気がつくと、涙があふれていた。いったい、なんでそんなに泣いているのか自分でもわからない。でも、心のそこの方の何かが確かに揺さぶられていた。読みながら。これほど涙したのは、今までなかったのではないか。「感動する」とは、聞いていたけど、半信半疑、なんだか、読みにくいなぁ~、情景描写がやたら多くて、想像力を働かせるのがつらいなぁ~などと、少々愚痴めいて読み始めたのではあったのに。どうしたことか。涙が止まらなくなっていた。電車のなかや、カフェでなくてよかった、と胸をなでおろしたほど。とりわけ、「自分の中の川の流れに逆らうと、自分ではなくなる。自分の川の流れるとおりに、生きないと後悔する」という意味の台詞にすっかりやられてしまった。(もちろん、物語の結末にも涙したけど。。)。


と、そんな感動の余韻に浸りながら、せっかくの休みの午後をそのまま日常に埋没させてしまうのが、妙に惜しくて、街へ出かけた。で、向かった先はやはり書店(まったく、我ながら、ほかにないのかと、苦笑してしまう)。読みたかった、短編が収められてる一冊を見つけ、喧騒が心地いいカフェで、一読。それから、いつか大好きな人が、気に入っていると言っていた、定食を注文。(ちょっと喉が渇いたっけ)。それから、夜の街をしばし散歩して帰宅。う~ん、張り切って出かけてみたものの、それほどとっておきの休日とはいかなかったかなぁ~(まあ、いいか)。そういえば、見上げると少し大きくなった下弦の月が天上に光っていたっけ。(ちなみに、私が生まれた日の月は、上弦のそれ。ひとは、生まれた日の月にも影響されているというけれど。。。)