きながら、それはひしひし感じていたっけ。▼そして。いつもの習慣で、「これから帰ります」と電話しようとしている自分に苦笑。あわせて、「明日帰るからね」と言ってきた相棒にこころが飛ぶ。大丈夫だろうか?と。明日の意味が通じたらどんなにいいだろうって何度も思ったけど、でも、たぶん、昨日も明日もないから、かれはしあわせなんだし、同時に幸せをたくさん分けてくれるのだろうなぁ~、と。▼果たして。顔を見た瞬間に、不安と緊張がからだじゅうからほどけていくのがわかった。安堵がいっぱいにひろがって、次は、怒りと喜びと甘えがいっぺんに飛び出す。感情の機微は同じなのかもしれない。いつもは、一番奥にきちんと置いたままの昼寝用簡易ベッドがおもてまで飛び出していたのが、なにより物語っていた。精一杯の意思表示。わかっててわざと悪さをする。また、それがいとおしさをこれでもかとくすぐる。しあわせである。▼と、書いている後ろのスピーカーから声が届く。「遅れてきた恋ならそれは、きっと永い永
い恋になるでしょう」
わせなんだろうか、って。いつも、道を歩きながら、それはひしひし感じていたっけ。▼そして。いつもの習慣で、「これから帰ります」と電話しようとしている自分に苦笑。あわせて、「明日帰るからね」と言ってきた相棒にこころが飛ぶ。大丈夫だろうか?と。明日の意味が通じたらどんなにいいだろうって何度も思ったけど、でも、たぶん、昨日も明日もないから、かれはしあわせなんだし、同時に幸せをたくさん分けてくれるのだろうなぁ~、と。▼果たして。顔を見た瞬間に、不安と緊張がからだじゅうからほどけていくのがわかった。安堵がいっぱいにひろがって、次は、怒りと喜びと甘えがいっぺんに飛び出す。感情の機微は同じなのかもしれない。いつもは、一番奥にきちんと置いたままの昼寝用簡易ベッドがおもてまで飛び出していたのが、なにより物語っていた。精一杯の意思表示。わかっててわざと悪さをする。また、それがいとおしさをこれでもかとくすぐる。しあわせである。▼と、書いている後ろのスピーカーから声が届く。「遅れてきた恋ならそれは、きっと永い永
い恋になるでしょう」