かつて本当に無死満塁のマウンドにいたことがありました。そこは、高校のグランド。1年生でした。田舎のただの県立校です。学年関係なく、男女別のクラス対抗、球技大会というのがあって、ソフトボールの1回戦でした。相手は、3年生文系の進学しないクラス。文句なしの優勝候補。まあ、なんてくじ運の悪いこと。ともかく。わがチームのソフト経験者はわずか2名。無論、私は違います。が、何故かずうずうしくもピッチャー!。とにかく、グラブをちゃんと扱えるのは、キャッチャーと、サードとファーストだけ。つまりは、三振か、そのどちらかに転がさせる以外、切り抜ける方法がないという絶対絶命でした。


江夏の21球ならここから、劇的なドラマが始まるのですが、もちろん私にはそんな筆力も、そしてそれ以前に記憶力がありません。それでも奇跡的に、三振と、投ゴロ本塁併殺か何かで本当に零点に抑えてしまったことだけは確かです。そして、その試合、そのピンチの前にもぎとっていた1点を守り抜いて勝利を収め、その後は危なげなく見事優勝。その後、理系のクラスに行くと女子が足りないからソフトには出られない、と聞いて迷わず文系を選んだ私は、宣言どおり、3連覇を果たして、ひとり「これは池田高校よりすごいぞ」とわけのわからない誇りを感じていた、おめでたいお馬鹿さんでした。(確か、3連覇がかかった年には、クラスメイトを無理やり連れ出し、ピッチャーのファーストベースカバーの放課後居残り自主練!までやったのでしたっけ。^^;。)と、それはともかく。


ゴルフでも再三、ピンチはやってきます。もちろん、人生でも。少し前まで、いつかは何か「資格」を、と考えていた私ですが、やっぱり、「ま~るく生きたい」ので「しかく」はやめて^^;、スペシャリストではなくて、ジェネラリスト?を目指そうかななどと考えているところ。またまた、脱線していまいました。ともかく、ともかく。人の嫌がる仕事、風当たりの強い役目、矢面にたつ立場、そんな仕事を淡々とできる人は強い、そう思います。ピンチでも逃げたり、人のせいにしたりせず、冷静に今何ができるのかを判断して実行できる人は偉くて格好いいと思います。ゴルフはそんな模擬試験みたいなシーンをたくさん与えてくれます。だから、今度ゴルフを再開するときには、安全ルートなんてお構いなし、もちろん点数なんて3の次、敢えて危険にチャレンジするそんなゴルフを絶対したいな、とひそかに思っているところ、です。 と、こんなことを考えるのは、お尻に火がつかないと本気になれない、お調子者だからなのかもしれませんが。


ところで、突然ですが、余談をひとつ。このところ、木曜日がひそかに待ち遠しい、のです。それは、ある新聞の夕刊に、いつか「(舞台での)その圧倒的な存在感」がかっこいいと書いた、俳優の方のエッセイが載っているから。私が知る限り、その方は一度しか本を出しておられず、ずっと残念に思っていたところに偶然見つけた連載でした。ささやかな話題をこんな風に、軽くさらりと、でもしなやかで潔い筆致で書けたらいいなと思うのですが。。。。まだまだ“修行”が足りないのを思い知らされる今日この頃、でした。