そう、いつかの清くて明るい朝のことを思いだしていた。なにとはなくの高揚感と緊張感で、珍しく浅い眠りで迎えた朝だったっけ。歩いても行ける駅までは、タクシーを奮発した。列車に乗り、最初の大きなトンネルを抜けたあたりで、胸がふるえた。見ると、やさしさとあたたかさの伝わる文面。詳細は忘れたが、いまごろ~ですね、半袖でも大丈夫な陽気と盛りを迎えた花ばなのことが綴られていた。一抹の不安と緊張と期待。なんとも言えない感じのくうきに包まれていたのが、鮮明に蘇ってすこし擽ったいような。ほんとにふしぎとしかいいようのないながれでした。ある歌人の「すろーらいふすとーりー」というアルバムのなかに、やさしさに溢れたメロデイに乗せて、こんな歌い出しではじまる曲がある。「出会ってくれてありがとう…」