ようやくおさまった。毎月、決まった日になると必ず嫌がらせと思える電話があった。その日にこころ当たりがないのはもとより、そもそもそんなことをされる覚えなどてんで見当もつかないから、ただただ閉口していた。いつだったかずっと以前、恐らくコンパか何かで、口からでまかせの番号を教えられたとおぼしきみしらぬ御人が、喜び勇んでかけてきたことがあったから、当初、あきらめきれないその人物の払いせかとも思ったが、どうも違う。余程、番号を変えようかとも思ったものだ。でも、もし全く無関係だが、完全な誤解がもとの所作だとしたら、かえってエスカレートさせてしまうかも。どうでもいいことほど、やたら想像力が豊かになる欠点のせいで、素人推理はあらぬ方へとどんどん飛躍する。ともかく、その当人にどんな事情や納得があったか知らぬが、一事が万事(に通じるゆえ)、自分の子供に話せないようなことは決してしちゃいけない。神さまはちゃんと見ている、に違いないから。
そもそも、ストーカーなどというものは、本来、人気があってもてるひとが被る迷惑害で、犬と10歳未満を除くとてんでもてない私など、生涯無縁だと、確信している。(ただ、なんの因果か、生来、空間の取り方にはやたら敏感で、みしらぬ人に背後に立たれることが、とにかく嫌いだという感覚が人より少しに多いのかしら、とは思うけど)
やまほととぎすの一句が、まさに本番を迎えたこの季節、誰のこころにも、勢いよくみずみずしさを増す若葉のごとく、清らかですがすがしい風が吹きますように、と願っている。
ときに、実に久々に電車というものに乗った。地下を走っていた電車が、地上にでる瞬間の、明るい日差しがさしこんで、一気に視界が開ける瞬間が、とても印象的だった。そんな感慨を覚えていると、声をかけられた。恐らく、昭和一桁生まれかとみうけられる紳士に、日曜の朝には決まって体操をしていると聞いたことのある公園への行き方を尋ねられた。最寄り駅と、駅からの方角を御答えした。てっきり、その体操クラブ!?の見学にでも行かれるのかと思ったら、なんでもパスポートの更新に行かれるという。せつな、意味を掴みあぐねたが、何はともあれ、電車にのると、ささやかだけど、偶然の小さな会話に恵まれることもあるのだと、妙に感心してしまった。そうだ。(訂正!)70歳以上にももてるのだったかもしれない。不意に気づいて、ひとり苦笑していた。周囲に気付かれないように。そういえば、キャディではついに父より年上の御人につくことはなかったが、街角でも父と同じ年代の人が、困っているところを見掛けると、思わず助けてあげたくなってしまって
いたっけ。
そもそも、ストーカーなどというものは、本来、人気があってもてるひとが被る迷惑害で、犬と10歳未満を除くとてんでもてない私など、生涯無縁だと、確信している。(ただ、なんの因果か、生来、空間の取り方にはやたら敏感で、みしらぬ人に背後に立たれることが、とにかく嫌いだという感覚が人より少しに多いのかしら、とは思うけど)
やまほととぎすの一句が、まさに本番を迎えたこの季節、誰のこころにも、勢いよくみずみずしさを増す若葉のごとく、清らかですがすがしい風が吹きますように、と願っている。
ときに、実に久々に電車というものに乗った。地下を走っていた電車が、地上にでる瞬間の、明るい日差しがさしこんで、一気に視界が開ける瞬間が、とても印象的だった。そんな感慨を覚えていると、声をかけられた。恐らく、昭和一桁生まれかとみうけられる紳士に、日曜の朝には決まって体操をしていると聞いたことのある公園への行き方を尋ねられた。最寄り駅と、駅からの方角を御答えした。てっきり、その体操クラブ!?の見学にでも行かれるのかと思ったら、なんでもパスポートの更新に行かれるという。せつな、意味を掴みあぐねたが、何はともあれ、電車にのると、ささやかだけど、偶然の小さな会話に恵まれることもあるのだと、妙に感心してしまった。そうだ。(訂正!)70歳以上にももてるのだったかもしれない。不意に気づいて、ひとり苦笑していた。周囲に気付かれないように。そういえば、キャディではついに父より年上の御人につくことはなかったが、街角でも父と同じ年代の人が、困っているところを見掛けると、思わず助けてあげたくなってしまって
いたっけ。