思えば、息のあったキャディというのは、信頼できるホームドクターのようなもの、なのかもしれない。さきの、グリーン上でのいくつもの劇的なシーンが忘れがたい、メジャーを観戦していて、ふと思った。地球の反対側で、まさに今、行われていることが、LIVEで見られるという効果も、少なくなかったのだろう。ともあれ。キャディは、そんないざというときのたいせつなパートナーであり、ときに苦言を呈しても、誤りや激昂をただし、諌めてくれるメンタルパートナー、でもあるのだろう。少々の乱心!?や、やんちゃには悠然と目をつぶり、むしろ、ときには冒険を応援もし、でも、本当に道を誤りそうなときだけには、頑として壁となり、敢えて憎まれ役も引き受ける。そんななくてはならない頼もしいパートナー。これって、たぶん、たいせつな家族との絆でもあるようだ。そして、例えば、“小さな家族”が相手でも…。さてそれにしても、件の一戦で、凄すぎるとしかいいようのないドラマを制した彼だが、その、戦いの間に垣間見せた豊かな表情がとても印象的だった。かつてはなかった。圧倒的な強さという点では、若い頃の方が勝っていたかもしれないが、そこにしなやかな底力や奥行きが加わり、人間的には魅力が増した。そんな気がした。父親になったというのも、たぶん大きく、影響しているのだろうか。


ところで。ちょいと小噺。「ねぇ、勝負しない?」「どんな?」「勝ったほうが、負けたほうにきすできるの」「なにそれ。それって…」「おなじじゃないわ」「どうして?」「ぜんぜん違う。能動と受動はね。負けたほうは動いちゃだめ。それに、勝ったほうには、辞退権があるけど、負けたほうに拒否権はない!」「じゃあ、最後に倍返しもあり?」「まあ、それはそのときの気分次第ね。そうそう、それに、だれも唇とはいってないし。」「えっ?」「もちろん、勝ったほうが自由に決めていいけどね」「え~~。」「そしたら、どっちも負けようと必死になるじゃん、って顔してる」「う、うん。」「なんでわかったの?でも、たまには、いいんじゃない?そういう趣向も。いつも必死になってる自分のことがかえってよくわかるかもよ」「なんだよ、それ」「つまりね。はくせんのそとに飛びだしていくのが、遠くに飛んでいってくれるがんさいぼうみたいに、見えるかもよ、ってこと。ものごとの、別の側面が見えてくるんじゃない?」「へぇ~いってくれるじゃん」「でも、正々堂々、恥ずかしくないように。わざと力を抜くのは駄目だからね」「もちろん。そっか、いつも、そんな気持ちでいればいいのか」「そ、だよ。面白くなってきた?」続きは、各自ご随意に。。。「なあんてことを、妄想しながら、ハンドル握ってるから、出口を通り過ぎるのですよ」ん?これってだれの声???(・・;)