家に帰る。ケニーGをかけながら、お風呂に浸かる。ホッとするためのルーティーンは変わっていなかった。はて、窮屈でしかたのない画面と、もどかしいキー操作にときにいらいらしながら携帯で打っていた頃は、早くパソコンに戻りたい、広ーいフィールドで思う存分、思いのたけをぶつけたいとずっと思っていた(はず)のに、いざ、こうして向き合ってみると、なんとしたことが、広さをもてあましている。言葉が出てこない。広さをみて安心してしまったティーショットのようだ。まるで。かえってイメージが難しいのだ。どこでもいい、なんでもいいと言われると、決められないのにも似ている。慣れとは恐ろしいものぞ。ほんに。つくづくそう思う。
さて、しばらくぶりに自宅に戻ったら、盛秋のころとても楽しいラウンドをご一緒していただいたからの、温かい書簡が届いていた。おもいのほかで、心に嬉しかった。素敵に色づいた庭の紅葉が一葉そえられていたのが、また沁みた。きっと、ほんとに一番いい紅葉の鑑賞場所は自宅の庭なのだろう。あちこちさんざん探し回ってほんにつくづくそう思った。教えられた気がした。見れば消印はなんでも「いい夫婦」の日だった。ほんとに素敵なご夫婦。いつか自分もそんなふうになりたいとこころから願っている。
時に、鶏口牛後というけれど、はて、どうなのだろうか。キャディをしていると、たいてい、まずその人の職業のけんとうをつけるのが最初のひそかな楽しみなのだが、(公か私か、主か従か、文か理か、などなど。)けっこう分かったりする。まず、手を見れば現場のあるなしが分かるし、体格や筋肉でふだん使っている度合いがわかるし。極力私語の内容に気を遣われる職種の方ほど、得てしてごう慢でわがままだったりもして。。。なかなか面白い。やっぱり、職はどうあれ、人の魅力はもっと別のところにあるのではないか。胡散臭いを嗅ぎ分けるハナを持ち、それでいて、何も知らないかのように人には柔らかく振舞える、そんなアジのある人が、いちばんかっこいいのではないかしらん。さりげない動き一つ、さりげない言葉ひとつにもやっぱり素敵は素敵だし。
とかなんとか、いいながら、自分の飛距離を過小(あんまりいないけど、特にパターなんか)しているひとには、実際よりも少な目の距離をいい、逆の人には、実際の距離より大きめにいったり、(あるいはバンカーにいれさせたくないときには)あえて入りにくい距離を言ったりしていたりするのだけどね。流れを悪くしないように、キャディも結構ひそかに工夫しているのですよ。お客さん!^^;。(この前は、ほんとはナイスショットなら池に届いて入っちゃうお客さんだったけど、敢えて入らないと言い切って、ベスポジの狙いを言ってあげたら、果たして、見事その通り、狭いフェアウエイをとらえて、こっちまでやったあ、という気分だったけ。きっと、正直言ってたら、あのナイスショーはなかったね。きっと。無論、とっても紳士な方だった、からでもあるのですが。。。)