「あなたといると本当の自分になれる/今までにないほど自然のままの自分に/あなたの声/あなたの顔/あなたの思い出はもう消せない/もしかしたらほかの人だったかも/どこからか現れる見知らぬ他人/それがあなたで本当によかった/言葉は鋭い刃/人を傷つける/口に出すとすぐ忘れてしまう/言葉は約束になり/時にはウソにもなる/あなたの言葉は特別/空を飛べるような気分にしてくれる/もしかしたらほかの人だったかも/転ぶ私を優しく/受け止めてくれる人/それがあなたで本当によかった/それがあなたで本当によかった」 映画『You've Got Mail』のエンディングで流れる歌の和訳。もう台詞を覚えんばかりに繰り返し見たフィルムでも、改めて見ているとさらに、それまで気付かなかった台詞の中の機微が見えてきたりして、飽きない。こんな詩が書けたらなぁ~、じんわりこころがあたたかくなるような、そんな詩が…。そう思った。


「たがいのふかさみたいなもの/浅くてもいけない/たとえばくるぶしさえ届かないような/でも深すぎてもいけない/おぼれてしまうから/たがいにとってちょうどいいふかさがある/ゆとりをもって呼吸しあい/ゆとりをもってときにけんかもし/ゆとりをもってときにほうようし/ゆとりをもってときにゆっくり語り合う/そんな時間をもてること/そんな相手をもてること/それがちょうどいいかんけい/きっとかけがえのないかんけい/生涯ともにあるきたい/そんなふかさに浸りながら…」 う~ん、駄作ですねぇ~。ちなみに、坂口安吾さんは、『恋愛論』のなかで、こういっておられる。「人生においては、詩を愛すよりも、現実を愛すことから始めなければならぬ」、と。でも、こうも。「恋愛は、言葉でもなければ、雰囲気でもない。ただ、すきだ、ということの一つなのだろう。」 ところで。蛍の語源は、「火垂(ほたり)」、または、「火照(ほてり)」が変化したものだそうな。ときには、淡い明かりに生命の軌跡を託す、清流のほとりの光瞬く風景に、想いを照らすそんな夜更けが、あってもいい。だろうか。