そもそも検査をする前に、一般的にはどれくらいの確率で妊娠できるのか?と言う話。
不妊外来を薦められ行く事にしましたが、
保険適応になったとは言ってもそこそこの出費になるわけだし、場合によっては体調に問題が出るかもしれないわけで…
このまま我慢するとしたらどれくらいの妊娠の確率があるのだろうか?と調べてみる事にしました。
日本生殖医学会のHPからは、
不妊の頻度は25歳~29歳では8.9%、30~34歳では14.6%、35~39歳21.9%、40~44歳では28.9%と記載されています。
【今回のブログのまとめ】
・妊娠というイベントはタイミングをちきんと取れば、一般的に1周期でみれば2割バッターよりも少ない確率だけど、1年通せば8割近くになる。
・不妊症の原因によっては、タイミング法は有効
しかし、卵巣機能や子宮に問題ない人の場合はタイミングを取ったところで妊娠確率は5%以下ととても低い(!)。逆に卵巣機能や子宮に問題がある人の場合、それらの治療をすることでタイミング法で妊娠する可能性はあがる(それはそうだろうな)。
・40才以上になるとタイミング法では6%以下になる。
・タイミングの取り方は排卵前5日から当日までに3-4回取ると確率が高い。
・しかし、排卵は体温が上がる前に起こるので、基礎体温からのみでは難しい。婦人科でエコーで卵胞径測ってもらって教えてもらうのが良い。
今回も参考文献としてこの本↓を使っています。
妊娠率についてあちこちのホームページで使用されているグラフがあるのですが、出典元は記載されているものの、出典元は紙ベースの英語の本でして。
…ちゃんと読んでる?読んでるとは思えないホームページばかりだったんです。
どこかから参考文献の記載ごとパクってるのでは?
そしてそのが出典元から正しく引用しておらず、その間違ってるグラフが正しいものとして出回ってるのでは?と思いました。
一度出回ると全て正すのは難しい。
妊娠率についての論文2つ
論文①
通常、適切な時期に性交渉を行った場合,累積妊娠率は6周期で約80%に至り,12周期で約90%となる。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12923157/
→
(年齢はおいといて)
不妊でない場合、かつタイミングを取り続けた場合、半年で80%が、一年で90%が妊娠に至ると言う事。
ま、まじか〜
論文②
30歳以上の正常な妊孕能をもつ女性では,タイミング法(TI)での1周期あたりの妊娠率は17.5%とされる。
さらに累積妊娠率は6周期で65%,12周期で78%とされている。
→やはり同じような事が書いてある。
野球の打席に例えると1割7分5厘とまぁ低い。
配偶者「◯◯(お気に入りの野球選手。打率は2割前後)よりも低いのか…けど◯◯は年間通して2割だからな…」
そしてこちらには続きがあって…
基礎体温が二相性で排卵障害がなく、1年間の定期的な性交を継続的に行っているが妊娠成立しない不妊症と定義される女性では、TIによる1周期あたりの妊娠率は0~5%と低い。
また40歳以上ではTIによる1周期あたりの妊娠率は0~6%程度である。
→環境要因や排卵障害などがあって排卵の時期に性交渉を行うことができなかった人
高プロラクチン血症、黄体機能不全などの卵巣因子がある人
子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどの子宮因子を治療することで解決する不妊症の人
これらの人にはそれらを治療してのTIの治療効果は高い可能性がある。
☆おそらく母体側に大きな問題のないパターンの不妊としては、精子側の要素もあったりして、タイミング法をしてもというところもあるのかも。☆
自然な形での妊娠への強い希望がある場合には,TI・人工授精(IUI)合わせて3周期以内など限定的に行うとよい。
3周期とは。自然なカタチへの拘りがある人にとってはなかなか時間が足りなさそうだけど、待っていてもダメだよっていう現実認識は大切…
私は初診の時にどうするかと言われ、1番確率が高いようにしたいと話をしました。
ふたりの検査を進めていく間に妊娠せず、他に治療可能な問題がなければ、さっさと体外受精へ突き進むと言う事になりそうです。
体外まで行く前になんとかならないかな…と甘い期待は捨てられずにいるけど…
検査している間はタイミングをとる同時進行の方針。
ならばタイミングはいつ取ればいいのか?と言う話
論文①
→排卵5日前頃から排卵当日までに3~4回のタイミングをもつことが1番妊娠率が良い。
じゃあ排卵はいつあるの?と言う話
論文②
→基礎体温で判断するのは難しいですよという結論。
基礎体温の上昇は通常LHサージ(排卵を誘発するホルモンがドーンと増える)の約2日後に起こるとされているので、排卵予測には有用ではない。
(体温が上がってからでは遅い)
【自然周期の場合】
卵胞径が18mmを超えると血中E2値が200~400pg/mL程度に達して、この濃度が2~3日持続するとLHサージ(排卵誘発)起こる。
【排卵誘発治療を行う場合】
クロミフェンクエン酸塩やレトロゾールを使用した排卵誘発周期では,最大卵胞径は23~28mmで排卵誘起を行った場合に妊娠率が高いと報告されている。
自然周期よりも卵胞発育を待ってから排卵誘起を行う必要がある。
配偶者が私の排卵予測をしていたのもあり、タイミングはほぼ1年取っていたと思います。
私は高温期もかなりしっかりありますし、このまま頑張ってもダメっぽいなぁと諦めもつきました。
PMSが無ければ誰に何を聞くこともなく、何も調べずに何年も待ってたかもしれない。
(そのままでも妊娠したかもしれないけどその世界線は来ないので分からない)
わたしの友人には
かなりの子沢山の人もいれば
不妊症で悩んでいる人が複数人いて
子供が出来た人も出来ていない人も両方います。
ためらわずに早期に受診して、救われる人が増えたらいいな。
(私はまだ妊娠してないけど、既にちょっと救われています。宙ぶらりんで進まないのが1番辛い。
せっかちなので…)