自宅の書棚を探したらありました。私の原点ともいえる一冊の本が(少し大げさですが)。それは、小1に初めて買ってもらった物語本で、王さんの児童向け伝記本。懐かしいにおいとともに開いてみると、幾つもの挿絵を今でもはっきりと覚えていることに、我ながら驚き、「やっぱり野球が好きなんだ」という想いが改めて押し寄せても来たわけなのですが。。。


無論、その本を手に取るきっかけを与えてくれた理由の一つは、紛れもなく夏の甲子園です。10日前に、思いのままを書いた前回の内容が、まさかこんな形になるなんて。しかも、延長再試合のおまけまでついて。7月の終わり、何気なく目にした東京都大会(はじめはずっと、東東京代表の決勝だと思って見ていたぐらいだったのに。)。何度窮地に立たされても、延長でリードを許しても、ただひたすら冷静に投げ続ける姿が余りに印象的で、「この試合は甲子園の決勝に値する」と思ったほどでした。


組み合わせの抽選が決まったとき、「何と不運な」最激戦ブロックに、「これはあっさり負けても仕方ないかな」と、心配半分、慰め半分の思いでいたら、見事に裏切られ、こんな感動を与えてくれました。果たして、今春、選抜優勝の横浜に大量失点を許した投手が、半年でこれほどの進化を遂げるなんて誰が予想しえたでしょう。それどころか、イニングを、そして試合を重ねるごとに更に進化しているのではないかと思えるほどの強靭さ。再試合となった延長の中では、あの「江夏の21球」を髣髴とされる場面までいとも簡単にやってのけ、ひとつの想いを成し遂げるまでにひたすら「粘り続けること」の素晴らしさを魅せてくれた夏の主役にただただ、敬服、感嘆、賞賛のおもいです。そして、件の王さんの本にあったエース番号を背負った早実のユニフォーム姿とも重なって、なぜか涙が止まりませんでした。