ところで。夢が叶った瞬間って、いったいどんななんだろう。見ていて思った。最初は、なにかこう、悲壮感さえ漂っていて、どうしてそこまで…、とさえ感じたが。少し時間を置いて、いささかおこがましいが、もし自分なら?と考えてみたら、確かに同じようにするだろう。たとえ腕がちぎれたって、やってやろう、きっとそう思うだろうな、と。個人競技はともかく、国を背負った団体競技には、そこに去来するあまりに重たすぎるようにも見える空気に、どことなく違和感さえ感じてもいた。メダルとは、いったいなんぞや、と。それぞれのW杯ではあり得ないほどの、重たさ、悲壮感がある気がして。メダルのあるなしにかかわらず、そのひとそのひとがやってきたこと、賭けてきた想いは何も変わらない。それまでの時間や、積み上げてきたものの、かけがえのなさはちっともかわらない。でも、しかし。その最高の舞台でしか発揮できない力、その舞台がなかったら決して到達できなかった領域、目に見えない“何か”が生み出す力。きっと、そこにはそんな何かがあるのだろう。そ
してその中には、歴史に刻む、ということの偉大さもきっとあるに違いない。そんな風に思った。
してその中には、歴史に刻む、ということの偉大さもきっとあるに違いない。そんな風に思った。