“白夜”状態。勝手に自分でそう命名してみたのだが。それが続いている。自家中毒ならぬ、自家&仮性時差呆けだろうか。忘れた頃に、やってくる。“眠たく”ならない。ずっと日が沈まないような…。でも、敢えて不眠とは呼ばない。超過起床か、それとも…。元来が“そのうちなんとかなる症候群”なので、まあ、いずれそのうち眠くなるでしょうって、体内時計の流れに任せているけれど。ともあれ、おつりがきても足りないくらい眠るのが得意な身ゆえ、いささか調子が狂う。「わたし、大丈夫?」と。恐らく、月の前半の過眠症の反動もあるのやもしれない。あるいは、いつかみたいに、しばし月の精が乗り移って、特別貴重なひらめきの時間を下さっているのかしら、とも思ったり…。(家族が長年抱えていた毒?を何とか解してあげたいと、悪戦苦闘してからだから…乗り移ったのは妖精ならぬ、妖怪かもしれぬのだが…。)それにしても、1週間のうち、一日も4~5時間を越えて眠っていない。少ない日は数時間。それでも全然平気。とわたしを知る人が聞いたら、目を白黒させるに違いない。でも、生まれてからこれまでのひとより多い睡眠時間で均すと、まったく大勢に影響のないきもするし…。さらに、この季節は、“芝の聖地”がオンタイムで見られるというのも、実に大きく…。一度、下がりかけてた体温が再び上昇、おめめぱっちりにしてしまう。そんなわけで、“白夜”の波に魘されて(張り切って?)いる。
忘れた頃にやってきて、日ごろ気付けないたいせつなことを教えてくれるもの。ときに、大きな犠牲もともなう。それらと並んで、古来、怖いものといわれていた、もうひとつのたいせつな存在が怖くなくなったといわれて久しい。でも、わたしは、特に、子供の頃は、ものすごく怖かった。と、いっても、ほとんど手を挙げられたことなどないのだが、それでも、逆鱗にふれてしまったときの怖さといったら、学校のせんせいのどんな怖いときでも足元にも及ばないほど…だった。よく遊び相手もつとめてくれるのだけれど、それとて、いつでも、というわけにはいかない。背中が、「いまは駄目だ。話しかけるのもだめ」といっているときは、近寄りがたく、「いけない」といわれているにもかかわらず何か悪いことをしたときなどは、震え上がるほど。大正生まれの、凄みのようなもの、なのだろうか。「こんどしたら、蔵にいれるからな」が、切り札で、結局、入れられた記憶はないのだが、窓をしめると光がひとつも差し込まないそこに入れられるのが、なにより恐ろしく、なんど泣きながら懇願したことかしれない。それにしても、いったいなにをそれほど怒られることをしたのか、いまとなってはほとんど思い出せない。ただ、ただ、恐ろしかった記憶だけが残っている。でも、確か、言い訳をするのが最も大きな怒りを買った、そんな思いが残っている。そして、どんなに「みんなを楽しませたかったから」と思ったとしても、それがだれかの気分を不快にさせてしまっては、なんの意味もないのだ、と。そんな風に叱られて、泣きべそをかいている。そんな情景が、浮かんできた。